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そもそも統合失調症とは?その原因や症状について解説!
原因不明の精神疾患といわれる「統合失調症」は、脳内の何らかの障害で起きます。幻覚や妄想といった症状を特徴とし、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。
「不治の病」や「人格が崩壊する怖い病気」などと誤解と偏見のイメージを抱かれていました。
しかし近年は病気の研究が進み、早期の適切な治療を受けることで症状の軽減や回復も十分に可能であることがわかってきました。実際にも、社会復帰を果たす患者さんが格段に増えています。
そのことで2002年には「精神分裂病」から「統合失調症」へと正式に病名が変更されました。統合失調症とは「脳の統合機能が一時的に損なわれる病気」であるということを表しています。
ノルウェーの画家ムンクの代表作「叫び」は、赤く染まったフィヨルドの不気味な夕景と、橋の上でおびえて両手で耳をふさいでいる男こそが、ムンク自身だと言われています。
ムンクが統合失調症を患っていたことは有名な話ですが、まさにおどろおどろしい感じや破局的な描写は、幻覚体験をよくあらわしています。
統合失調症を発症する要因とは
統合失調症の発症しやすい年齢は、思春期から30歳まで(平均発症年齢は男性が27歳、女性が30歳)と若い人に多く、全体の70~80%を占めています。
発症につながる契機としては、受験や就職などの人生の節目、または恋愛、結婚、女性では出産などの大きな環境の変化やストレスなどが引き金となります。
統合失調症の根本的な原因はいまだ解明されていませんが、いくつかのリスク要因が重なることで発症すると考えられています。
現在考えられている要因としては以下の4つが挙げられます。
- 脳の生物学的な要因
- 心理的な要因
- 遺伝的な要因
- 環境的な要因
統合失調症の症状とは
統合失調症の特徴の1つとして、神経バランスの崩れにより精神面に障害があらわれ、結果として日常生活を送ることが困難になり「生きづらさ」を感じることから始まるとされています。
基本的な症状としては「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つに分けて考えられています。
陽性症状とは
本来ないはずのものがある「陽性症状」とは、「幻覚」や「妄想」、「支離滅裂な話」、「奇異な行動」、「暴力」、「攻撃性」など、いわゆる統合失調症を象徴するような症状で、急性期の中心的な症状です。
脳の活動が過剰になった結果生じている症状なので、投薬によって比較的コントロールしやすい症状です。
陰性症状とは
本来あるはずのものがない「陰性症状」とは、「感情が乏しくなる」、「精神の柔軟性が失われる」、「意欲が減退する」、「集中力が低下する」、「引きこもり」といった、本来あるはずの精神活動が失われている症状で、休息気から回復期にかけて多くみられる症状です。
これらの陰性症状は薬物療法が効きにくく、重症化するケースや年単位で長引くケースが多くみられます。
統合失調症では、病気の初期である急性期には陽性症状が前面にあらわれます。長期になるにつれて陰性症状が目立ってくるようになります。
認知機能障害とは
「陽性症状」「陰性症状」に並んで、統合失調症の中核的な症状として注目されている症状です。あらわれる時期としては前駆期から回復期ですが、陰性症状が改善しても、また持続することが多いです。
「認知機能」とは記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断といった知的な能力を指しますが、統合失調症になるとこれらの基本的な認知機能が低下してしまうので、日常生活や社会活動に困難をもたらします。
統合失調症の治療方法とは?
まずはじめに、治療を始める前に知っておくべきことがあります。まずは統合失調症の診断や治療は「精神科」「神経科」が行っています。
どこの病院へ行こうか迷っているときは、市区町村の保健センターや保健所、各都道府県の精神保健福祉センターなどの公的機関に相談するとよいでしょう。これらの機関にはだいたい「精神保健相談窓口」が設置されていますので、専門的なアドバイスが受けられます。
軽症の患者さんが増え、よいクスリが開発されているおかげで、現在の統合失調症の治療は「通院」が主流となっています。
統合失調症の治療は、外来・入院ともに薬を使った治療が基本です。症状を和らげる薬物療法に、社会への適応能力を高めるリハビリテーション(心理社会的療法)やSST(生活技能訓練)などを組合せて行うのが大変重要です。
この組合わせによる再発率を調べた国際的研究によると、薬物療法とリハビリテーションやSSTなどを組合せての治療が、著しく低かったのです。そのことにより、リハビリと併用することが統合失調症の治療に高い効果を与えることがわかります。
統合失調症の治療①-1薬物療法
「急性期」と「慢性期」に分けてご紹介します。
急性期の治療
「急性期」は、患者さんが安心して過ごせる静かで安全な環境づくりをし、さまざまな刺激で混乱している脳を休ませることが大切です。
そして、安全面での配慮も欠かせません。患者さんの混乱が酷く、家族だけでの対応が難しい場合は一時的な入院も視野に入れましょう。
急性期の治療は薬物療法が中心となり、抗精神病薬などを使って、幻覚や妄想などの激しい陽性症状をできるだけ早く軽減させることが目的です。なるべく早期の治療が開始できれば回復も早くなる可能性があります。
急性期の薬物療法は副作用に注意しながら十分な必要量の投与が基本です。
慢性期の治療
「慢性期」は幻覚や妄想などの激しい陽性症状はおさまっているものの、陰性症状や認知機能障害のために生活のしづらさが残っていることが多いです。
この時期の治療法がその後の社会生活に大きく影響することを拭いきれません。
慢性期は薬物療法と並行して、心理社会的療法などのリハビリテーションを行いながら、病状の回復を図っていきます。
急性期で投薬されていた抗精神病薬は、一般的には症状の改善に伴って慎重に減らしていきます。しかし、症状が落ち着いたからといって勝手に薬を飲むのをやめてしまうと、1~2年以内に80~90%と多くの人が再発してしまいます。
統合失調症はきわめて再発しやすい病気と認識し、決められた量の薬をきちんと服用し続けることが大変重要です。
急性期の激しい症状がおさまった後に、「精神病後うつ状態(精神病抗抑うつ)」という、精神的エネルギーが枯渇したように、無気力になることがあります。慢性期のうつや自殺にも注意が必要です。
統合失調症の治療①-2通電療法
通電療法は、難治性のうつ病などの薬物療法を行ってもよい効果が得られない場合などに行われる治療法です。
統合失調症でも、薬の副作用により使えない場合や、興奮や昏迷などの緊張症状が強い場合、自殺の可能性が高い場合などに有効とされています。
統合失調症の治療②リハビリテーション
統合失調症は、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで起きる病気です。投薬によりこのアンバランスな状態を改善するように働きかけ、妄想や幻覚などの陽性症状は比較的短期間で改善がみられます。
薬で症状が抑えられても傷ついた脳はなかなか元には戻りません。そこで「陰性症状」や「認知機能障害」があらわれてきます。
そのためにもリハビリは、生活のしづらさといった困難やハンディキャップを抱えながらも、困難を乗り越え、よりよい社会生活ができるように導くための大変重要な治療法です。
リハビリの開始時期は、適切な時期に適切な方法で行うことで効果が上がります。まずは症状が落ち着いてきたら、次に生活のリズムを整えることを目標にします。
患者さんに意欲が戻り、それまでできなかったことが少しずつできるようになる体験の積み重ねが大切です。
症状がある程度落ち着いたころに、それまで社会から離れていたことで失われていた能力や機能を取り戻すためのリハビリを少しずつ開始していきます。統合失調症のリハビリには「精神療法」、「生活技能訓練」、「作業療法」などのさまざまな方法があります。
また「デイケア」などの社会的なリハビリの場もあります。
統合失調症のリハビリは、たとえ障害があってもその人らしく生き、生活の質(QOL)を高めることを目的とします。
統合失調症の治療③入院による治療
自傷や他害などの恐れがある場合や受信拒否などで主治医が診察できないなど、患者さんの状態によっては入院が必要な場合があります。
入院のメリットとしては静かな環境で集中的な治療が受けられる点などが挙げられますが、一時的に症状が悪化してしまうなどのマイナス面も否めないので、慎重に検討する必要があります。
精神科の入院制度には、他の診察科と違い、大きく分けて「本人の同意がある入院」と「強制的な入院」の2つに分けられます。
しかしいずれの入院形態であっても、病院から入院の形態や必要性について文書で説明がなされることになっています。
統合失調症に効果がある成分とは?ナイアシンが有効?
日本では食事療法やサプリメント療法による精神病の治療法に触れる人は多くありませんが、欧米では食事療法、サプリメント療法を主とする自然療法を重視しています。
脳の健康のためにはバランスのとれたさまざまな栄養素が必要ではありますが、ビタミンB類に関しては脳にとっては重要なビタミンであり、「精神ビタミン」とも呼ばれるビタミンBも存在します。
まず重要なのは、ビタミンB12と葉酸です。この栄養素が不足することにより悪性貧血が発症します。悪性貧血により酸素を運ぶ赤血球の数が減少するので間接的に脳にダメージを与えます。
葉酸サプリメントのおすすめ3選!効果や比較する方法は?そして手足の感覚が失い、筋肉が弱くなり、直接脳に影響を与えることによりうつ症状を生み出して、最終的には深刻な知的障害を招きます。
2つめにはビタミンB1が挙げられます。ビタミンB1が欠乏することにより、軽症の場合は末梢神経を害し、重症の場合は脳の異常をきたすこともあります。
そして最も重要なものはナイアシン(ビタミンB3)で、脳機能に深く関連のある栄養素です。ナイアシン不足が、多くの人を精神科病院への入院にまで追い込むほどの威力をもっています。
ナイアシンは正常な脳の機能に必要なアミノ酸のトリプトファンと深く関係する栄養素です。そしてこのアミノ酸は、脳の神経伝達物質セロトニンの生産に関連しています。
そして最後の4つめはビタミンB6で、脳の代謝に深く関係しています。
これらのビタミンB類が健康な脳機能に重要となってきます。
サプリポートは統合失調症などメンタル関連サプリメントの利用者にアンケートを実施しました。
サプリポートでは611人にサプリメントに関するアンケートを実施しました。特に利用者の多いメンタル関連サプリメントに関しては、記述式の質問項目を設け利用実態を詳しくうかがいましたので、その回答の一部をご紹介します。
アンケートの詳細をご覧になりたい方は以下の記事をご覧ください。
ストレスにおすすめの市販サプリメント3選!DHCやファンケルは?メンタル関連サプリメントの利用目的とは?
今回のアンケートではストレスへの対策という回答が一番多く、その他にはメンタル関連の障害に対策するためという回答も多くみられました。
・ストレスを軽くするため、眠りやすくするため
・人格障害の対策のため
【口コミ】メンタル関連サプリメントを利用してからの変化とは?
ストレスやイライラの程度が改善したという人や、精神的な問題により抱えていた睡眠へのお悩みに変化を感じている人がいらっしゃいました。
・少しぼんやりするが、小さいことが気にならないし、寝つきがいい
・助けになってくれる物を飲んでいると言う事だけでも、気持ちが軽くなる気がしています
統合失調症の方におすすめのサプリメント2選!
エイブラハム ホッファー博士が執筆した「統合失調症を治す―栄養療法による驚異的回復!」だけでなく、統合失調症がらみの食事療法に関する書籍には、ビタミンB3(ナイアシン)に言及しているものが多くあります。
統合失調症に有効とされるビタミンB類を中心に配合されている、安全性の高い国内メーカーのサプリメントをご紹介します。
ビタミンB群8種を配合した、DHC ビタミンBミックス
マルチバランス部門成分別ビタミンB群メーカーシェアNO.1(富士経済「H.Bフーズマーケティング便覧2018No.2」)に見事輝いたDHCの商品です。
ビタミンB群8種(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)にイノシトールを配合した総合サプリメントとなっています。朝・夜2回の摂取がおススメです。
「最大限のはたらきをめざしたサプリを適正価格」「サプリは『食品』だからこそ厳しい管理基準で国内生産を」「健康にかかわるからこそ、医師・専門家のフォローを」にこだわっている、大手サプリメントメーカーDHCの商品です。
口コミ
・身体が温かく感じ、眠りが良くなった
・疲れにも効く
DHCが謳っている効果には糖分代謝を助けてダイエットに効果的な面と、速やかなエネルギー代謝を促すことにより疲労にアプローチするという面ですが、統合失調症にも欠かせない成分が多く含まれています。
ビタミンB群8種をたった1日1粒で摂取できる、ディアナチュラスタイル ビタミンB群
アサヒグループ食品より発売されてる国内生産・無添加で、とても安全に配慮された商品で、ビタミンB群8種(B1、B2、B6、B12ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸)を1日1粒で摂取できます。
口コミ
・コスパがよく、量も少なくてよい
・身体の調子が良くなった
「元気をチャージしたい忙しい方に」という謳い文句のとおりでストレス軽減だけでなく、さらに統合失調症には欠かせないビタミンB群を手軽に摂取することができます。
人間は心があって生きる動物
人は心のために生きている唯一の動物と思われます。身体の機能は衰えても、精神は加齢とともに成長を続けます。そして夢や目標に向かって生きています。
そしてとある研究では、健康でよい教育を受けた人は、加齢においても死ぬまで知力の働きが落ちないことを示していたそうです。筋肉と同じように、正しい栄養素を摂取して脳を働かせることはとても大事なことです。
およそ100人に1人は統合失調症に罹るという現代、サプリメントを活用して発病する確率を減らすことも可能かもしれません。