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母乳量を増やすことは可能?
母乳は赤ちゃんの栄養となりますが、その母乳の出が悪くなると赤ちゃんは栄養不足になってしまいます。
お母さんの食生活はそのまま母乳に影響を与えます。栄養バランスの取れた食生活を送ることが、母乳の質や量を決めると言っても過言ではありません。
ただ、家事や育児をしながら、いつも栄養バランスの取れた食事を準備することは容易なことではありません。
そのような時には、お母さんと赤ちゃんに必要な栄養素を手軽に補えるサプリメントを利用してみてはいかかがでしょうか。
母乳不足の原因
母乳が不足する原因としては、お母さんの栄養不足が考えられます。
日本人の食事摂取基準では、年齢別、性別に各栄養素の一日摂取目安量等を定めていますが、妊婦、授乳婦はこれらとは別に目安量が定められています。
例えばエネルギーであれば妊娠初期50kcal、中期250kcal、後期450kcalの追加が推奨されています。授乳婦は350kcalの追加が推奨されています。
また、ビタミンDは18歳以上女性の1日目安量は5.5μgですが、妊婦は7.0μg、授乳婦は8.0μgとなっています。
このように、多くのビタミンやミネラル類を妊娠前と比べ摂取量を増やす必要があるため、栄養バランスが取れた食生活を送っているとしても、妊娠前の量では不足してしまうのです。
産後・授乳中に必要な栄養素とは?葉酸、鉄分、ビタミンDが大切?
産後及び授乳中のお母さんに必要な栄養素とその必要量について解説します。
たんぱく質
たんぱく質を構成しているアミノ酸は、酵素やホルモンとして代謝を調節するだけではなく、神経伝達物質やビタミンなど重要な生理活性物質の前駆体となるため、赤ちゃんにとっても必須栄養素です。
またお母さんは、分娩と産褥期(さんじょくき)の体重減少や授乳によりたんぱく質が損失されますので、授乳期にもたんぱく質を付加する必要があります。
授乳婦のたんぱく質付加推奨量は20gとなっています。例えば鶏ささみであれば2本で約80g、たんぱく質19.1gを摂取することが出来ます。
葉酸
葉酸は赤血球の成熟などに関与しており、欠乏すると巨赤芽球性貧血を引き起こします。母体に葉酸欠乏症があると胎児の神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こします。特に妊娠中は葉酸の必要量が増大すると考えられています。
食品に含まれる葉酸は加熱調理によって活性が失われやすいうえに、消化過程も一緒に食べる食品から影響を受けるため生体利用率は50%程度と言われています。
サプリメントに使用されているプテロイルモノグルタミン酸という種類の葉酸は壊れにくく吸収されやすいとされています。
葉酸の摂取推奨量は18歳以上女性で240μg、妊婦は更に240μg、授乳婦は100μgの付加量が必要です。
葉酸は鶏レバー50g中650μg、ほうれん草2株60g中126μg、納豆1パック50g中60μgふくまれています。
鉄
鉄は血液を構成し、欠乏すると貧血や無力感、食欲不振などが起こります。妊娠期には循環血液量の増加、胎児の成長、臍帯・胎盤中への貯蔵などで鉄の必要量が増加します。
また母乳にも鉄が含まれるため授乳婦の鉄必要量は増加します。
鉄の摂取推奨量は18歳以上女性で10.5mg、妊婦は更に妊娠初期2.5mg、中後期15.0mg、授乳婦は2.5mgの付加量が必要です。
鉄にはほうれん草など植物性食品に含まれる非ヘム鉄と、肉など動物性食品に含まれるヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率が高くお勧めです。
DHA
DHAは脳や心筋、胎盤や母乳に多く含まれますが、体内で合成することが出来ないため、食事から摂取しなくてはならない「必須脂肪酸」です。赤ちゃんの脳の発達にも必要な栄養素です。
DHAやEPAといった魚油由来のn-3系脂肪酸の18~49歳女性の摂取目標量は1.6g、妊婦1.8g、授乳婦1.8gと定められています。
DHAは青魚に多く含まれており、さば1尾90g中19.1g、さば水煮缶100g中2.73g、あじ1尾70g中0.74g含まれています。
その他
日本人の食事摂取基準で定められている、妊婦に付加量のある栄養素は以下の通りです。
主要栄養素
エネルギー、たんぱく質、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸
ビタミン
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC
ミネラル
カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム
授乳婦は上記に加え、ナイアシン、モリブデンも付加栄養素になります。
タンポポ(タンポポ根)
母乳の分泌を促す効果があります。また、授乳期に必要なビタミンや鉄分が豊富に含まれています。
ラズベリーリーフ
産後の母体回復に効果的です。タンポポと同じく母乳の分泌を促す作用があります。
ビタミンDの欠乏症にも注意が必要
ところで、多くの赤ちゃんが「新生児ビタミンD欠乏症」であると言われているのをご存じでしょうか?
新生児ビタミンD欠乏症とは、妊娠中の母体の栄養状態が悪く、新生児がビタミンDが欠乏した状態で産まれてくることを差します。新生児ビタミンD欠乏症の症状として骨軟化症、くる病のリスクが高くなることが挙げられます。
くる病とは、乳幼児期にビタミンDが不足すると発症する病気です。骨が柔らかくなり、手足の関節の変形や運動発達の遅れ、身長の伸びが悪くなるなどの症状が現れます。
ビタミンDは日光によって作られるビタミンです。また、ビタミンDを多く含む食品はまいたけ、きくらげ、しいたけなどのキノコ類です。これらの食品を積極的に摂取することと、適度な日光浴をすることでビタミンDを補いましょう。
またビタミンDの持つ働きとして、カルシウムとリンの吸収を促進し骨の形成と成長を促すことから、ビタミンDの不足は低カルシウム血症を誘発します。
ただし、ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、サプリメントなどで多量に摂取し続けると高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などが誘発されます。サプリメントを利用する場合は用法用量を守ることをお勧めします。
授乳中にサプリメントは飲んでも大丈夫?ダメって本当?
これまでの説明で妊娠中、授乳中には特別多く摂取しなければいけない栄養素が多数あるということがご理解いただけたことでしょう。これらを全て食事でまかなうには準備が大変であることは容易に想像出来ます。
そういったことからサプリメントは、ストレスなく手軽にお母さんと赤ちゃんに必要な栄養素を補ってくれる強い味方となることでしょう。
サプリメントを利用する際は、パッケージの注意書きを必ず確認し「妊娠中、授乳中の方は控えて下さい」などの記載があるものは利用しないようにしましょう。
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きがあるため、過剰摂取すると女性ホルモンバランスに影響を与えてしまうことから、利用を控えることをお勧めします。
また、特定の成分をサプリメントで過剰摂取してしまうと、様々なリスクが出てきます。例えばカルシウムを過剰摂取すると尿路結石や腎臓結石のリスクが上がってしまいます。先述のビタミンDも同様です。
これらのことから、複数のサプリメントで成分が重複していなかを確認し、1日の摂取目安量を守ることをお勧めします。
産後・授乳中におすすめの市販サプリメント3選!
妊娠から授乳期の栄養をサポートしてくれるお勧めのサプリメントを紹介します。
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