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膝の痛みは何が原因?改善する方法とは?
関節は、ヒトの身体に全部で68カ所あり、骨と骨を連結しています。ヒトはこの関節を動かすことで、歩いたり、座ったり、物を持ったりできるわけです。
そして関節は、軟骨と呼ばれる滑らかな組織に覆われています。軟骨は、骨と骨がぶつかるのを防ぎ、関節にかかる負荷を軽減し、関節を滑らかに動かす役割を持っています。
関節痛は関節部の炎症によるものです。そのほとんどが軟骨のすり減りや損傷によって、骨同士がぶつかり、関節が変形するなどして起こるもので、変形性関節症と呼ばれています。
軟骨減少の原因は、加齢によるもの・肥満によるもの・スポーツによるものなど様々ですが、関節への負担によるものが多く、関節痛が膝など体重を支えている箇所に多く見られるのもそのためです。
膝痛はどの年代でも起こるものですが、膝に痛みが出る主な病気は変形性関節症も含めて次のようにいくつかに分類することができます。
高齢の女性に多い変形性膝関節症
膝の関節軟骨が老化し、弾力がなくなり変形する事で起きやすくなります。初期は立ち上がりに痛みが出る程度で、次に正座が出来ない状態になります。末期になると安静にしていても痛みが出てきます。
立ち上がりや歩き初めに痛みを感じても歩き続けると痛みが治まるのはスターティングペインと言われるもので、変形性膝関節症の初期症状の可能性があります。
若い世代でも中高年でも起こる半月板損傷
膝の内側と外側にある三日月の形をした軟骨が、スポーツや加齢による変形から損傷して痛みが起こります。関節の中に炎症が起きる為、水や血液が溜まる事もあり関節が腫れます。
膝の使いすぎには注意したい激しいスポーツ
激しいスポーツを行うと膝が痛くなる原因は、2つに分かれます。
1つ目は膝を日常生活で使うよりも多く、何度も繰り返し使うことで、膝の関節を使いすぎることが原因の痛みです。
2つ目は、膝をひねったり、膝を床や地面に打ち付けたりすることで起きる、いわゆる怪我が原因となった痛みです。上記で解説した半月板損傷は、こちらの怪我が原因の関節痛です。
スポーツで膝の関節を使いすぎると、よく動く部分に大きな負担がかかり、筋肉や関節の組織に傷が出来てしまいます。これが原因で、膝や膝の裏側に痛みが起こります。
また成長期の子供は、骨の両側が軟骨になっており、骨がどんどん伸びている途中です。そのため骨や関節が大人よりも柔らかい状態で、傷つきやすく変形しやすくなっています。
スポーツによる関節痛は、加齢による関節痛と異なり、症状によっては運動を控え休息を行うことで自然治癒する可能性があります。
しかし自然治癒するかどうかは見た目からは分からないため、関節痛の原因や痛みの位置、炎症の有無など診察を受け、適切な対応をすることが大切です。
全身に炎症が広がる関節リウマチ
関節リウマチは、自己免疫疾患で女性に多くみられます。症状として指のこわばりや痛みは良く知られていますが、全身に障害が出る病気であり、特に肘や膝、足関節などに炎症が起き痛みます。
膝の痛みの改善は、半月板損傷であれば保存的治療か手術になりますが、まず受診し医師と相談するのが良いでしょう。また関節リウマチも膝だけの痛みに留まらない為、まずベースとなる病気を治療してください。
変形性膝関節症の場合は、痛みが激しい時は安静が必要です。また膝に水が溜まると痛みが治まらない為受診し、医師の指示に従うのが良いでしょう。手術などになる場合もあります。
しかし痛みが歩き初めや立ち上がりだけになれば、適度に膝を動かしましょう。痛みがあるといつまでも安静にしがちですが、安静にし関節を動かさないと増々関節はこわばり柔軟性もなくなってしまい、逆効果です。
更年期に起こるホルモンバランスの乱れ
また、軟骨の減少はホルモンバランスの乱れによっても起こり、特に更年期の女性ホルモンの低下は、軟骨成分のコラーゲンを減少させてしまいます。
更年期障害の主な症状ではないものの、実際に、関節痛は、女性の方が多く抱える悩みになっています。
特徴として、更年期障害の症状として起こる関節痛は、閉経から半年ほどに症状が強く現れた後、数年をかけて徐々に症状が改善していくことがほとんどです。
もし症状が改善せず、関節痛の痛みが日常生活に支障がきたすほどであれば、婦人科や整形外科や膠原病やリウマチを専門とする内科を受診し、症状が更年期障害によるものか確かめることが必要です。
関節痛を予防・改善する栄養素や生活習慣を解説!
加齢に伴い、関節痛のリスクは高まっていきます。そうなる前に普段の生活の中で出来る予防や対策・解説方法を解説していきましょう。
食事による予防
関節に良い栄養素の摂取を心がけましょう。フカヒレ・ウナギ・鶏皮・納豆・オクラなどに含まれるコンドロイチン、カニやエビに含まれるグルコサミンは特に効果的です。
また、それらは体内でタンパク質と結合し分布しているので、しっかりとした栄養補給は、関節強化に繋がります。
ただ、肥満による体重の増加は、関節への負担の原因になってしまうため、バランスの取れた規則正しい食生活が大前提です。
生活習慣による予防
適度な運動を心がけましょう。肥満の予防になり、また関節強化にも繋がり、予防・改善に効果的です。しかし、過度な運動は、関節への負担の原因になってしまうため、注意が必要です。
日々の生活の中にも注意することが多々あります。長時間の立ち仕事や正座、女性の場合はハイヒールなどは関節の負担が増す原因になってしまいます。これらを避けるだけでも予防・対策になっていきます。
また、冷えは関節痛を誘発してしまう恐れがあります。冷えによる血行不良によって、関節部や筋肉が硬くなり、さらに痛覚が過敏になり、痛みを感じやすくなってしまいます。
ぬるま湯や半身浴など冷え性対策や関節部の保温は、関節痛の予防はもちろん、対処法にもなります。血行改善は、関節の軟骨形成の促進にも繋がっていくので、日頃から心がけましょう。
膝の関節痛の治療や処方される薬とは?
関節痛の治療は、その診断内容によって異なります。
変形性膝関節症の場合
変形性膝関節症の場合は、その人の普段の生活や痛みの程度、炎症によって、治療法が選択されます。
薬を用いる治療では、痛みを和らげる鎮痛剤や、膝に塗ることで痛みを和らげる軟膏やクリーム、湿布を使います。
膝の炎症が強い場合は、ステロイドを注入して炎症を和らげます。また膝を保護する目的d、ヒアルロン酸を注入することもあります。
肥満の方は膝への負担も大きいため、合わせてダイエットの指導や膝の関節を保護するために筋肉を鍛える運動療法が行われることもあります。
また変形をおさえ、負担を減らす目的で、膝の関節を支える装具を使うこともあります。
改善効果がない場合は手術をすることもある
薬物療法や運動療法、装具を使っても症状が改善せず、日常生活に大きな支障が出ている場合は、手術をする場合もあります。
膝の下の骨を切って変形を治す手術や、人工関節へ置き換える手術などがあります。
半月板損傷の場合
半月板損傷の場合は、症状によって進め方は異なりますが、まず運動やリハビリ、炎症を抑える薬物療法を通して、自然に症状が改善するか経過を見ます。
損傷した部位が大きい場合や、自然治癒で症状が改善しない場合は、手術によって損傷した部分を切り取ったり、縫い合わせたりして、治療を行います。
関節リウマチの場合
関節リウマチの場合は、診断を受けた上で、関節の炎症を抑える薬を利用し、炎症の原因を抑えることから始めます。
運動や、関節を温めて痛みやこわばりをやわらげる温熱療法を通して、関節の機能を維持し痛みを和らげ、生活しやすくする治療も一緒に行われます。
しかしこうした治療を行っても痛みが治まらない、腫れが引かない場合や、歩行が困難になってしまった場合には、手術が行われる場合もあります。
医学で減ってしまった軟骨を戻すことはできるのか
現在の医学ではすり減った軟骨を根本的に元に戻すことは難しいとされています。
たとえば髪の毛を切ると後から新しい髪が伸びてきますが、その切った髪そのものを再生させることはできません。髪の毛には血管が通っておらず、血液が供給されないためです。
軟骨も同様に、血管が無いため血液が通わず、栄養や酸素が届きません。
ただし、人間には軟骨を再生する能力があることが分かりつつあります。
この再生能力に関与している分子を注射薬などにすることができれば、将来的にすり減ってしまった軟骨を再生させることも可能になるかもしれないと考えられています。
また現在、ごくごく限られた範囲の治療法ではありますが、すり減ってしまった軟骨へ軟骨になりやすい細胞を注入したり、培養した軟骨を移植したりして、軟骨の再生を高める医療が選択される場合があります。
ただし変形性膝関節症への適応はなく、軟骨が重労働やスポーツといった、外因的な理由で損傷した場合にのみ限られています。
こうした治療が実際に行われることで、将来的には減ってしまった軟骨を元に戻し、関節痛を改善する医療が開発されるかもしれません。
膝の痛みに効果のある成分とは?本当に効果はあるの?
膝の痛みには、グルコサミン・コンドロイチン・Ⅱ型コラーゲン・ヒアルロン酸などが良いと言われていますが、経口摂取の場合体内でアミノ酸に分解されてしまい、すり減った軟骨に補充されるとは限りません。
この事によりこれらの成分を摂る事は無駄とする意見もありますが、これらに効果があるとする文献も存在します。良いと言われているのは次のような成分です。
カニやエビなどから作られるグルコサミン
グルコサミンは軟骨に含まれる成分の一つで、加齢に伴って減少する成分ですが、経口摂取のグルコサミンは膝の痛みなどに効果がないとする意見が多くあります。
しかし平成24年の消費者庁が行った『食品の機能性評価モデル事業』の評価では、研究の質や数はA判定で、変形性膝関節症の症状改善では適切な摂取で効果があるかもしれないというB評価でした。
効果がないとするD評価もある中、抗炎症作用、軟骨成分の合成促進や分解抑制、ヒアルロン酸の生成促進などの作用があると認められています。
サメ軟骨などから作られるコンドロイチン
コンドロイチンで軟骨成分である、アグリカンコアタンパク質が分解されるのを抑えられ、結果軟骨破壊の抑制に効果があったとする論文が日本薬学会が発行する学術誌に発表されています。
鶏のトサカから作られるヒアルロン酸
マウスの実験においてヒアルロン酸は、腸の中で免疫反応に関わる受容体であるTLR4と結合すると、炎症性のたんぱく質(炎症性サイトカイン)を抑える事ができ、関節の炎症や痛みも抑えるという報告があります。
熱を加えず作られる非変性Ⅱ型コラーゲン
コラーゲンはⅠ型からⅤ型まであり、Ⅱ型は関節や軟骨に含まれるコラーゲンです。コラーゲンは体に入るとアミノ酸に分解されますが、非変性Ⅱ型コラーゲンは、体内でもコラーゲンと認識されるよう作られています。
鮭の鼻軟骨から作られるプロテオグリカン
細胞と細胞の間を満たし膝関節の弾力の元になっている物質です。加齢によるものや、女性ホルモンの影響、また膝を動かさず膝の血流が悪くなる事でもプロテオグリカンは減ってしまいます。
プロテオグリカンを摂る事で軟骨の減少を抑え、かつ抗炎症作用がある為、膝痛の緩和が期待出来ます。
大豆から作られるイソフラボン
女性ホルモンであるエストロゲンは骨を強く保つ働きがありますが、更年期以降はエストロゲンが減少する為、膝などが変形しやすくなります。その為エストロゲンに似た働きをする、イソフラボンが有効とされています。
抗炎症効果のMSM
メチルサルフォニルメタンの略で、有機化合物の一種です。タンパク質生成に関わる成分で体内にも分布しており、高い抗炎症作用があり、関節の炎症や痛みに効果的です。近年注目されている成分です。
鎮痛効果のオオイタドリ
北海道などに生えている多年草で、漢字では「大痛取」と書きます。文字通り痛みを取る効果が期待できます。レスベラトロールと呼ばれる成分が、痛みに直接作用することで効果を表します。
卵黄ペプチドiHA(アイハ)
Inducing Hyaluronic Acid(ヒアルロン酸産生誘導ペプチド)の略です。ヒアルロン酸の生成を促進させる働きがあり、関節痛の予防・軽減に効果的な成分です。
変形性膝関節症と関節リウマチに効果のある可能性があるキャッツクロー
キャッツクローは、アマゾンを原産とするハーブです。
しかし人の炎症反応を抑えるかどうかについては、詳しいことは分かっていません。
また民間療法において、避妊や中絶に使われてきたため、妊娠中の方は避けましょう。
移植を受けたことのある人や血友病、ワクチンを使用している場合、ホルモン療法やインスリンの投与を受けている場合、胸腺を摘出した場合については、使用が禁忌とされています。
体内にもともと存在する、SAMe(サミー)
SAMe(サミー)はアミノ酸の1種であるメチオニンがメチオニン活性化酵素の働きにより、人間の体の中で作られる物質です。
体内では、ホルモンの合成やリン脂質の合成などに活用されています。
しかし、研究が小規模なことから、実際に症状が緩和するかどうかは、まだ決定的ではありません。
関節痛関連の成分の飲むタイミングは空腹時がおすすめ!
グルコサミンやコンドロイチンは、水分を含むとねばねばとした状態になり、吸収されにくい状態になります。
そのため胃の中に他の食べ物があると、そうした食べ物にくっついてしまい吸収されにくくなります。したがって空腹時の方が、効率よく摂取でき、おすすめです。
グルコサミンサプリメントの選び方を解説!
様々な研究がされている中で、グルコサミンとコンドロイチンは併せて摂った方が良いとわかっており、1日摂取量はグルコサミンが1500mg、コンドロイチン1200mgとされています。
ただし体重が55kgより少なければ、グルコサミン1000mg、コンドロイチン800mgくらいが良いようです。サプリメントを摂る時は、1日量を数回に分けて自分の体重を考慮し調節して飲むようにしましょう。
またグルコサミンのサプリメントは、記載されている含有量などに虚偽があったとする報告もあり、信頼が出来るメーカーの製品をおすすめします。
その他グルコサミンはエビやカニなどから作られる為、甲殻類にアレルギーがある方は注意してください。血液凝固阻止剤の中には、グルコサミンと一緒に服用すると作用が強まる物がある為、医師に相談が必要です。
関節痛の方におすすめのサプリメントランキング!
では、関節痛に効果的な成分をしっかり含み、評価の高い国産の人気サプリメントを、ランキングで紹介していきましょう。
5位 マイケア イタドリ
健康食品・自然食品を中心に販売する有限会社マイケアの商品です。
北海道産のオオイタドリを主成分に、グルコサミン・コンドロイチン・Ⅱ型コラーゲン・いたわり成分の赤ショウガ・筋力サポート効果のある清酒酵母がバランスよく配合されています。
・駅の電車待ちの間の足の痛みが楽になってきた
・飲むのをやめると痛みが戻ってくるので、続けている
4位 ファーマフーズ タマゴサミン
タマゴ由来成分のサプリメントや健康食品を中心に販売する株式会社ファーマフーズの商品です。新成分の研究・開発に力を入れているメーカーになります。
グルコサミン・Ⅱ型コラーゲン、そして注目成分iHAが含まれています。iHAはファーマフーズにより開発された成分で、タマゴサミンはiHAを含む数少ないサプリメントです。
・8週間くらい続けていたら、膝の痛みが和らいだ
・将来の予防のために飲んでいますが、今のところ痛みも落ち着いています
3位 キユーピー ヒアルロン酸&グルコサミン[コンドロイチン配合]
マヨネーズで有名な食品メーカーのキユーピー株式会社の商品です。
ヒアルロン酸を主成分に、グルコサミン・コンドロイチンがバランスよく配合されています。キユーピーは長年ヒアルロン酸の研究を行っており、キユーピーの一押しのサプリメントになります。
・登山をよくするので、継続して安全のために飲んでいる
・大手なので安心感がある
2位 サントリー グルコサミンアクティブ
言わずと知れた大手メーカーサントリーの商品です。
3つの機能性関与成分を組み合わせた膝の関節の悩みを和らげる「機能性表示食品」として、届け出が行われています。
グルコサミン・コンドロイチン・Ⅱ型コラーゲンに加えて、抗炎症作用を持つケセルチンプラスをサントリー独自の組み合わせで配合されています。最も売れているグルコサミン配合サプリメントです。
・膝の軟骨がすり減っていると指摘を受けてから、今では痛みなくジョギングが出来るようになった
・膝の違和感や痛みが和らぎ、少しずつ効いているのが実感できている
1位 サントリー ロコモア
1位も大手メーカーのサントリーの商品です。
グルコサミンアクティブの成分に、軟骨成分のプロテオグリカン・筋肉成分のイミダゾールペプチドを加えたもので、サントリーの技術や発想を詰め込んだスーパーサプリメントです。
・関節の痛みが以前より和らいだ
・劇的な変化はないが、現状維持という感じ
海外製の関節痛サプリメントのおすすめ2選!
海外でも関節痛に効果があるサプリメントとして、コラーゲンやグルコサミン、コンドロイチン、ハーブなどが利用されています。
今回はiHerbで人気の高い関節のサポート機能向けのサプリメントを2つ紹介します。
まずは、海外サプリメントが安いiHerbでのお得な購入方法を解説します。
甲殻類アレルギーの人に、Solgar, グルコサミンヒアルロン酸コンドロイチンMSM
1粒当たり、グルコサミン1,500mg、コンドロイチン1,200mgに、コラーゲンやヒアルロン酸、メチルサルフォニルメタン(MSM)というコラーゲンの構成要素が配合されたサプリメントです。
甲殻類不使用のため、カニやエビアレルギーが気になる人にもおすすめです。
・粒が大きいけど、意外と飲みやすかったです。関節がしっかりして、運動しやすくなりました
・膝の痛みは和らぎましたが、やっぱり匂いがきついので、ちょっと飲みづらいです
自分の体重に合わせたい人に、California Gold Nutrition, グルコサミン、コンドロイチン、MSM+ヒアルロン酸
1粒当たり、グルコサミン750mg、コンドロイチン60mg、MSM500mg、ヒアルロン酸50mgと、体重が少なく、自分の体重に合わせてサプリメントを摂りたい人におすすめの商品です。
こちらも甲殻類を使用しておらず、大豆やグルテンも含まれていません。
・価格的に続けやすく、歩く時の動作が楽になった
・膝の痛みも軽くなり、動きやすくなった。指も良く回るので、農作業しやすくなった気がする