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そもそも腎臓の働きとは?
腰の上に両手を当ててみましょう。その位置に、腎臓は左右1個ずつあり、大きさは大人の握りこぶしと同じくらいです。
ちょうど小豆のような形をしている腎臓は、ネフロンと呼ばれる特別な構造が1つにつきおよそ100万個集合してできた器官です。
このネフロンは「ろ過機能」を持っており、体の中で必要な栄養素や水分を吸収しつつ、不要なものを尿として排泄するためにこしとります。
この過程で腎臓は体液のバランスを保ち、生きていくうえで欠かせないイオンバランスも調整してくれます。
血圧の適切なコントロールも、腎臓の大切な役目です。
また血を作るためのホルモンであるエリスロポエチンをはじめ、様々なホルモンを作り出し、分泌してくれます。
意外なことに骨にも関わっており、ビタミンDを活性化することでカルシウムの吸収を高め、骨をより丈夫にする働きも持っています。
腎臓が機能低下するとどうなる?腎不全や腎臓病について解説!
これだけ様々な機能を持つ腎臓の機能が低下すると、たとえばカルシウムの吸収が悪くなるため、骨がもろくなります。血液を作り出す過程にも影響が現れ、貧血になることもあります。
最も重大な問題となるのが、老廃物・水分の排出がうまくいかなくなり、体の中にどんどん老廃物が貯まることで疲労感や頭痛、だるさ、呼吸困難など様々な症状が起こることです。
さらに進行するとけいれんや意識消失が起こり、腎臓の機能自体が全く働かなくなってしまうこともあります。
急性腎不全・慢性腎不全とは
腎臓の機能が低下してしまった状態を「腎不全」と呼び、病状の進行度によって2つの種類に分けられます。
腎不全は1日から数週間以内に急激に低下した場合は「急性腎不全」といい、一方数か月から数年をかけてゆっくりと低下した場合は「慢性腎不全」といいます。
急性腎不全は原因を突き止めることができれば、適切な処置によって腎機能が回復することもあります。
ところが、慢性腎不全はゆっくりと腎臓の機能が低下してしまうため、腎機能の回復は見込めず、最終的に生きていくために透析や腎臓の移植手術を受ける必要があります。
慢性腎臓病(CKD)とは
成人のうち8人に1人は抱えているとされる病気であり、重症度によっていくつかのステージに分けられます。
夜間の尿の増加や貧血、だるさ、体のむくみ、歩くときの息切れなどが自覚症状として現れますが、こうした自覚症状が出現した時点では既に慢性腎臓病がかなり進行している状態です。
タンパク尿や血尿が見られたり、画像診断で腎障害が見つかっている状態が3か月以上続いたり、血液中のクレアチニンの値や年齢、性別から算出したeGFRという値の状態によって診断されます。
高血圧や糖尿病、脂質異常症、加齢によって発症する確率が上がるため、男女ともに腎臓病を抱える可能性は十分にあります。
クレアチニン値とは何か、下げる方法はあるの?
クレアチニンは老廃物の1つであり、人間の体が筋肉を動かす過程で発生します。
通常は血液をめぐって腎臓でろ過され、尿の中に排出されるため、その数値は一定に保たれます。
尿以外では体の外に排出されないという特徴があるため、腎臓の機能を確かめる検査の1つとして活用されます。
基準値は男性は「0.65~1.09mg/dl」女性は「0.46~0.82mg/dl」です。
腎臓の機能が悪化すると尿を作りにくくなるため、血液の中にクレアチニンがどんどん溜まり、クレアチニン値は高い結果が出るようになります。
このクレアチニン値から、さらに年齢と性別から計算し腎臓でどのくらい老廃物をろ過できているかを示すeGFR(毛球体濾過量)を計算することができるため、腎臓の機能を知るには大切な数値です。
クレアチニン値を下げるためには減塩、禁煙、低タンパク食が大切
腎機能を根本から改善する薬はなく、また、腎機能低下が起きるとそれを回復する方法はないため、今以上に腎臓の機能を下げない生活をすることがとても大切です。
腎臓の機能を下げる原因として、高血圧や糖尿病、腎炎が挙げられるため、これらを予防するためにも「減塩」と「禁煙」そして「低タンパク食」が大切とされます。
一番大切なのは塩分を控えることで、これは塩分量や血圧が高い状態が続くと、動脈硬化や心筋梗塞、狭心症など血管や心臓に関する病気にもなりかねないためです。
またクレアチニン値を、少なくとも1年に1回は検査してもらい、以前と比べて上がっていないか確かめることも大切です。
腎臓に効果的な成分を解説!どんな食品を食べるべき?
腎臓に関わる病気を予防するための食事は、自分にとって必要なカロリー数で、脂肪や糖分に偏りすぎない栄養バランスに優れた食事です。
また腎臓の機能を維持するのに役立つ食品を選ぶなら、高血圧や糖尿病など腎臓病の原因となる病気を防ぐ食品を選ぶと良いでしょう。
タンパク質や塩分、糖分、油分の摂りすぎを避けることが大切です。
しかし避けると言っても、完璧に避けていたら食の楽しみがなくなってしまいます。
たとえばカップラーメンやハンバーガー、寿司、丼物を毎日のように食べ続けたり、お酒を大量に飲み続けるような生活は控えた方が良いでしょう。
また1日当たりの摂取カロリーと消費カロリーを計算してみたり、自分が普段食べているものを書き出したりして、一体どのくらいどんなものを食べているか把握することもおすすめです。
腎臓に良いお役立ち食品
役立つ食品として手軽なものに、「酢」「青魚」「玉ねぎ」「食物繊維が多い食品」が挙げられます。
酢はエネルギー代謝を活発にし、体内の脂肪や血圧、血糖値の低下に役立つ食品です。また脂肪燃焼を促してくれる必須アミノ酸であるリジンなどが豊富です。
また酢を使うと食べ物から水分が抜け、うま味が凝縮されます。すると塩分を自然と減らすことができるため、味付けにもおすすめです。
青魚には悪玉コレステロールと中性脂肪を減らすDHAとEPAが含まれ、動脈硬化や脂質異常症が気になる人に向いています。
肉類をたくさん食べることに比べると、腎臓に良いという意味では魚の方がタンパク質の摂取源としておすすめと言えるでしょう。
玉ねぎは抗酸化作用が高く、血中の糖分や中性脂肪を下げてくれるフラボノイドの1種であるケルセチンが含まれ、食物繊維も豊富です。
こんにゃくや海藻、キノコ類はローカロリーで食物繊維も豊富なので、毎日のおかずに活用するだけで手軽に食物繊維を摂りつつ、摂取カロリーをセーブできます。
また腎臓への負担を少なくする、という点からいうと、シジミに豊富に含まれるオルニチンも老廃物の1つであるアンモニアの無毒化を助けてくれるとされる成分です。
もっとも、これらを食べているからOKというわけではありません。バランスよく食べることが、一番大切なことです。
腎臓に良い飲み物はある?
腎臓の機能は一度悪くなると、改善することができません。そのため、負担をかけないようにすることが一番大切です。
したがって、水そのもの、つまりミネラルウォーターが最も良いとされます。
これは腎臓にとってろ過が楽で、不要なものを体の外へ排出するのにも水分が使用されるためです。
また塩分の排出を助けるカリウムを豊富に含む緑茶も、おすすめの飲み物と言えるでしょう。
普段の生活でタンパク質の摂りすぎが気になるようであれば、タンパク質量がゼロの飲み物を選ぶのもおすすめです。
すでに腎機能が低下している人は要注意
ただし、カリウムの塩分排出効果が逆効果になる人もいます。
すでに腎臓の機能が低下している人は、カリウムを適切に排出できず、高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。
高カリウム血症になると不整脈が誘発され、血圧が低下し、意識消失により死亡することもあるため、腎臓の機能が低下してしまった人はカリウムを摂りすぎないようにすることが大切です。
カリウムが豊富な緑茶やコーヒー、紅茶、タンパク質が豊富な牛乳や豆乳を基本的には避ける必要が出てくるのです。
またアルコールも、血圧に影響を及ぼすため、飲んでも良い範囲を状態に合わせて主治医と決める必要があります。
腎臓のためのサプリメントの選び方を解説!
腎臓の機能を保つためにサプリメントを活用する、という視点は少々疑問も残ります。
何故なら、体内に入ったサプリメントや薬は代謝の過程で必ず腎臓を通過していくためです。
サプリメントは薬ではなく食品であり、薬のような副作用は起きないものの、食品から摂るより高濃度の成分を一気に体内に取り入れることになります。
したがって、腎臓に負担がかかる可能性もありますが、適切な量を守っていれば特に心配はいりません。
たとえばいくら体に良いからと言って、魚をたくさん食べれば胃腸は下痢を起こし、体へ負担をかけることになります。
サプリメントも摂りすぎれば、腎臓にとって負担になるのは言うまでもありません。
複数のサプリメントを飲んでいる人は、含まれる成分をカバーしてくれるサプリメントに変更するなど、大量のサプリメントを飲まないようにすることも大切です。
「補う」だけではなく「減らす」ことも考えていきましょう。
すでに腎疾患を抱える人はサプリメントに注意
一方で、処方されている薬によっては、サプリメントであっても副作用として腎疾患を引き起こすケースもあります。
特に既に腎疾患について指摘されている人は、サプリメントを飲むべきかどうか医師に相談することをおすすめします。
もし腎機能を保護するためにサプリメントを活用するのであれば「成分がしっかりと表記されている」ことや「添加物への配慮がある」ことを1つの目安としましょう。
成分が詳しく分からないサプリメントを買うことは、ネット通販でサイズ不明の服を購入して失敗するようなものです。
またできる限り、サポート体制がしっかりとしており、何か体調不良が起きた際には問い合わせも可能なメーカーで購入することをおすすめします。
腎臓結石とビタミンCサプリメント
ビタミンCは人間の体内で作ることができない栄養素であり、様々な果物や野菜に多く含まれています。
一方でビタミンCを大量に摂ると、その一部が肝臓で代謝され、尿中に含まれるシュウ酸が増加することが分かっています。
シュウ酸の増加は、シュウ酸カルシウム結石ができる原因、つまり尿路結石の原因となります。
そのためビタミンCの摂取を避ける人もいるようですが、これに関しては様々な意見があります。
ただし尿中シュウ酸排泄量の増加が確認された実験では、日本の厚生労働省が定めるビタミンC推奨摂取量の20倍である1日2,000mgという量のビタミンCを摂っている点に留意すべきです。
また大量にビタミンCを注射する治療を受けている人もいますが、実際に腎不全などを起こしている人はほとんどいません。
ビタミンCといえば身近な存在ですが、実は分解経路がまだ完全に判明しきっていない物質でもあります。
そのため、どのくらいビタミンCを摂れば尿中シュウ酸が確実に増えるのか、そもそもシュウ酸以外のビタミンC代謝物はどのように体の外へ出るのかなど、まだまだ分からないこともあります。
尿中シュウ酸排泄量が増えるとする実験以外にも、反対にクレアチニン値を下げた、逆に上がったなど、様々な報告があるため、一概に増えるとは言えないのです。
ただ多くの実験ではサプリメントなどを活用した過剰摂取を前提としているため、食品から適切に摂る分には問題はありません。
薬によっては注意する必要あり!
もしあなたが抗てんかん薬の「アセタゾラミド」を飲んでいたとしたら、ビタミンCは避けた方が良いでしょう。
影響として、腎・尿路結石の恐れが指摘されているためです。これに限らず、他の薬でも飲み合わせが悪い可能性は十分にあります。
たとえ腎疾患ではなかったとしても、日ごろから治療のために薬を飲んでいる人は医師や薬剤師に十分相談してからサプリメントを飲むことをおすすめします。
腎臓のための市販サプリメントのおすすめ2選!
まずは、海外サプリメントを豊富に扱うiHerbでのお得な購入方法を解説します。
それでは、全成分表示かつ複数の有効成分が配合されているおすすめのサプリメントを紹介します。
コスパ面が優秀、NOW Foods オルニチン500mg
日本でもオルニチンを含むサプリメントは多いですが、表記が不十分だったり、価格が高かったりすることもあって手を出しにくいケースもあります。
こちらのサプリメントは輸入品という面を含めても、コスパが優秀でお得にオルニチンを摂取できます。成分についても1粒あたりの成分量などが、きちんと明記されているのも安心度が高いサプリメントです。
口コミ
・体調がよくなったし、肝機能など改善があった
・長年愛用していますが、特に体調に影響もなく、予防的に続けています
・とにかくコスパ面で優秀で、効果もある
日本製が良い人に、小林製薬 小林製薬の栄養補助食品 肝臓エキスオルニチン
小林製薬ならではの全成分表記、着色料・香料・保存料無添加の安全度の高いサプリメントです。
1日分でオルニチンも400mgと、前述のNOW Foodsのサプリメントに近い数値を持っています。腎臓に負担をかけたくないけど、お酒をよく飲んでしまう人にはおすすめです。
口コミ
・肝機能も一緒に改善したので得した気分
・飲み始めてからスッキリ起きられるようになった
DHCのサプリメントはおすすめ?
お手軽に手に入るサプリメントの中でも、より種類が豊富で低価格なDHCをメインに使用している人も多いのではないでしょうか。
DHCで扱っているサプリメントの中にも、腎臓の働きに良いとされるオルニチンやウコンエキス、ビタミンCなどをまとめて補給できる「乾杯パワー」など飲む人向けのサプリメントがあります。
複数のサプリメントを摂っている人は「パーフェクトサプリ マルチビタミン&ミネラル」への置き換えもおすすめです。