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アラニンが尿酸値を下げるって本当?
アラニンは、アミノ酸の一種ですが、必須アミノ酸ではありません。必須アミノ酸とは、体内で合成されない、もしくは、合成されても量が少ないために、食品等から取り入れる必要があるアミノ酸のことです。
とはいえ、アラニンには、エネルギーを生み出したり、体内のアルコール分解をスムーズに行うことで二日酔いを軽減してくれたりと、大きな役割を持っています。
これらに加え、尿酸値を下げやすくする役割についても話題になっています。
尿酸値が高くなることによって起こる病気が「高尿酸血症」です。代表的な症状が痛風で、文字通り、風に当たるだけでも痛いと言われていることから、この名称がつきました。
残念なことに、患者数はほとんど減少することなく、男性を中心に、有名な生活習慣病となってしまいました。
この病気が起こる原因は2つあります。
1つは、尿酸に変化するプリン体を多く摂取する(生活習慣)、もう1つは、尿酸を処理する能力(尿酸を排泄する能力の低下、もしくは、尿酸を過剰に作り出してしまう)というものです。
実は、生活習慣病と言われながらも、患者の約8割は、後者が原因なのです。
人間は、遺伝子的に、尿酸の処理能力が低いため、どうしても、外からプリン体を摂り過ぎると病気になるリスクは高くなります。
つまり、プリン体を多く含む食品を避けることとは別に、処理能力にも何かしらの対策が必要になってくるのです。
尿酸は、文字通り「酸性」なので、アルカリ性食品を摂ることも1つですが、体内で消化・吸収の働きを受けるために、効果が強いとは言えません。
そこで最近、尿酸に困っている人への救世主となったのが「アラニン」です。
食品ではなく、単なるアミノ酸であるアラニンが、どうして尿酸対策として挙げられているのか、次の項目でご説明します。
アラニンが尿酸値を下げる仕組みを解説!
アラニンは、プリン体が尿酸に変化する過程で生成されるヌクレオチドやヌクレオシドを、体にとって無害である尿素と二酸化炭素に変えてくれる役割があります。
特に、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品に含まれているたんぱく質の一種「カゼイン」が、胃腸内で分解されてアラニンに変化するため、毎日、乳製品を適正量摂っている人は、腎臓で排泄される尿酸の量が、摂っていない人に比べて多いことが分かっています。
ただし、乳製品のデメリットである脂肪分は、摂りすぎによる悪影響も考えられるため、気になる方は低脂肪の製品をおすすめします。
また、乳製品の代名詞とも言える存在となった「乳酸菌」は、前述のヌクレオチドやヌクレオシドを吸収し、尿酸を排泄しやすい形に変えてしまう役割があります。
最近は、尿酸対策を謳ったヨーグルトも発売されているくらいなので、これらの食品を活用されてはいかがでしょうか。
尿酸値が高めの方におすすめの食品を紹介します!
尿酸値が高めの方には、①尿酸の素になる食品をなるべく控える②尿酸の排泄を促す(体内の尿酸を減らす)食品をなるべく増やす、の2つの対策が必要です。
①尿酸の素になる食品をなるべく控える
尿酸の素になるプリン体は、たんぱく質であり、主に動物性の食品に多く含まれています。特に多い食品は以下の通りです。
尿酸値が高めの方は、1日のプリン体摂取量が400mgを超えないようにすることが大切です。
- プリン体300mg以上(食品100gあたり)・・・鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し
- プリン体200~300mg(食品100gあたり)・・・豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物
②尿酸の排泄を促す食品をなるべく増やす
尿酸の排泄を促す成分が含まれている食品は、こまめに取り入れるようにしましょう。ただし、どんな食品であっても「適量」が一番効果が大きいことを忘れないでください。
- ポリフェノール・・・ワイン120~240ml(グラス約2杯)を毎日飲んでいた人は、同じアルコール量でも、他の種類を飲んでいた人に比べて、尿酸値の低下が見られた
- クロロゲン酸・・・コーヒーを1日に4カップ以上飲んでいた人は、尿酸値の低下が見られた。紅茶では、同様の効果が見られなかった。
- アルカリ性食品・・・野菜、海藻、きのこはアルカリ性食品に分類されます。これらのアルカリ性食品は、体内の酸物質を中和する働きがあるため、毎食取り入れる必要がある。
③その他
尿酸値が高めの方におすすめのその他の対策をご紹介します。
食事を摂りすぎない
どんな食品にもプリン体は存在しているため、全く摂らないということは不可能です。
食事量が多ければ、自然とプリン体、つまり尿酸値は上がりやすくなりますので、1日の適正カロリーになるべく近づけることも大切です。
水分をしっかり摂る
水分を摂ることで尿量が増加します。その分、尿酸も排泄されるため、尿酸値が高めの方は、1日2リットルを目標にしてください。
アルコールは摂りすぎない
アルコールは、肝臓での尿酸生成を促進します。また、ビールは、プリン体そのものが含まれているアルコールですので、尿酸値が高めの方は、できるだけ控えましょう。
その他の種類も、アルコールの分のカロリーが含まれていますので、摂りすぎはどちらにしても良いものではありません。