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集中力、記憶力を向上させる方法はあるの?
勉強をする際の集中力や記憶力は、ちょっとした工夫で向上させることが可能です。
集中力をアップする方法
脳は常に新しい情報刺激に焦点を合わせていくといわれています。
勉強に集中しようとしても、次々に視覚や聴覚などから新しい情報が入ってきては気が逸れてしまいます。
集中力を高めるためには、視覚に他のものが入ってこないように、また、意味のある音が聞こえないように工夫すると良いです。
たとえば、勉強する間は、机の上には勉強に必要なもの以外は片付け、マンガや小説などは視界に入らない場所にしまう、テレビやインターネットはつけないなど新しい情報刺激をシャットアウトしましょう。
また、「1時間でここまでやる」というように短い時間で比較的達成しやすい目標を立て取り組むことも、集中しやすく、達成すれば達成感からさらにやる気がアップし集中力が継続します。
記憶力をアップする方法
記憶は脳の「海馬(かいば)」と呼ばれる器官が司っています。この海馬が活性化されると記憶力が向上するといわれています。
記憶力を高めるには、海馬が活性化されやすい方法で勉強すると良いです。
たとえば、絵や図を見ながら記憶したり、机で暗記してベッド上に移動して暗記するというように、記憶をする場所を移動したりすると海馬は活性化しやすいといわれています。
また、海馬は繰り返し入ってくる情報を長期的に記憶すべき情報と判断しやすいということがわかっています。
つまり、一度覚えてもそのまま放置しておくと、そのうち忘れてしまうということです。
定期的に繰り返し覚える(復習する)ことが効果的です。
さらに、脳は寝ている間に記憶の整理作業を行っており、寝る前に覚えた情報が記憶に残りやすいといわれます。
記憶力を向上するには、暗記は寝る前に行うようにして質の良い睡眠をとるようにしましょう。
ドーパミンを増やすならタンパク質がポイント
人間が集中する時、やる気を出している時、脳内で多く分泌される物質をドーパミンと言います。
これは交感神経を刺激し、いわば敵に向かって戦いを挑むような状態にさせます。たとえばやる気や何かを知りたいと思う気持ちも、ドーパミンの働きによるものです。
その原料となるのはタンパク質で、特にチロシンやフェニルアラニンといったアミノ酸が豊富なタンパク質がおすすめです。
チロシンは納豆やかつお節、卵白、パルメザンチーズに多く含まれます。朝食として、卵入りの納豆にかつお節をトッピングするのも良いでしょう。
行動するとさらにドーパミンが増える
ドーパミンが大量に分泌されるのは、実際に自分が何かしらの行動を起こした時です。
行動するきっかけとしてお手軽なのが「ご褒美を用意すること」です。
たとえば「この宿題が終わったらケーキを食べよう!」「後はこの分野だけクリアしてドラマを見よう」などご褒美があることを意識して勉強したら、あっという間に時間が過ぎたという経験はありませんか。
こうしたご褒美を用意することは、すぐに取り組みやすいためおすすめです。
音楽でドーパミンを増やそう
音楽を聴くのも、ドーパミンを分泌させる効果があるとされます。
特に歌詞がないクラシックや、リラックスできるアンビエント、ストレスを発散することで勉強に集中しやすくなるヘビーメタルがおすすめです。
ただし音楽に頼りすぎると、試験中の静かな環境に耐えきれなくなったり、イヤホンを忘れると勉強できなくなったり、弊害が起きる恐れもあるため要注意です。
リフレッシュも兼ねるなら瞑想がおすすめ
気持ちを切り替えながらドーパミンを増やす方法として、瞑想が挙げられます。瞑想といっても何時間もじっとするようなものではなく、1分程度と短時間でかまいません。
まず背もたれのある椅子に深く腰掛けたり、心地よい姿勢で横たわれる場所に寝そべったりします。
そして4秒かけて深呼吸をし、体全体に酸素が巡りながらストレスを押し流すイメージをしながら、8~16秒ほどかけてじっくりと息を吐き出します。
これを1分間じっくり続けると、リフレッシュしつつ、次の勉強のための集中力を取り戻しやすくなるでしょう。
集中力・記憶力アップのために避けるべきことは何?
折角集中力や記憶力に良いことをしても、反対にしてはいけないことを続けていたら効果はアップしません。
たとえば、集中力を一気に高めたい、と考える人が多いかもしれませんが、短時間で物事を片付けようとするとすぐに疲れがたまってしまい、集中力を欠くことになります。
そのため、リラックスした環境でじっくり取り組めるようにすることがとても大切です。
リラックスするためには、睡眠も欠かせない要素です。たっぷりと質の良い睡眠をとり、持続して物事に取り組めるようにするためにも、寝不足は避けましょう。
加えて、避けたいのがタバコです。一時的に頭がスッキリとする感覚こそあるものの、血流を悪化させるため必要な栄養素が届くのを妨いでしまいます。
必要な栄養素をしっかり摂っていたとしても、届けるための血流が悪化していると、栄養素が届かずエネルギー不足になって脳が集中することに疲れてしまうのです。
脳を使う時に摂りたい栄養素とは?
脳の機能を高めるために摂りたい栄養素には次のようなものがあります。
脳のエネルギー源であるブドウ糖
脳がエネルギーとして利用できるのはブドウ糖だけです。
食材としては炭水化物が代謝されてブドウ糖になります。
脳を活発に働かせるには、炭水化物(ごはん、パン、麺など)の摂取が大切です。
ブドウ糖をエネルギーに変えるために必要なビタミンB群
ブドウ糖をエネルギーに変えるためにはビタミンB群の働きが必要です。
特に、ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーにかえる際に必要なビタミンです。
さらに、ビタミンB6は神経伝達物質の生成に関与しています。
細胞の酸化を防ぐ抗酸化物質
抗酸化物質は、酸化による脳細胞や神経細胞、血管の老化を防ぎ、脳を健康を助けます。
抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、βカロテンなどを積極的に摂取するようにしましょう。
脳の認知機能に重要なオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)
青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、脳の記憶力や思考力、注意力などの認知機能に重要な働きをしているといわれています。
神経伝達物質の原料となり活躍するレシチン
大豆や卵黄、レバーなどに多く含まれているレシチンは、神経伝達物質のひとつであるアセチルコリンの原料となり、記憶力などの認知能力を高めることが知られています。
レシチンの材料になる、コリン
コリンはビタミンと似たような働きを示す物質であり、コレステロールや高血圧、脂肪肝の予防にも役立ちます。
体内でレシチンの材料になってくれるため、コリンを補うことでレシチンを増やすことに繋がります。
神経細胞の働きに重要なミネラル
カルシウムやマグネシウムは、神経細胞の働きを促進して、神経伝達をスムーズにします。
鉄は神経伝達物質の合成に必要なミネラルです。
亜鉛はエネルギー代謝の際に必要な酵素の構成成分として働きます。
ホスファチジルセリンは勉強向けの栄養素なの?
ホスファチジルセリンはレシチンの1種であり、神経細胞にとっても欠かせないことから、補うことで加齢に伴って生じる神経の働きの弱まりなどを改善する効果があるとされます。
ただしまだ研究の段階であり、本当に集中力を高めてくれるかどうかは不明確です。
また勉強のためにホスファチジルセリンを摂る場合、効果を感じるには最低でも1~2か月は継続する必要があります。
避けるべき栄養素はある?
集中力や記憶力を悪化させる栄養素はありませんが、食事面に特化して言えば「糖質」に注意が必要です。
最初にブドウ糖について解説したため、矛盾しているように聞こえるかもしれません。
実は同じブドウ糖を含む食品でも、ブドウ糖をゆっくり体の中に放出してくれる食品と、食べるとすぐに血糖値を上昇させるような食品があります。
血糖値が急激に上昇すると、人間の体は「急いで血糖値を下げなくてはいけない!」とインスリンを放出し、血糖値は速やかに下げられます。
ところが急激に血糖値が下がると、脳内はガス欠状態になり、記憶力や集中力に影響を及ぼします。お腹いっぱい食べた昼食後に突然眠くなるのは、脳がエネルギー不足になっているせいです。
つまり同じブドウ糖を含む食品でも、より緩やかに血糖値をあげてくれる食品を食べた方が、集中力を維持しつつ、さらに眠くなることなく仕事や勉強に集中できるのです。
血糖値を急激に上昇させる食品は、清涼飲料水やパン、糖分の多いお菓子などです。
反対にゆっくりとブドウ糖を放出し、血糖値の上昇も緩やかな食品は野菜や大豆、フルーツ、牛乳などが挙げられます。
また血糖値の上昇を緩やかにしてくれる特定保健用食品を併用するのも、1つの方法と言えるでしょう。
勉強向けサプリメントの問題点が知りたい
勉強向けサプリメントの問題点として「副作用の恐れ」と「飲まないとダメと思い込む可能性」が挙げられます。
副作用の可能性
サプリメントの中には、まだ未成年に対して安全性が確認されていないものが多くあります。
サプリメントを利用し続けたことで、思わぬ健康被害を引き起こすかもしれません。
飲まないと勉強できないと考えてしまう恐れもある
もし勉強向けサプリメントを飲んで、集中力を手に入れたとしても、それがずっと続いてくれる訳ではありません。
サプリメントはあくまで、栄養を補うことで一時的にパフォーマンスを高めたり、継続して飲むことで少しずつ体調を変えたりすることが目的です。
ドーパミンを出す方法で解説したように、人間は何かをやりだすとその物事に集中します。
すると「サプリメントを飲んだから勉強しなきゃ」と勉強し始めた後、人間の仕組みとして集中し始めたのに、サプリメントの効果だと勘違いする可能性があります。
これが続くと、サプリメントを飲まないと集中できなくなる恐れがあるのです。
そうなってしまうと、サプリメントは本当は必要ないのに、勉強のためにサプリメントにお金をどんどん支払うことになります。
スマートドラッグに要注意
スマートドラッグとは「頭が良くなる」「集中力が高まる」といった触れ込みで売られている、医薬品やサプリメントのことです。
内容は非常に幅広く、いわゆる市販で購入出来るサプリメントもあれば、本来はうつ病やADHDの治療薬に使われるものを、その「特定の神経物質を分泌させる」といった作用を利用している場合もあります。
元は1990年代後半にかけ、アメリカの大学生の間で流行したものでした。
薬である以上、飲むと健康な人でも集中力が高まるなど、本来は病気の治療のために使われる効果が得られます。
しかし本来の使い方ではない上に、特に医薬品に関しては医師が処方していないため脳にどのような影響が出るのかも分かりません。
そのため重篤な副作用や依存症を起こす可能性もあることを踏まえて、平成31年1月1日より、指定された成分を含む海外で販売されている医薬品や食品などについては、あらかじめ薬監証明の交付が必須になりました。
例外は、海外から入国した方が、国内滞在中に自己の治療のために携帯して輸入する場合だけです。
一方で、いわゆるサプリメントに分類されるものについては、現在も購入可能です。
しかしサプリメントだからといって、安全な訳ではありません。副作用が起きる可能性もあれば、継続して飲まないと集中できなくなる恐れもあります。
アメリカを始め海外の勉強向けサプリメントはたくさんありますが、多くは未成年に向けて開発されたものではありません。
そのため、基本的にスマートドラッグはおすすめはできません。
勉強や仕事におすすめの市販サプリメント2選!
勉強や仕事の効率アップの助けにおすすめの市販サプリメントをご紹介します。
効率的に高用量のDHA・EPAが摂取できる 佐藤製薬 美健知箋(ビケンチセン)EPA&DHA
脳に良い成分DHA、EPAのサプリメントです。
小粒のカプセルで飲みやすく、1包にDHA550mg、EPA200mgと高用量配合されています。
製薬会社の品質管理、DHA、EPAの酸化を防ぐよう工夫された特殊包装であることなど、品質、安全面も安心です。
口コミ
・これを飲んだ日は、いつもより比較的集中して勉強ができています
・最近はミスが全くなくなり、頭が冴えている気がします
・最近頭がすっきりして視界もはっきりしてきたと感じ、ケアレスミスも減りました
コストパフォーマンスの良い DHC DHA
青魚由来のDHA、EPAを配合したサプリメントです。
比較的低価格で、1日摂取目安量4粒あたり、DHA510mg、EPA110mgと高用量摂取でき、コストパフォーマンスが良くおすすめです。
DHCは、厳しい品質基準に沿った国内工場で製造されている点も高品質で安心です。
口コミ
・頭がスッキリした感じで、頭の回転が良くなった気がしています
・これを飲んでいると集中力に違いを感じるため、飲み続けています
・これを飲み始めてから明からに頭がスッキリしてきて集中しやすくなります
勉強・仕事におすすめの栄養ドリンクはある?
栄養ドリンクはカフェインやアルコールが含まれており、成分の効果を実感しやすい反面、肝臓や腎臓に負担をかけやすいため、基本的にはおすすめできません。
どうしてもあとひと踏ん張りしたい、この後しっかり休めるから飲んでおきたい、と言うときに使うようにしましょう。
また疲れは摂りたいけどカフェインは必要ない、もしくは、カフェインを摂りすぎたくない、と言う人も多いかもしれません。
カフェインの含有量については特に注意し、1日のうち最高でも3gまで、1回に飲むカフェインの量は1gまでにとどめましょう。ちなみに、コーヒー1杯には0.1〜0.15gのカフェインが含まれています。
特にコーヒーや紅茶を仕事や勉強中によく飲むと言う人は、注意が必要です。
疲労感をすぐに解決したいときに、興和新薬 キューピーコーワα ドリンク
タウリンをメインに、エネルギー代謝促進やストレス抵抗効果を持つ成分が豊富なドリンクです。
カフェインが入っているため、眠気を予防したいときにもおすすめと言えるでしょう。
・飲むと元気が出るし、気休めかもしれないけど助かる
・疲労感がすぐにとれる
体の疲労感におすすめ、大塚製薬 アミノバリューコンク
BCAAを中心に、アミノ酸の中でも肉体疲労回復に効果的なものを2,500mg配合したドリンクです。
カフェインが含まれていないため、単純に栄養補給をしたいときにもおすすめです。
・筋肉痛が早く癒える
・飲みやすくて疲れにくい
・体を動かす前や仕事前が効果的
カフェインなしのタイプ、大正製薬 リポビタンフィール
値段も手ごろで、カフェインが含まれておらず、かつタウリンやビタミンB郡が補給できる栄養ドリンクです。
カロリーも1本あたり18kcalと低く、寝る前に飲むことで次の日の疲労感を和らげる効果も期待できます。
・時間帯を気にせず、それこそ寝る前でも飲める
・次の日に疲れを持ち越したく無いときにおすすめ
・低カロリーで安心
中学生・高校生でも飲めるサプリメントが知りたい!
基本的に、中学生や高校生にサプリメントはおすすめできません。
使用する場合も、マルチビタミン&ミネラルなど、できるだけ体への負担が少ないものを選びましょう。
何故なら体質やアレルギー、普段の食生活がバラバラで、基本的に、中学生・高校生と成人では、体の成長度合いや大きさが違うため、必要とする栄養量に差があるためです。
そのため飲む前に自分の年齢と「日本人の食事摂取基準」を照らし合わせ、どのくらいならサプリメントを飲んでも大丈夫か確かめましょう。
面倒と感じるかもしれませんが、サプリメントは安くはないですし、むやみに飲んでも成績アップにつながるとは限らないためです。