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サプリメントにおける天然と合成の違いとは?
まずは、サプリメントにおける天然と合成の違いを説明します。天然のサプリメントは、自然界に存在する物質のみで構成されたもので、合成のサプリメントは、人工的に作られた物質で構成されたものです。
どちらもサプリメントに違いはありませんが、天然と合成の違いを聞くと、「天然のほうが良いに決まっている」と感じる方もいらっしゃると思います。しかし、場合によっては、天然のほうが不利に働くこともあるのです。
ビタミンCと葉酸の具体例に沿って解説!
ビタミンCと葉酸のサプリメントは、天然と合成どちらがよいのか、詳しく見ていきましょう。
ビタミンCの栄養とサプリメント
ビタミンCは、アスコルビン酸という有機化合物から成り立つ、水溶性ビタミンです。ビタミンCと聞くと、「お肌に良い」「果物にたっぷり含まれている」という印象が強いと思います。
体への主な作用は、抗酸化作用とコラーゲンの合成で、シミやしわ、傷の改善はもちろん、ストレスを軽減させるホルモンの合成にも関わっているため、なるべく多く摂りたい栄養素です。
「日本人の食事摂取基準2015」によると、ビタミンCの推奨量は、成人で1日10mgです。ビタミンCを多く含む100gあたりの食品は何だと思いますか?第一位はアセロラですが、現実的に考えると、毎日100g摂るのは難しいものです。
1食で食べる量あたりに換算すると、実は果物ではなく、色のついた野菜にビタミンCが多く含まれており、赤ピーマン(1/2個)で10mg、ブロッコリー(1/4房)だと7mgです。とはいえ、毎日同じ食材ばかりだと飽きてしまいます。
そのため、サプリメントを利用すると、効率よくビタミンCが摂取できるのですが、天然のものと合成のもの、実はどちらも一長一短なのです。天然のビタミンCの良いところは、何と言っても「吸収率」です。
ビタミンCを構成しているアスコルビン酸自体、天然のものも合成のものもあり、どちらも同じ物質ですが、吸収率は天然が合成の2倍となります。
どの栄養素もそうですが、口から入った栄養素は全て体に吸収されるわけではありません。つまり、吸収率が高い天然のほうが、無駄なく体に取り入れることができるのです。
一方、合成のビタミンCの良いところは、「金額」と「安定性」です。天然のビタミンCは、自然界にある植物(原料)を使ってサプリメントを作るため金額が高くなり、さらに、気候などの影響を受けやすいため、原料の供給量が一定ではありません。
合成のサプリメントであっても、品質管理が徹底していれば、利用するのは悪いことではありません。
葉酸の栄養とサプリメント
葉酸の場合も比較してみましょう。葉酸は、その字の通り、植物に多く含まれるビタミンです。体内での働きとしては、遺伝物質であるDNAの合成から造血作用まで、幅広く活躍します。
葉酸の推奨量は、成人で1日240μgです。葉酸を多く含む食品は、菜の花(50g)で170μg、ブロッコリー(1/4房)で126μgです。けして植物だけに含まれているわけではなく、動物性のものだと、レバー(焼き鳥2本)で780μgの葉酸を摂ることができます。
葉酸のサプリメントにも、天然と合成のものがありますが、どちらを選ぶべきなのでしょうか。結論から言うと、葉酸を効率よく摂るには、実は合成のほうが良いのです。
ビタミンCとは異なり、葉酸は、天然と合成で物質の構造が異なります。天然の葉酸は「ポリグルタミン酸型」といい、体内に入ると、吸収されるのは約半分(50%)となります。
これは、ポリグルタミン酸が、体内でモノグルタミン酸型に変換されるときに、元のポリグルタミン酸の量が減ってしまうためです。
また、ビタミンCと同様、合成のものよりも金額が高くなります。そして、合成の葉酸サプリメントの吸収率は、なんと85%まで上がり、同量だと、天然のものよりも1.5倍以上体内に多く吸収されます。
これは、合成の葉酸サプリメントが「モノグルタミン酸型」であるために、体内でそのまま吸収され、しっかりと葉酸を確保することができるわけです。
ただし、サプリメントを形成するために、化学物質を使っているのは当然ですから、その点が気になる方には、葉酸をおすすめします。
葉酸サプリメントのおすすめ3選!効果や比較する方法は?ビタミンCと葉酸、どちらも食事からは継続的に摂取し続けることが容易ではない栄養素です。上手にサプリメントを使い分けて、少しでも健康的な生活を心がけてみましょう。