牛乳がサプリメントの吸収を阻害する?特に亜鉛がダメ?

牛乳はサプリメントの吸収を阻害するって本当?

牛乳は、いくつかのサプリメントの吸収を阻害する恐れがあります。

何故かというと、カルシウムを豊富に含んでいるためです。

カルシウムをたくさん摂ると、鉄や亜鉛、マグネシウムといったミネラルの吸収を阻害することが分かっています。

ただこうした研究の場合、カルシウムのサプリメントを用いた場合に食事中のミネラルの吸収を阻害した、という結果であり、牛乳そのものとは異なります。

牛乳には鉄分の吸収を促すカゼインホスホペプチドという成分も含まれているため、一概に吸収を阻害する恐れがあるとは言い切れません。

しかしカルシウムを強化した牛乳もあることから、そうした牛乳とミネラルサプリメントを同時に飲むと、その吸収率に影響する可能性が考えられます。

また牛乳はアルカリ性の食べ物であり、胃のpHをあげる効果があります。

胃の中は何か食べ物が入ってくることを察知すると、溶かして吸収しやすい状態にすべく、胃酸が分泌されはじめます。

しかし牛乳を飲むと胃酸を中和してしまい、これが胃を痛めるのを防いでくれることもありますが、薬の効果に影響を及ぼすことがあり、牛乳を飲んだ後に飲むのを避けた方が良いものもあります。

同じように胃酸が中和されることで、サプリメントの吸収率が下がってしまうかもしれません。

したがって牛乳と一緒に飲んでも良い、ということになっているサプリメント以外は、牛乳と一緒に飲まないことをおすすめします。

サプリメントの吸収率がどこまで下がるかは分かりませんが、折角お金を出して買ったサプリメントを無駄にしないように、飲み方を守って飲むようにしましょう。

もし牛乳を飲むのであれば、サプリメントを飲む2時間くらい前に飲むと、胃に対する牛乳の影響がなくなり、元の状態に戻るため影響を抑えられます。

処方薬との飲み合わせにも注意

処方薬の中には、牛乳を飲んだ時間帯が近いと決められた効果を発揮できず、副作用の原因になるものもあるため注意が必要です。

便秘薬や胃腸薬中には、腸で溶けるように工夫されているものがありますが、牛乳と一緒に飲むと薬が胃の中で溶けてしまい、胃がむかむかとする、吐き気が起きるといった副作用に繋がります。

また一部の抗生物質は、牛乳と一緒に飲むと効果が半減し、効き目が低下します。

これらは牛乳だけでなく、ヨーグルトなど乳製品も同様に注意する必要があります。

薬の服用前後1~2時間以上は空けてから、乳製品や牛乳を摂るようにしましょう。

特に亜鉛と牛乳の飲み合わせが良くない?

実際に、カルシウムやリンを多く含む食品との同時摂取は、亜鉛サプリメントの吸収を阻害することが分かっています。

しかし亜鉛は牛乳だけに限らず、コーヒーや食物繊維などでも吸収が阻害されるため、基本的には水で飲むことがおすすめです。

特に亜鉛と牛乳の飲み合わせが良くない?

そもそも牛乳の効果とは?カルシウム以外の成分は?

牛乳が持つ栄養素としてよく知られているのが、カルシウムです。

カルシウムと牛乳が良く取り上げられるのは、日本人にとってカルシウムの主な供給源であると同時、その吸収率が他の食品より高いためです。

牛乳のカルシウムの吸収率は40%と他の食品に比べても高く、また体内で合成されない必須アミノ酸のバランスを示すアミノ酸スコアも100と良質で、タンパク質としても優秀です。

骨の材料となるカルシウムは、定期的に摂取することで高齢になってからの骨折リスクを減らせると考えられています。

文部科学省が提供する「日本食品標準成分表2015年版」における普通牛乳の100mlあたりの栄養素を見ていくと、骨の構成成分であるカルシウムが110mg、リンは93mg含まれています。

また塩分の排出に役立ち血圧を穏やかにする効果を持つカリウムが150mg、カルシウムと相性の良いマグネシウムが10mgと、鉄分を除くとミネラル類も豊富です。

体質的に牛乳と相性が悪いときは?

骨は新しく作る過程と骨を壊す過程を毎日繰り返しているため、一度カルシウムをたくさん摂ったからといって、すぐに不足が補えるわけではありません。

しかし中には牛乳に含まれる炭水化物である「乳糖(ラクトース)」を分解できず、下痢を起こしてしまう乳糖不耐症を持つ人もいます。

また牛乳の風味自体が受け付けない、牛乳そのものが苦手、牛乳アレルギーという人もいるでしょう。

牛乳の持つ栄養を補うことを考えて、他の食品を代用する工夫が必要です。

乳糖不耐症の場合

乳糖不耐症は牛乳の中に含まれる乳糖を分解するラクターゼという消化酵素の分泌不足が原因で起き、症状に個人差があります。

たとえば少しだけの牛乳なら問題ない人や、大量に飲むとお腹を壊してしまう人など、タイプは様々です。

牛乳を温めてから飲むと下痢しにくくなるほか、乳糖を取り除いた製品も多いため、そうした食品を活用すればカルシウム不足は防げます。

またヨーグルトは乳酸菌の発酵で乳糖が20~30%ほど分解されて減少しており、チーズは製造過程で乳糖がほとんど取り除かれてしまうため、牛乳の代わりにカルシウム補給源となります。

他にカルシウムを多く含む食品としては、小魚や骨まで柔らかく煮込まれた魚の水煮缶、大豆製品、小松菜などが挙げられます。

もし牛乳の代わりとなるようなサプリメントを選ぶ際は成分をきちんと表記してあるものを選び、乳糖が含まれていないかチェックしておきましょう。

牛乳そのものが苦手な場合

ヨーグルトやチーズは、牛乳の成分が濃縮されているためカルシウムをうまく摂取できます。

ただチーズだと脂質や塩分の摂りすぎが起きる可能性も考えられるため、1日当たりスライスチーズなら1枚程度を目安にすると良いでしょう。

また牛乳を加工したスキムミルク(脱脂粉乳)は牛乳臭さも薄いため、紅茶など飲み物に混ぜて摂るのもおすすめです。

牛乳の栄養を補う時におすすめのサプリメント3選!

ここでは、カルシウムが摂りすぎにならないように、普段の食生活を補える形で使えるサプリメントを3つ紹介します。

1日の半分を補える、ディアナチュラ カルシウム・マグネシウム

1日当たり4粒でカルシウムとマグネシウムを、それぞれ栄養素等標準基準値における、1日の半分量ずつ補える商品です。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDも一緒に配合されており、普段の食事でビタミンDを摂る機会がない人にも向いています。

ただし乳成分を含むミルクカルシウムが用いられているため、乳成分に敏感に反応してしまう人は避けた方が良いでしょう。

口コミ
・飲みやすく継続しやすい
・マグネシウムが一緒に摂れるので足のつりがなくなった

乳成分が含まれていない、大塚製薬 ネイチャーメイド カルシウム

原材料は「貝カルシウム、セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、V.D(ビタミンD)」と、乳成分が含まれていません。

ショ糖脂肪酸エステルは乳化剤と呼ばれる食品添加物ですが、砂糖と植物由来の脂肪酸を結合して作られたものであり、乳成分とは違います。

カルシウムは1日分あたり300mgで、摂りすぎない限りは過剰摂取になりません。

口コミ
・量の調整がしやすい
・粒が大きいのでちょっと飲みにくい

カプセルタイプが良い人に、DHC カルシウム/マグ

錠剤ではなく、ハードカプセルタイプのサプリメントで、飲みやすいのが特徴です。

カルシウムやマグネシウム以外にも、吸収を高めるカゼインホスホペプチドやビタミンDが配合されています。

乳成分が含まれているため、アレルギーがある人や乳糖不耐症の人は避けるか、しっかり検討したうえで使用した方が良いでしょう。

口コミ
・カプセルタイプで安価なサプリメントが欲しかったので丁度良い
・牛乳が苦手なため続けやすさから選んだ
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