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そもそも喘息とは?どんな種類がある?
喘息は年齢に関わらず発症する病気で、特に多いものを「気管支喘息」と呼びます。
人間の喉には空気が通る気道と、食物や飲み物が通る食道の2つの管が通っています。
喘息になった人は空気が通る気道の内側が、常に炎症を起こし続けており、空気に触れる気道の内側がいつも浮腫んで気道が狭い状態になっています。
ここに埃やストレス、タバコなど、何かしらの刺激が起きると、気道がさらに狭くなり痰が分泌され、激しく咳き込むほか、呼吸が苦しくなります。ぜーぜー、ヒューヒューという呼吸音も特徴です。
この刺激による発作を喘息発作と呼び、時間の経過とともに自然におさまる人もいれば、薬を使って鎮めないといけない人もいます。
もし原因を取り除かず、炎症をそのままにしておくと、呼吸困難から窒息死が起きる可能性もあり、危険も多い病気です。
アレルギーなど、その原因によって、いくつかの種類に分かれます。
特定の原因が分からないこともある、アトピー型喘息・非アトピー型喘息
アトピー型喘息は、タバコの煙など特定の原因が引き金になって発作を起こす喘息です。
環境を整えるほか、原因となる物質を遠ざける必要があります。
一方で、その原因が分からない「非アトピー型喘息」もあります。
この場合は原因が特定できないため、喘息を起こす可能性があるとされる物質や行動を避けることが重要になります。
運動で起こる、運動誘発性喘息
運動をし始めると呼吸が増え、冷たい空気をたくさん吸い込みます。この空気が刺激となって気道の状態が悪くなって起きる喘息発作のことです。
マスクをつけたり、運動前の軽い運動などで抑えられることも多く、薬を使わなくても20分ほどで症状が回復します。
大人の喘息に多い、アスピリン喘息
アスピリンという薬は、鎮痛剤に良く使用されています。
非ステロイド性消炎鎮痛薬といわれる薬も、アスピリンと同じ作用を持つ薬です。市販品にも多く、痛み止めのシップや解熱剤にも使われることがあります。
これらの薬を使うことで発作が起こる喘息を、アスピリン喘息と言います。特に大人の喘息の原因に多く、生理痛などを目的に鎮痛剤をよく使う女性の方が起きやすいとされます。
ただし、アスピリンを使ったからと言って必ず起きるとは限りません。
大人と子供の喘息は違うの?
15歳までに発症する喘息を「小児喘息」、一方で成人してから現れる喘息を「成人喘息」として分けて捉えた方が良いとされます。
その理由は、子供の喘息と大人の喘息では、原因の分かりやすさが異なるためです。
小児喘息は、9割以上アレルギーが原因であり、原因が特定できる場合がほとんどです。
そのため、原因であるアレルゲンに触れない環境を整えるだけでも、症状が落ち着くことがあります。
また小児喘息は肺の成長に伴って症状が落ち着きはじめ、やがて自然に治る人が多くいます。大人になってから再発する可能性も、ほとんどありません。
一報、大人の喘息は炎症反応が非常に強く、ストレスや疲労の蓄積から炎症がなかなか治らないほか、原因が特定しづらいという特徴があります。
30~40代以上になってからも発生することがあり、咳や風邪が長引いているだけと思い込んだ結果、適切な治療をせずに長期間放置してしまい、他の病気につながることもあります。
喘息の原因、症状、治療法を解説!
喘息にどうしてなるのか、という原因は最初に説明した通り、気道に炎症が起きることとされています。
風邪や気管支炎といった、同じく気道に炎症が起きる疾患との最大の違いは「炎症がずっと続く」ということです。
そのため喘息の治療は、完璧に喘息を治すことではなく「発作がなくて健康な人と変わらない生活が送れる」ということを目標としています。
喘息の症状とは?
普段の生活の中で刺激を受けると、気管支が敏感になったことから息苦しさや咳込み、痰、ヒューヒュー、ゼーゼーという呼吸音が起きるようになります。
この刺激は特定のものである人もいれば、先に説明した非アトピー性喘息のように原因が不明確で様々なタイミングで咳き込みや発作が起きることがあります。
また胸が痛くなる人や、日常的に喉の違和感を感じる人もいます。アスピリン喘息の場合は、鼻づまりや鼻水など鼻に対する症状が起きることもあります。
特に夜間や早朝に症状が起きやすく、夜に喘息の症状で目が覚めてしまう人も多くいます。
その結果、十分な睡眠がとりにくくなるという弊害も起きます。
どうやって治療をしていくの?
「常に起きている炎症のための毎日の治療」と「発作が起きたときに対応する治療」の2つを適切に行うことが、喘息の治療においてとても大切であるとされます。
それは、残念ながらまだ、喘息自体を元から治療して完璧に症状が起きないようにする薬や治療法が存在しないためです。
まず発作が起きないように、基本的には症状の引き金となる物質や刺激に触れないようにします。
たとえば室内に空気清浄機を導入したり、禁煙をしたり、ストレスを溜めないようにしたり、睡眠時間を十分に確保したり、人によって喘息の原因に合わせて様々な工夫をすることができます。
また風邪も喘息の引き金となるため、できるだけ免疫力を落とさないようにし、予防につとめましょう。
毎日使う薬にはどんなものがある?
毎日使う薬は長期管理薬(コントローラー)とも呼ばれ、吸入ステロイド薬と呼ばれる薬をメインとして使います。
炎症を抑える作用が強く、慢性的に喉が炎症を起こしている状態を抑える効果があります。
風邪の場合、喉の炎症は長引いても1週間もあれば収まりますが、喘息の炎症は1〜2か月以上長く続きます。
症状がひどい場合は、気管支を広げる作用をもつ長時間作用性吸入β2刺激薬を同時につかうこともあります。
薬には段階があり、治療の必要度や症状、効き目に応じて薬を調整していきます。
ただし必ずしも使うとは限らず、症状が稀な人の場合は環境を整えつつ、様子を見るだけということもあります。
また漢方薬を使用する、という選択肢もありますが、発作が起きたときに漢方薬単体だと鎮めることができないため、吸入ステロイド薬の併用が必須です。
発作が起きたときに使う薬にはどんなものがある?
刺激を受けて気道が狭くなった時には、短時間作用性吸入β2刺激薬を使用します。気管支を抑える作用と炎症をおさえる作用の2つを持つテオフィリン薬を併用することもあります。
吸入薬は気道が狭くなっている場所に部分的に効果を発揮するタイプであり、すぐに呼吸を楽にしてくれます。
また他にも内服薬として、炎症が悪化しないように防ぐ経口ステロイド薬や、自律神経や副交感神経から放出される神経物質であるアセチルコリンの働きを抑える抗コリン薬が使用されます。
しかしこうした薬を使用しても状態が良くならず、横になれないほど苦しい場合は救急外来を受診する必要があります。
治療をやめると炎症が酷くなってしまう
喘息は、まだ完治させることが難しい病気です。しかし最近では毎日使う薬を適切に利用することで、喉の炎症を抑えて咳や苦しさを緩和出来るようになりました。
治療を始めると咳き込みも減り、呼吸が楽になり息がしやすくなるため、中には「もう治療はしない」と勝手にやめてしまう人もいます。
しかしその状態は、あくまで薬で炎症を抑えているからこそ保たれています。
そのため、毎日の治療をやめると発作のコントロール自体が難しくなり、余計に炎症が酷くなることもあります。
適切に治療を受けながら、担当医としっかり相談しつつ症状と付き合うことこそ、喘息の治療にとってはとても大切なのです。
喘息の体質を改善する民間療法は?薬に頼らない方法がある?
まず前提として、民間療法に対する科学的な根拠は現時点でほとんど確認されていません。
喘息の炎症を適切に抑えられる効果をもつサプリメントやハーブ、呼吸法が存在していないためです。
確かに、現在使用されている治療薬の中には、漢方薬などを元とするものもあります。
たとえばお茶に含まれる成分を元に開発されたテオフィリンや、漢方薬の麻黄に含まれる化合物を利用したエフェドリンが挙げられます。
しかしこれらの成分の元となるものを摂ったとしても、薬と同じように効果を発揮してくれるという保証はどこにもありません。
ハーブやサプリメントをむやみに購入するよりも、まず自分が治療をしっかりと行えているか、他にむやみにお金をかけなくてもできることはないか、きちんと状況を把握しましょう。
日常生活でできること
日常生活の中で、まず発作につながることはないか、見直していきましょう。
薬を使うタイミングや発作が起きたときの症状、薬を使った後の症状の落ち着き具合など、発作と薬に関することを記録しておくと、今後の治療にも役立ちます。
長期管理薬を適切に変えることで、今より楽になる可能性もあります。
またアルコールやタバコを摂取することは、喘息発作を招く要因の一つです。特に禁煙は必要となるため、日常生活でタバコに接触する機会を減らすように工夫してみましょう。
マスクを仕事中や寝るときに仕事をかけることで、風邪予防とともに、喉への刺激を防ぐこともおすすめです。
家の中はクッションやカーペットなど埃の原因となるものを減らし、布団を敷くときは窓を開けて空気を入れかえるようにしましょう。
また、家では発作が起きないのに、仕事へ行くと発作が起きるという人もいます。
大人の場合、仕事の忙しさによるストレスや、職場の埃、職場で勤務上発生する粉塵が発作のきっかけになっている場合も十分考えられます。
仕事場に原因があると気が付かず、職場で発作が頻繁に起き続けた結果、仕事を辞めざるを得ない方も少なからずいます。
この場合も、適切に長期管理薬を使うことで発作が起きにくくなり、仕事への影響を少なくできます。
喘息に効果がある成分とは?咳、発作は予防できる?
上記に挙げたように、喘息に用いられる薬は吸入ステロイド薬です。
吸入ステロイド薬は吸入したときに気管支だけに投与されるため、全身に効果は広がりません。
長期利用すると骨粗鬆症になる、太ってステロイドの効果がなくなる、といった副作用の怖さからステロイド薬に良くないイメージを持つ人も多く、使用自体を拒否する人も少なからずいるのは事実です。
しかし、それは不適切に使った時に起きた副作用が恐ろしいのであって、適切に使えばとても効果がある薬です。吸入ステロイド薬は経口薬や注射より、ずっと副作用が起きる可能性も少ない薬です。
不適切に使わないようにするためにも、もし不安があるのであれば医師や薬剤師にしっかり相談しましょう。
漢方薬について相談してみる
また、体質を整えていくという目線からみると、漢方薬という方法もあります。
発作が起きたときにステロイド薬を使い、それ以外の普段の生活では漢方薬を使う人もいます。
たとえば麦門冬湯や小青竜湯、柴朴湯、麻杏甘石湯などが挙げられます。
ただ漢方薬はその人の体質に応じて適切に処方してもらうことで、初めて効果が得られます。自己判断で飲み続けると、返って体に悪いこともあります。
漢方薬について詳しい医師に相談したうえで、きちんと処方してもらうことが大切です。
風邪を引きにくくする目的でサプリメントを使う
免疫力を高めつつ、日ごろの生活をサポートする目的で活用するものとして、日本人に不足しがちな栄養素をサプリメントで補うという方法が挙げられます。
たとえば体の免疫力を高め保つ効果を持つビタミンやミネラルを、普段の生活で十分に摂れていない場合があります。
すると風邪を引きやすくなり、体調を整えるのも難しくなり、ストレスがたまる原因にもなります。
特にビタミンDは気管支喘息に対し、重症度を軽減する可能性があるとして研究が進められています。
ところが、まだどのようなメカニズムで関与するかは不明確であり、本当に喘息にとって効果的なのかはっきりとしたことは分かっていません。
またすでに喘息で治療を受けている人は、必ずビタミンサプリメントを飲み始めようと考えていることを、医師に伝えるようにしましょう。
喘息におすすめのサプリメント3選!
ここでは、体調を整える目的で使用したい、ビタミンとミネラル双方を含むマルチタイプのサプリメントを紹介します。
摂りすぎを避けやすい、ディアナチュラ 29アミノマルチビタミン&ミネラル
1日3粒でビタミンは1日分が摂取できるのに対し、ミネラル類は1/3日分となっているサプリメントです。
そのため、普段の生活で摂取できたものに応じて、飲む量を自分で調整しやすくなっています。
口コミ
・小さくてさっと飲める
・たくさんのビタミンやミネラルはいらないと思ったので、必要最低限で丁度良い
・風邪を引きにくいし体調が良い
1粒で摂りたい人に、大塚製薬 ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル
1粒で、1日に必要な12種類のビタミンと1日分に対し1/2の7種類のミネラルを補えるサプリメントです。
ただし粒の大きさがかなりあり、横1cm、長さ2cmと、飲みにくさを感じる人も多い商品です。ただし真ん中にタブレットを割るためのスリットが入っているため、簡単に2分割できます。
また1日2粒分になっている「マルチビタミン&ミネラル」もあるため、飲みづらさが気になるだけ、という人はそちらを選ぶのも良いでしょう。
口コミ
・飲み始めてから風邪を数年は引いていない
・肌が健康になってきた
・体調が良い時期が長く続くようになった
必須アミノ酸にも注目したい人に、小林製薬 マルチビタミン ミネラル 必須アミノ酸
小林製薬が製造しているサプリメントは、使用している原料や成分について詳しく表記がされているという特徴があります。
そのため、しっかり原料や成分に目を通したい、という人にもおすすめです。また1日4粒で1粒あたりの大きさも1センチ以下と小さく、物が飲みづらいときにもおすすめです。
口コミ
・体調が良く体が回復しやすくなった
・貧血対策も一緒に出来てよかった
・手軽に飲めて小粒なのが良い