目次
そもそもビオチンとは?豊富な食品は?
ビオチンは水溶性ビタミンの1つであり、ビタミンB群に属しています。
食事から得られる糖分や脂肪、アミノ酸の代謝に補酵素として関わっており、エネルギー作りに欠かせません。
体内では腸内細菌によって作り出されますが、それだけでは必要量の維持が難しいため、食事から摂る必要があります。
また細胞のエネルギー源を生み出すことから、肌を維持し、免疫力を保つ働きもしています。
ビオチンを豊富に含む食べ物
ビオチンを豊富に含む食べ物は、レバーや卵黄、シシャモ、浅利、キノコ類、ピーナッツや大豆などで、それらを加工した食品にも豊富です。
ビオチンは食品の中でタンパク質と結合した状態で存在するため、分解されにくく丈夫で、加熱にも強いため、普段の食生活のなかで自然と摂ることができます。
またその量も、豚レバーは80gで63.7μg、卵黄は1個で10.4μg、納豆は1パックで8.2μgなど、豊富です。
例えば納豆と卵を一緒に食べれば、一度に20μgを補えます。野菜の中では玉ねぎやカリフラワーに豊富で、それぞれ1/2個で30μgを補えるとされます。
野菜や果物の大半は、上記に挙げた食材に比べると少なく、100gあたり10μg以下です。
ビオチンの効果を解説!アトピーに効くって本当?
ビオチンは、食べたものをエネルギーに変える際に必要不可欠です。DNAの成分である核酸を作る際にも、補酵素として使用されます。
そして、ビオチンが欠乏すると、体内でアレルギーの原因となるヒスタミンなどの化学物質が増加することが分かっています。
したがって、ヒスタミンの元であるヒスチジンを体外へ排泄する効果を持つビオチンを摂取すれば、アトピー性皮膚炎のリスクを下げてくれる可能性があると考えられています。
そのため掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という皮膚疾患に対し、ビオチン療法という高濃度のビオチンを用いる治療法が用いられる場合もありますが、即効性に乏しいのが特徴です。
そのほかにも爪や髪を強くする効果があるとされますが、毛髪への効果に関しては科学的な証明はありません。
ビオチンはうつ病にいい?
結論から言うと、不足しないように補うことは大切ですが、ビオチンを摂ったからといって必ずしもうつ病が改善する訳ではありません。
ただしビオチンが不足すると、アミノ酸の結合や食べたものをエネルギーに変える働きに影響が出てしまい、うつ症状に繋がる可能性があります。
そのためうつ症状の原因がビオチンやビタミンB群を含め栄養不足にある場合は、ビオチンやビタミンなどサプリメントを飲むことで改善する人もいますが、そうでない人もいます。
うつ病は本人の体調や薬の飲み合わせも考えて薬が処方されるため、ビオチンを飲もうと考えた場合も、まずは担当の医師に必ず相談しましょう。
ビオチンの欠乏症とは?
ビオチンの欠乏症は、生まれつき(先天性)ビオチンが欠乏してしまう人と、栄養性という治療や食生活によりビオチンが欠乏してしまう場合の2つに大別されます。
ビオチンが生まれつき吸収・活動できない、先天性ビオチン代謝異常
「ビオチニダーゼ欠損症」と「ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症」「ビオチントランスポーター欠損症」などが知られています。
生まれつきビオチンを吸収ができない、再利用ができない、ビオチンを取り込む酵素自体が欠乏しているといった先天的な異常を原因とする難病です。
中でも「ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症」は重症であることが多く、新生児のうちから嘔吐や哺乳障害、筋肉の低緊張、呼吸障害などが起こります。
皮膚炎が特徴的で、合併症として脱毛や感染症が起こりやすく、適切に治療する必要がある病気です。
ビオチン不足が原因、栄養性ビオチン欠乏症
ビオチンは多くの食品に含まれており、腸内細菌からも産生されるため、食事が摂れる年齢になれば欠乏することはほとんどありません。
しかしミルクアレルギーなどで、治療用のミルクのみが栄養源となっている乳児の場合、ビオチン欠乏症となることがあります。
近年は特に問題視されている一方で、ビオチンを補うことで脱毛も皮膚炎も2週間内には改善しています。
また市販されるミルクには、100kcalあたり10μgを超えないように含有されているため、一般的なミルクの利用や母乳による育児では不足する心配はありません。
極端な食事で不足することがある
ビオチンと非常に良く結合するタンパク質に「生卵の白身」が挙げられ、これを大量に摂っている人はビオチンが欠乏する恐れがあります。
ただし加熱すれば問題はないため、効率よくビオチンを卵から摂りたい場合は、目玉焼きやゆで卵など火を通すと良いでしょう。
またビオチンを多く含む卵やレバー、大豆、玉ねぎ、玄米などをほとんどとらない方も、ビオチンを含めビタミンB群が欠乏する場合があります。
薬や病気によるビオチン欠乏
薬の中には、ビオチンの代謝へ影響を与える可能性をもつものがあり、腸内細菌へ影響する抗菌薬や、抗てんかん薬の長期内服が挙げられます。
また腎臓の機能低下から透析治療を受けている人は、ビオチンの必要量自体が高まり、欠乏する恐れがあります。
ビオチンの摂取量、副作用を解説!妊娠中、授乳中に飲んでもいい?
ビオチンは食事から摂る分には基本的に副作用の懸念はなく、成人男女の場合、1日当たり50μgが摂取量とされます。
2004年に行われた研究から、日本人は食事から平均して1日当たり45.1μgを摂取していると分かっています。
ビオチンの1日当たりの目安量は、男女ともに18歳以上の成人なら1日50μgです。多くの食品に含まれているため不足する可能性はほとんどありません。
また水溶性ビタミンで体内から速やかに排泄されるため、サプリメントで50μgを超えた量を摂取しても一般的に副作用の問題はありません。
実際に、アメリカでは日本の6倍である300μgが目安量として設定されており、ビオチン欠乏症の治療を行う際にはそれ以上に投与されています。
しかしいくら副作用の心配がないからと言って、飲めば飲むほど症状が良くなる訳ではないため、基本は1日50μgを目安に補うようにしましょう。
ビオチンはどう飲めばいい?
ただカフェインなど利尿作用があるものと一緒に摂ると、その分速やかに流れ出てしまう可能性があります。
サプリメントで補う場合は、水やぬるま湯を使用して飲むようにしましょう。気になる場合は、朝と夜の2回に分けて飲むことで、効率よく吸収できます。
サプリメントは配合量を詳しくチェック!
ビオチンはレバーや卵黄、シシャモ、浅利、キノコ類、ピーナッツや大豆、それらを加工した食品にも豊富なため、不足する可能性の低い栄養素の1つです。
また玄米は100gあたり2.5μgと豊富なため、普段から主食を玄米ご飯にしている人や、タンパク質や卵、大豆製品を摂るように心がけている人はビオチンを十分補えている場合があります。
上限量は決められていないものの、サプリメントを使用する場合は普段の食事でビオチンをどのくらい補えているか考えたうえで取り入れると良いでしょう。
検査に影響を及ぼす可能性あり
ビオチンは上記で卵白の摂りすぎによる吸収阻害を説明しましたが、この特定のタンパク質と結合する性質を利用して、様々な病気の検査・研究にも活用されています。
ところがビオチンを毎日大量に摂取していると、検査に影響を及ぼし、正しい検査結果が出ない恐れがあるとして2017年にアメリカのFDAが注意喚起を行いました。
検査でビオチンの干渉が認められたものは、甲状腺ホルモンや副甲状腺ホルモン、フェリチン、エストロゲンなど様々です。
つまり本当は病気がない、あるいは他の病気があるのに検査上異常値が出てしまい、結果として誤った診断から必要ではない治療が行われる可能性があります。
日本では多くても300μgの製品がほとんどですが、定期的に検査を受ける人は高配合のサプリメントを使用することは避けた方が良いでしょう。
またビオチンのサプリメント以外も、継続して摂取しているサプリメントがあれば、診察や治療を受ける前に合わせて病院へ申告することをおすすめします。
妊娠中・授乳中は食事内容を考慮して検討
妊娠中・授乳中は、食事内容や普段の生活に応じてビオチンサプリメントを使うか検討するのがおすすめです。
妊娠中・授乳中ともに、ビオチンは1日当たり50μgをプラスして摂る、つまり1日当たり100μgが目安とされています。
ビオチンは鉄分が豊富なレバーや、タンパク質としても優秀な大豆食品に多く含まれており、鉄分やタンパク質をしっかり摂るよう心掛けている人が不足することはまずありません。
しかし、つわりや体調が辛くて食事が摂れない場合には、サプリメントも視野に入れてみましょう。
特に妊娠後期は、ビオチンの尿中への排出量が低下する一方で、反対に血液中のビオチン量は低下することが分かっています。
妊娠中の女性の体がビオチンを通常より必要とし、消費量が上昇していると考えられます。
ただし飲んでもお腹の赤ちゃんに問題がない上限量は分かっていません。
ビオチンの過剰摂取により胎児の発育に影響がある可能性が指摘されているため、目安量である100μgを大幅に超えるようなサプリメントは避けましょう。
合わせて、サプリメントを飲む前に必ず医師へ相談することが大切です。
ミヤリサンとよく聞くけどおすすめ?
ビオチンについて調べていて、ミヤリサンという名前を見かけたことはありませんか?
ミヤリサンとは整腸作用を持つとされる宮入菌(酪酸菌)を主成分とした、便通を整える効果のある指定医薬部外品です。
指定医薬部外品とは、医薬品と化粧品の中間点にあるもので、効果・効能の認められた有効成分が含まれてはいますが、人に対する作用が穏やかなものが該当します。
ミヤリサンに含まれる酪酸菌はぬか漬けなどに含まれており、日本人に慣れ親しんだ菌として乳酸菌の発育も助けてくれるとされます。
では何故この整腸作用を持つ指定医薬部外品がビオチンと一緒に使われているかというと、酪酸菌がビオチンやビタミンB群の腸内での生産を助けるため、と考えられているからです。
お通じにも悩みを抱えていて整腸剤を探しているという方で、さらにビオチンをサプリメントで補いたい場合には、ミヤリサンやミヤBMといった酪酸菌を使用した整腸剤を候補として考えてみると良いでしょう。
ビオチンサプリメントのおすすめ2選!DHC、コストコの商品はどう?
ビオチンサプリメントは、コスパ面と続けやすさを重視するならビタミンB群サプリメントを利用するのがおすすめです。
ビタミンB群はエネルギーを作る際に欠かせず、過剰摂取になりにくいのが特徴です。またビオチン単体のサプリメントに比べると、コスパ面でも優秀です。
分けて飲みやすい、DHC ビタミンBミックス
1日2粒でビタミンB群全体の必要量が賄えるほか、朝と夜に分けて飲むことで効率よく吸収できます。
ビオチンは1日の目安量である50μgを補うことができ、1日当たり7円前後で続けられるコスパの良さや、コンビニやドラッグストアで購入できる手軽さが魅力です。
・粒が小さくて飲みやすい
・口内炎やニキビができにくくなった
・顔のテカリが落ち着いた
コスパを追求するなら、カークランドシグネチャー スーパーBコンプレックス
コストコで販売されている、1日あたり5円以下で続けられるという経済的に非常にお得なビタミンB群サプリメントです。
成分量は日本のビタミンB群の目安量に当てはめると、物によっては30倍という高配合ですが、過剰摂取を防ぎたい葉酸やビオチン、パントテン酸は100~667%に留まっています。
またビタミンCも200mg補給できるため、肌のトラブル予防に飲むのに最適なサプリメントです。
・1粒が大きいがコスパがとにかく高い
・やや臭いのですぐ飲んだ方が良い
・体調が良くなってきた
iHerbでおすすめのビオチンサプリメントが知りたい!
iHerbで人気のあるビオチンサプリメントの中から、おすすめを2つ紹介します。
まずは、iHerbでのお得な購入方法を解説します。
量が抑えめ、Now Foods ビオチン
1粒当たりビオチンが1mg、ビタミンCが4mg配合されたサプリメントです。
海外の製品の中にはビオチンがより多く配合されているものもありますが、あまり摂りすぎるのも心配という方におすすめです。
・コスパ良く飲みやすい
・お値段が手ごろなので始めやすい
水を使用せず摂りたい人に、Natrol ビオチン、ストロベリー
ストロベリー風味のチュアブル錠で、水を使用せずにいつでもビオチンを10mg補給できるサプリメントです。
目安量よりかなり多いため、普段の生活でビタミンB群を摂る機会が少ない方や、ビオチンをしっかり補給したい場合におすすめです。
・味が美味しくて続けやすい
・爪が丈夫になった