目次
そもそもシミの原因とは?どんな種類がある?
シミについて、少しおさらいしてみましょう。
シミの原因とは?
シミとは、皮膚の中にメラニンが蓄積されて沈着し、地肌に比べて濃く見える部分のことです。シミの主な原因は紫外線ですが、たばこやストレスにも因果関係があります。
シミにはどんな種類がある?
シミにもさまざまな種類があり、そばかすもその1つであることはご存じでしょうか。
シミができる原因などにより、次の4つの種類に分かれます。
日光黒子(にっこうこくし)
日光性黒子、老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)とも呼ばれており、一番多くみられるシミです。顔以外にも、露出されている機会が多い手、腕、背などにもあらわれます。中年期以降に増加し、主に紫外線が原因とされています。
雀卵斑(じゃくらんはん)
そばかすとも呼ばれています。頬や鼻の周りに直径数ミリ以下の小さな丸い斑点が多く出き、遺伝性が強く、思春期に特に目立ちます。
肝斑(かんぱん)
女性ホルモンが関係して発症し、女性の顔に多くみられます。30~40代がピークで、高齢女性ではほとんどみられません。やや大きめの薄褐色で、頬骨に沿って左右対称にあらわれるのが特徴です。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は、化粧品によるかぶれ、やけど、ニキビなどの炎症が原因で生じるシミです。
シミとそばかすはどう違うの?
シミとそばかすの違いは、後天的にできるものか、または遺伝的にできるものか、という点にあります。
見た目だけでは判断が付かないことも多く、シミとそばかすが同じ場所にできていることもあります。
そばかすができやすい人は、紫外線に当たるとすぐに皮膚が自らの身を守るためにメラニン色素を作ってしまうような、敏感な肌を持つ人です。
そのため日焼け止めを塗らずに遊んだり、外で運動したり、紫外線に当たる機会が多い思春期に特に増えてしまいがちです。
一方シミは、紫外線に繰り返し当たることや、加齢に伴って増えていきます。
大人になると「そばかすが減る」と言われますが、実際にはシミが増えてそばかすが目立たなくなっているだけであり、先天的にそばかすができやすい人はシミもできやすいと言えます。
シミ・そばかすに効果のある成分とは?減らすことはできるの?
既にお伝えしている通り、シミ・そばかすの原因として、紫外線が挙げられます。
シミ・そばかすを増やさないためにはメラニンの生成を抑え、紫外線対策をすることが重要になってきます。
外側のケアは美白成分がポイント
外側からのケアとしては、まず化粧品は「美白」成分の入ったものを利用しましょう。
日焼けした肌を本来の状態に戻すことでシミやそばかすが薄くなるばかりか、シミやそばかすをできにくくする効果も期待できます。
UV乳液や帽子、日傘などの紫外線対策ももちろん大切です。
ただし、美白ケアをし過ぎても、シミの原因になってしまいます。
そもそもシミは紫外線から肌を守るためのメラニンの動きが元となっているため、ある程度のメラニンが均一に肌全体にあるほうが、紫外線ダメージを防ぎやすくなります。
また人間の体内では、日光に当たることをきっかけにビタミンDを始め、身体に必要な様々な成分が作られます。
そのため、美容点滴を何度も繰り返し受ける、肌を絶対に日光に当てないようUVカットを徹底的に続けるなど、過度な美白ケアは避け、日光に当たる機会をほどほどに持つようにしましょう。
内側のケアは栄養とストレスがポイント
外側のケアと併せて、内側からのケアも一緒に行いましょう。
内側のケアとしては、食事やサプリメントなどを利用して、美肌に効果的な栄養素を摂取することです。
美白に効果的な栄養素として挙げられるのは、ビタミンCとビタミンEです。それに加えてセラミドやリコピン、メチオニン(体内でL-システインに代謝)、βカロテン、エラグ酸を同時に摂取することで、さらに強力的に肌に働きかけてくれます。
そしてストレスを減らす、良質な睡眠をとる、冷えを改善して血の巡りをよくすることも大事です。
血行を悪化させるたばこの喫煙・受動喫煙にも十分気を付けてください。
皮膚科でのシミの治療方法とは?
たかがシミといえど、一度できてしまったらなかなか解消するのは難しいものです。悪化の一途を防ぐべく専門家の力を借りに医療機関を受診する方も多いものですが、皮膚科ではどのようなシミ対策の治療が行われるのでしょうか。
シミの判断:素肌の診察
まずは化粧を落としてすっぴんになり、専門医による素肌の診察から始まります。また生活状況などの問診も行われます。
シミの評価:スキントーン・カラースケール
シミの明度や色相を判定するツール「スキントーン・カラースケール」を使用し、シミの改善度を定量的に評価します。
シミの評価:ロボスキンアナライザー
肌の画像や写真を記録して比較評価を行うお手伝いをしてくれる、再現性を確保した画像を撮影できる解析装置等を活用し、シミを詳しく分析します。
シミの治療開始
シミの治療法は内服薬のほか、美白外用剤、レーザー治療、光治療、ケミカルピーリング、ビタミンC誘導体イオン導入などがあります。
例えばシミが「肝斑」だった場合、まずはトラネキサム酸による内服薬治療を開始します。治療効果があらわれるのは約4〜5週間後になります。
紫外線以外の要因のシミなどを合併していることもあるため、いくつかの治療法を併用することもあります。
また普段の生活習慣の改善も併せて必要になってきます。
シミのレーザー治療や光治療は痛くないの?
レーザー治療や光治療と聞くと、脱毛をイメージする人も多いのではないでしょうか。
シミのレーザー治療や光治療の際、人によっては痛みを感じることがあります。
痛みの強さは「輪ゴムで弾かれる程度」や「少しチクチクする」など、ごく軽いものと言われます。
この痛みの原因は、レーザーや光がメラニンを破壊する際に発生する熱です。
一般的に光治療の方が痛みが少なく、かつ、短い感覚で繰り返し受けられます。
レーザー治療は治療後にシミにかさぶたができあがるため、光を吸収しないように美白剤を繰り返し塗り、かさぶたが落ちるのを待たなくてはなりません。しかし、治療範囲が広く大きな茶色から黒のシミにも対応してくれます。
効果としては、光治療が肌質を整える側面が強く、レーザー治療はそばかすやくすみをとりニキビを改善する効果が期待できます。
痛みが心配な人は、美容外科や皮膚科であれば皮膚表面に麻酔をかけるクリームを処方してもらえるため、そちらでの受診を検討してみましょう。
シミのケミカルピーリングって何?
ケミカルピーリングとは、肌に薬剤を直接塗ることで、古い角質を取り除く治療法です。
古い角質を落とすことで細胞の活性化を促し、肌のターンオーバーの正常化、シミやくすみの改善効果が得られます。
使われる薬剤はグリコール酸やサリチル酸、乳酸など、対象者のシミの程度や肌質に応じて濃度や組み合わせを変えて使用されます。
これらの薬剤の中でも、日本人の肌に合いやすいグリコール酸は特に使用されています。
ケミカルピーリングの注意点として、古い角質を落とすという効果のため濃いシミには即効性がなく、通常は数ヶ月から年単位の治療期間がかかります。
また治療後は角質層が剥がれ、紫外線の影響を受けやすくなるため、日焼け止めが欠かせません。
シミ・そばかすが気になる方向けにサプリメントの選び方を解説!
内側のケアにサプリメントを用いる時は、栄養成分に注目して選びましょう。
まず、栄養成分ごとの働きや効果を説明します。
なお各栄養素が多く含まれる食品については、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より引用しました。
参考 日本食品標準成分表2015年版(七訂)について文部科学省皮膚や血管の老化を防ぐビタミンC
ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ちます。また、メラニンの生成を阻害します。
ビタミンCが多く含まれる食材としては、パプリカやキウイフルーツ、レモン、菜の花、ブロッコリー、パセリ、牛や豚のレバー、ロースハム等が挙げられます。
数値だけで見ると、生のアセロラには100gあたり1,700mgものビタミンCが含まれており、次いでケールを用いた青汁が1,100mgと続きます。
日本人の成人1日当たりの推奨量は100mgですが、野菜やフルーツの摂取が少ない人には不足しがちです。
また喫煙者は非喫煙者に比べるとビタミンCの代謝が1日あたり約35mg多いため、より多く摂取する必要があると考えられていますが、美白を目指すのであればそもそも喫煙は控えた方が良いでしょう。
強い抗酸化力をもつビタミンE
ビタミンEは肌のターンオーバーに働きかけて新陳代謝を促します。
油に溶ける性質を持つビタミンEは、主にオリーブ油やコーン油、ひまわり油などの植物性の油やアーモンドなど油分に豊富に含まれます。
またブロッコリーやほうれん草といった緑黄色野菜、卵黄、焼きのりも多く含む食品の1つです。
意外なところではソーセージやハムなど加工食品や油脂類を多く使うパンの1つであるデニッシュに、ビタミンEが酸化防止の目的で使用されていることがあります。
1日当たりの平均的な摂取量をクリアするには、こうしたオイルを食事に使ったり、ナッツ類をおやつやサラダに取り入れて食べるのがおすすめです。
ビタミンEは、成人における1日当たりの目安量は男性が6.5AI、女性が6.0AIですが、サプリメントを併用することは控えた方が良いでしょう。
長期的に必要以上の量を継続して摂取することで、出血リスクや脳卒中リスクの増大を招く恐れがあります。
保湿作用があるセラミド
セラミドは保湿作用があります。紫外線や雑菌などの外部刺激から肌を守ります。
セラミドの元となる「グルコシルセラミド」は、米や米麹に豊富に含まれます。
しかし米や米麴だけを摂取すればよい、というわけではなく、肌細胞の原料となるタンパク質やその合成の手助けとなるビタミンB、ビタミンC、ミネラルも意識して摂取しましょう。
グルコシルセラミドを普段の食事に取り入れる場合は、米麴を使用した甘酒が飲みやすくおすすめです。
強い抗酸化力をもつリコピン
リコピンは、メラニンの生成に関係するチロシナーゼの働きを抑え、肌の抵抗力をサポートする働きがあります。またシワの予防効果もあります。
リコピンを豊富に含む食材には、トマトやスイカ、フルーツならピンクグレープフルーツやあんずが挙げられます。
日常的に手軽に摂るのであれば、トマトがおすすめです。
1日当たりの摂取量は15~20mgで、これは200mlのトマトジュース1本で足りる量です。
生のトマトからも摂取できますが、その場合は15mgを摂取するためにおよそ500gのトマトを食べなくてはなりません。
加熱や粉砕といった工程を経てトマトの細胞壁が壊れた状態の方が吸収率が高く、少量で済みます。
トマトジュースが苦手という方は、ピューレやケチャップを使用するのも良いでしょう。
また夏の間ならむくみ予防にも効果のある、スイカがおすすめです。リコピン含有量がトマトのおよそ1.5倍と豊富で、1日当たり100~200gで十分な量のリコピンを補えます。
メラニン抑制作用のある必須脂肪酸メチオニン
メチオニンは体内でL-システインに合成されます。代謝をサポートし、メラニンの抑制・排出を促します。
メチオニンは必須アミノ酸の1種であり、鶏肉や牛肉などほとんどの動物性たんぱく質、野菜であればホウレンソウやグリーンピース、トウモロコシに多く含まれます。
また米にも豊富に含まれますが、大豆製品にはメチオニンが少ないのが特徴です。
全部で9種類ある必須アミノ酸はお互いに深く関わりを持つため、バランスよく摂取するのがおすすめです。
たとえば動物性タンパク質の豚肉とほうれん草を組み合わせたものを、白米と一緒に食べるのも良いでしょう。
摂取が難しい場合は、タンパク質を手軽にとれるプロテインやプロテインバー等の栄養補助食品を併用するのもおすすめです。
紫外線の害から皮膚や目を守るβカロテン
βカロテンは皮膚の新陳代謝をサポートします。強力な抗酸化力により、メラニンの沈着を抑え肌の炎症をケアします。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
βカロテンはモロヘイヤやほうれん草、にんじんに豊富に含まれます。ただし、ビタミンAに変換される物質のため、1日当たりの必要量は決まっていません。
ビタミンAは1日当たり成人男性なら800~900μgRAE、女性なら650~700μgRAEが目安の摂取量となっています。また、授乳中の女性は一日当たり450μgRAE追加して摂取することが推奨されています。
過剰摂取のリスクが生じる耐用上限量は1日当たり2,700μgRAEとされており、これはレバー30gで軽々と上回る量です。
この量を1ヵ月程度継続しないと身体への害は及びませんが、気になる方はβカロテンを野菜から摂取するのがおすすめです。
食事より、サプリメントとして摂取するβカロテンは体内でビタミンAになる量が多いため、気が付かないうちに過剰摂取になる恐れがあります。
美白効果のあるエラグ酸
エラグ酸はメラニンの生成を抑制し、紫外線やストレスによるダメージを緩和します。アンチエイジング効果が期待できます。
エラグ酸は、ブラックベリーやラズベリー、イチゴ、クランベリーなどのベリー類や、くるみやペカンといったナッツ類、ざくろなどフルーツに豊富に含まれます。
ナッツ類は抗酸化作用を持つビタミンEも豊富に含まれるため、食事の中で手軽に補いたい場合はおすすめです。
摂取目安についてはまだ研究が進んでいる段階であり、サプリメントで補う場合は商品ごとの1日当たりの目安摂取量を守るように心がけましょう。
以上の栄養素をできるだけ毎日過不足なく補うことができると、さらに強力なシミ・そばかす対策の効果が期待できます。普段の食事以外に加えて、サプリメントや栄養補助ドリンクなどもオススメです。
食事やサプリメント等で内側からケアをすることで、紫外線などのダメージに強いお肌をつくることができます。
また美白・美肌であることで薄化粧になるので肌荒れを防ぐことにもつながります。そして化粧品の消耗度合いが減るので、長期的にも美容代のコスト削減ができます。
ただし、個人の体質やものによっては効果がすぐにあらわれにくいこと、知識不足による過剰摂取の心配などの懸念があるため気をつける必要があります。
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