そもそもGABAとは何か
人の体の中では神経が複雑に絡み合い、生命活動を維持してます。そして、それぞれの神経系において様々な物質が神経伝達物質として働いています。交感神経系ではアドレナリン、副交感神経系ではアセチルコリンが良く知られています。
脳内で働く物質も多くあり、セロトニンやドーパミンなどが有名です。脳の活動を活発(興奮状態)にするのはグルタミン酸です。それと逆の働きを持つのがGABAです。
GABAはアミノ酸の一種です。ガンマ-アミノ酪酸と呼ばれ、英語名はgamma-aminobutyric acidです。この頭文字をとってGABAと略され、「ギャバ」と呼ばれています。
L-グルタミン酸を原料として生体内で合成されます。脳内で情動や睡眠の調整を担い、抑制系の神経伝達物質として働いています。脊椎動物(魚類、鳥類、両生類、爬虫類、ほ乳類)の中枢神経系に存在しています。
GABAの効果・効能
抑制系の神経伝達物質であるGABAは、神経接合部のGABA受容体に結合することで鎮静作用を示します。
この作用に着目し、GABAの働きをコントロールする薬剤が開発されました。現在でも医療現場では、抗不安薬や抗てんかん薬、そして睡眠剤として利用されています。
GABAを含む食品の中には、特定保健用食品として認められたものもあります。腎臓において塩分の排出に関与するとされ、「血圧が高めの方に適する」との標榜が認められています。
近年ではGABAのリラックス効果が注目されています。過度のストレスに晒されることの多い現代、手軽に行うことのできるストレス対策として、GABAを多く含む食物やサプリメントが取り上げられています。
他にも脂肪の代謝調整や肝臓の機能維持にも良いと言われています。
GABAを多く含む食品
それでは、どのような食品からGABAを摂ることができるのかを見てみましょう。
農研機構のホームページには「機能性成分含有量データベース」が掲載されています。
食品100g中に含まれるGABAの量を以下に示します。
- トマト缶詰(ホール) 0.095g
- ジャガイモ(橙黄色) 0.068g
- トマト(桃太郎) 0.057g
- 西洋カボチャ(えびす) 0.056g
- ブドウ 0.017g
- 大豆(国産、乾燥) 0.007g
- 大麦(押し麦) 0.003g
- 玄米 0.003g
このデータベースに掲載されていない食品の中にも、多く含まれているものはあります。
- シャコ 0.75g
- ぬか漬け 0.1g
- 発芽玄米 0.012g
- チョコレート 0.009g
通常の生活の中で必要とされるGABAの量は1日あたり約0.02gといわれています。
この程度なら、バランスよく食材を選ぶことで摂ることができそうですね。
しかし、十分なリラックス効果を得るためには0.1~0.4gのGABAが必要となります。シャコのようにかなりの量が摂れる食材もありますが、日常的に摂るのは難しそうです。効率よく摂るためにはサプリメントを利用した方が良いでしょう。
国産のサプリメントでは0.2g程度、海外の製品では1日当たり0.75g摂取できるものもあります。バランスの良い食生活を心がけ、それでもなおGABAが必要という方はサプリメントの利用も検討してください。
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