サプリメントの吸収率を上げるには?成分別に方法を解説!

サプリメントの吸収率を上げるためには?

サプリメントはたいがい一日の摂取量の記載はありますが、とくにこれといったタイミングなどの記載がないものが多いです。

まずは大まかに、体内への吸収率をあげるための飲み方やタイミングをご紹介します。

常温の水で飲む

カフェインやカテキン、タンニン、ポリフェノールなどの成分は、栄養素の吸収を妨げてしまうこともあります。コーヒーやお茶で飲むのはやめましょう。
お水での摂取はマイナスの要素が少ないので、一番安心です。

適量を守る

栄養素によって摂取量は変わってきます。過剰摂取による健康被害の恐れもありますので、必ず上限量を守りましょう。

継続する

薬と違いサプリメントの効果のあらわれ方はゆるいので、毎日継続することが大切です。飲み忘れのないよう、意識して摂取しましょう。

サプリメントの吸収率を上げるためには?

成分別に吸収率を上げる方法を解説!

それでは、成分ごとに吸収率を上げる方法や注意点をみていきましょう。

ミネラルサプリメントについて

ミネラルはヒトの身体の代謝を助けたり、身体の組織を作ったりする成分です。ヒトが健康に生きていくためには、微量でよいが、食事から摂らなければならない必須の食品成分です。

カルシウムサプリメントの効果的な飲み方とは

飲むタイミングとしては食事前や就寝前がベストです。食後の摂取は、アルカリ性の成分ゆえ胃酸を中和してしまい、消化不良を起きやすくしてしまいます。

カルシウムの体内吸収率は、他の成分の影響を受けます。牛乳中のCPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)、ビタミンD、クエン酸は吸収率をアップさせます。

反対にカルシウムの吸収を阻害するものには、シュウ酸(ほうれん草に多い)、フィチン酸(豆、穀類に多い)、過剰のリン(品質改良剤や添加物など)、過剰の食物繊維などが挙げられます。

カルシウムを過剰摂取すると、泌尿器系結石を起こす危険があります。また、鉄や亜鉛マグネシウムなどの他のミネラル吸収をも阻害してしまいます。

亜鉛サプリメントの効果的な飲み方とは

亜鉛はもともと吸収率がそれほど高くありません。また同時に摂る物質と一緒にくっついて体外に排出されやすい面もあります。

飲むタイミングとしては諸説ありますが、一般的には食後がよいとされています。

動物性たんぱく質と一緒に摂ることで、亜鉛の吸収は促進されます。また、クエン酸やビタミンCも、そのキレート作用によって吸収を促進します。

過剰な食物繊維やフィチン酸、加工食品に添加されるポリリン酸、葉酸の過剰摂取などは亜鉛の吸収を妨げます。また、アルコールの摂りすぎは亜鉛の排出量を増加させます。

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サプリメントの効果的な飲み方とは

鉄はもともと体内に吸収されにくいうえ、腸の粘膜にも存在するフェリチンという貯蔵鉄が吸収の促進・抑制を調節しており、必要以上に体内に吸収されない仕組みになっています。

飲むタイミングとしては、空腹時に飲むことが効果的です。

吸収率を高める成分としては、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ることで吸収率がアップします。

逆に珈琲や紅茶、緑茶に多く含まれているタンニンは、鉄の吸収を妨げます。

鉄剤の過剰摂取により、便秘胃腸障害、鉄沈着、亜鉛の吸収阻害などが起こる可能性があります。また、幼児ではサプリメントの誤飲により鉄剤急性鉄中毒を起こすことがあり、重度の臓器障害や死を招く恐れがあります。

ビタミン

ビタミンは、ヒトの代謝を助ける成分です。ミネラル同様、微量でよいが食事から摂らなければならない必須の食品成分です。

脂溶性ビタミン(A・D・E・K)サプリメントの効果的な飲み方とは

水に溶けにくく、アルコールや油脂に溶ける性質をもつビタミンです。ビタミンA・D・E・Kがそうです。

空腹時には吸収率が低下するので、食後の摂取が効果的です。また、脂分の多い食事と一緒に摂ることで吸収率がアップします。

脂溶性ビタミンの余剰分は肝臓に蓄積されるので、摂り過ぎると頭痛吐き気などの過剰症がおこる懸念があります。摂取量に注意が必要です。

水溶性ビタミン(B群・C)サプリメントの効果的な飲み方とは

水に溶けやすく、油脂には溶けにくい性質をもつビタミンです。ビタミンB群8種類とビタミンCがあります。

水溶性ビタミンは、過剰に摂っても体内に蓄積されずに排泄されてしまいます。1日で食後2~3回に分けて摂取することで効果的に作用します。

葉酸サプリメントの効果的な飲み方とは

葉酸は水溶性です。

飲むタイミングとしては空腹時の吸収率が高いですが、胃腸の弱い人にはお腹の不調に繋がることもありますので、食間や食後が一番リスクが少ないと言えます。また余剰分は体外に排出されてしまうので、一日分を小分けして摂取するとより効果的です。

現在のところ、葉酸による過剰症の確認はされていませんが、多量に摂取することで亜鉛の吸収が阻害されます。

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年齢による必要なサプリメントの違い

食事に適齢食(離乳食、幼児食、嚥下食など)があるように、サプリメントにも適齢サプリメントがあるものです。成長度合いや年齢によって少しずつ必要なサプリメントが変わってきます。

各年齢に分けて、ご説明していきます。

乳幼児期に必要なサプリメントとは

この時期はとくにサプリメントの必要はありませんが、ビタミン類など一時的に不足しがちな栄養素がある場合には、成人の摂取量の半分にし、ポリフェノールやハーブ類は避けましょう。

6~10歳に必要なサプリメントとは

小学校入学あたりからがサプリメントの摂取開始に適切な時期です。

10歳くらいまではビタミン類、ミネラル類、プロテインEPA/DHA、レシチン、ファイバー(食物繊維)などです。EPA/DHA、レシチンは大人と同量、それ以外は3/4の量が目安です。乳幼児期と同じく、ポリフェノールやハーブ類は避けましょう。

11~18歳に必要なサプリメントとは

小学校高学年から中学生くらいまでに、少しずつビタミン類、ミネラル類、プロテイン、EPA/DHA、レシチン、ファイバー(食物繊維)を大人と同量にしていきましょう。

高校生になれば基本量の1.5倍までは可能ですが、基本量の摂取で十分です。

20~50代に必要なサプリメントとは

上記のサプリメント以外に、目的や状況に応じた準栄養素の摂取を勧めます。例えばコエンザイムQ10やα-リポ酸、L-カルニチン、クエン酸、グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンなどが挙げられます。

また強力な抗酸化作用で脚光を浴びているファイトケミカルであるポリフェノールやフラボノイドなどもあります。これらは推奨量以上の摂取は禁物です。とくにポリフェノールは腸に長く滞在することにより、ミネラルの吸収を阻害します。

60代~に必要なサプリメントとは

上記のサプリメント以外に、新陳代謝の低下に合わせてプロテインを増量したり、生活習慣病予防のためにEPA/DHA、レシチンを欠かさないようにといった調整も必要です。また加齢とともに減少していくコエンザイムQ10や、認知症予防にイチョウ葉エキスなど加えてもよいですね。

サプリメントの注意点とは

サプリメントは薬ではなく、あくまで食品です。薬のように「〇〇に効く」とのはっきりとした記載がありません。食品に効能を記載することは「薬事法」違反に繋がるからです。なお、薬のようにすぐに効果があらわれるということもありません。

ということで飲むタイミングは個人の自由となりますが、やはり効果的なタイミングで飲みたいものですよね。

そして、食品と言えども食事の代替にはなりませんので、あくまでも食事内容に合わせたご利用が大切です。

薬と一緒に飲んだり、使い方を間違ったりすると副作用を起こすこともあります。1日の摂取量をよくご確認の上、上手に活用していきましょう。

そして最後に、ついつい見落としてしまいがちですが、そのサプリメントがどのような環境で加工されているのかも調べておく必要があります。医薬品製造基準(GMP)に準じた環境もとで製造されているサプリメントを選択するほうが安心です。

また、なにかあった場合に即座に対応してもらえるか、お問合せ窓口の記載もあるかも確認しておきましょう。