アミノ酸の効果とは?働き・役割を解説!健康に役立つ?

そもそもアミノ酸とは?健康に役立つ栄養素なの?

人間の体のどの部分、臓器から、髪の毛、皮膚に至るまで、アミノ酸がない場所はありません。

それはなぜかというと、私たちの体はタンパク質によって構成され、生命を維持しているためです。

私たちが牛肉などタンパク質を摂取すると、それが分解されてアミノ酸として全身の細胞に行きわたります。

このアミノ酸が体の部位ごとに、1人1人異なる遺伝子に基づいた決められた並びになることで、再びタンパク質として再合成されます。

そのためアミノ酸が存在しなければ私たちは体を保てず、体内の生命活動を維持できません。

ところが、脂肪とは違い、アミノ酸は体の中に蓄えて貯金をすることができません。爪や髪が毎日伸びるように、新しいアミノ酸と入れ替わり、毎日生まれ変わっているのです。

したがって、健康的に暮らすためには、食事から良質なタンパク質を摂り入れ、アミノ酸を補給して体を維持していく必要があります。

人間の体に必要なアミノ酸はたったの20種類

人間の体を形作るアミノ酸は、たったの20種類です。その20種類にも、それぞれ役割があり、不足しやすいものもあれば、体内で作り出せるものもあります。

たとえば激しい運動をする際は、エネルギーとして消費されたり、筋肉が傷ついた場合に新たに作り直したりするため、特定のアミノ酸を補給することでより効率よく運動できます。

アミノ酸の効果や役割、働きを知ることで、生活に生かすこともできるのです。

アミノ酸の効果とは?その働き・役割を解説!

まずアミノ酸は「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の2つに、大きく分けることができます。

注意したいのは「非必須アミノ酸」だからといって「必要ない」という意味ではありません。

体内で合成できるため、食べ物から摂り入れる必要が少ないアミノ酸を「非必須アミノ酸」と呼びます。

反対に「必須アミノ酸」は体内では十分な量を作り出せないか、全く作り出せないことから、必ず食べ物から摂り入れなくてはなりません。

では、この大きく2つに分けた区切りの中から、詳しく見ていきましょう。

バランスよく摂りたい、必須アミノ酸

よくサプリメントでも使われる必須アミノ酸は、全部で9種類あります。

まず有名なものとして「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つです。この3つはBCAA(分岐鎖アミノ酸)とも呼ばれ、運動時のエネルギー源、体のタンパク質増加という役目を持ちます。

運動時のエネルギー源として利用され、持久力アップや筋肉痛の軽減効果を発揮することが分かってきました。

重要度の高さで比較することは難しいのですが、特に不足させると困るのがタンパク質を作るとき一番最初に必要とされる必須アミノ酸である「メチオニン」です。

また成長やヘモグロビンの生成に関わる「ヒスチジン」、酵素の活性部位を作り出すものの体内で全く作り出せない「スレオニン」も欠かせません。

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幸せ物質とも呼ばれるセロトニンの原料となる「トリプトファン」は、不眠や気持ちの不安感に効果があるといわれています。不足するとセロトニン自体が足りなくなってしまうためです。

また内の神経伝達物質に変換される「フェニルアラニン」や、脂肪をエネルギーに変え役目を持つ「リジン」も大切です。

「アルギニン」は大人になると合成能力が十分に備わりますが、子どものうちは作る能力が不足してしまうため、子どもの間のみ必須アミノ酸の1つとされています。

体内で作り出せる、非必須アミノ酸

非必須アミノ酸は全部で11種あり、体内で作り出されるほか、非必須アミノ酸の代用として使用されることもあるため、不足させないよう食事からも摂取する必要があります。

「アスパラギン」は最初に発見されたアミノ酸で、エネルギーを作り出すサポートに欠かせません。似た名前に「アスパラギン酸」がありますが、こちらは疲労回復や利尿作用効果を持ちます。

全てのタンパク質に含まれている「アラニン」は糖代謝に重要で、最もエネルギー力として利用されやすいため、細胞質に特に多く含まれています。

成長に関わるものとしては「アルギニン」があります。免疫力の正常化のほか、食欲を抑制する効果も持っています。

肌に関わるものとしてはコラーゲンの1/3を占める「グリシン」に、メラニン色素の生成を抑制する「システイン」、ストレス軽減に役立つ「チロシン」、保湿成分となる「セリン」が挙げられます。

またコラーゲンを構成するアミノ酸には「プロリン」というものがあり、脂肪燃焼にも関わることからエネルギー源としても使用されやすい成分です。

食事に活用されているアミノ酸として有名なのが、うまみ成分の1つである「グルタミン酸」です。疲労回復効果などがありますが、摂取しすぎると神経の興奮や手足のしびれが生じます。

ストレスで大量消費されることもある、準必須アミノ酸

グルタミン酸とアンモニアから合成される「グルタミン」は、体内で合成可能であり、基本的には非必須アミノ酸です。

ところが、ストレスなど外的要因で足りなくなってしまうことがあり、そのため合成はできるが摂取した方が良いという意味で準必須アミノ酸と呼ばれています。

アミノ酸の効果とは?その働き・役割を解説!

アミノ酸の摂取すべき量を解説!不足・過剰摂取はどうなる?

アミノ酸が体にとってとても重要な成分であることは、ここまで説明した通りです。

不足してしまうと、人間の体は新たに細胞を作り出すサイクルがうまくいかないため、様々な不具合を起こしてしまいます。

子どもの場合は成長障害を起こしやすく、大人も皮膚や爪、髪がボロボロになったり、筋肉量が落ちて運動能力が低下したり、そうしたトラブルから命に係わるような重大な疾患を引き起こすこともあります。

ですが、その摂取すべき量となると、実は未だ解明されていません。体が求めるアミノ酸の必要量が、人それぞれ全く異なるためです。

その量を考えるのはとても大変で、体の大きさや体重だけでなく、年齢や性別、運動量、ストレス、疾患など、様々な要因が絡みます。

一方、アミノ酸の元となるタンパク質で考えると日本人の平均必要量は1日あたり可能であれば男性60g、女性は50g摂ることが良いとされています。

ただし、いくら体に良いからといって、過剰摂取をしてはいけません。これはサプリメントでタンパク質やアミノ酸を摂取する場合も、タンパク質そのものを食事から摂る場合も同じです。

タンパク質をアミノ酸に分解し、もう一度タンパク質に合成する過程では、余ったものは分解によって窒素として腎臓肝臓によって処理を受け、体の外へ排出されます。

もし大量のタンパク質を摂取したら、体の中ではより多くの窒素を処理しなくてはなりません。すると、内臓が処理に疲れ切ってしまい、機能が低下してしまうことがあります。

またタンパク質が多い食品は、肉や魚、卵、大豆類など、カロリーが高いことが多いので注意が必要です。

さらに腸内に送られたタンパク質は悪玉菌の餌になるため、悪玉菌が増えることで腸の運動能力が低下してしまったり、お通じやおならの臭いが非常に臭くなるなど、様々な弊害が起こります。

タンパク質は不足しがちな成分ではあるものの、適量を摂ることがとても大切です。

摂りすぎには注意して、毎日の健康的な生活にタンパク質とアミノ酸を役立てていきましょう。