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アメリカはサプリメント先進国?
アメリカは文句なしのサプリメント先進国です。
Nutirition Business Journalの報告によると、2014年の時点で、アメリカのサプリメント市場規模は367億ドル(約3兆9,900億円)で、世界市場の34%を占め、世界第一位となっています。
一方、日本は、サプリメント市場規模が106億ドル(約1兆1,500億)で、世界市場の約10%を占めています。比較すれば決して大きくない規模ですが、それでもアメリカ・中国についで世界第三位の市場規模になります。
また、サプリメントの摂取率は、アメリカでは約70%、日本では約40%と言われています。
これらの数字だけでも、アメリカのサプリメント産業の大きさ・サプリメントが私生活に浸透しているのが伺えます。
ここまでの市場拡大と普及には、まずアメリカの医療問題が関係しているとされています。
アメリカは健康保険への加入が任意となっています。加えて保険費用が高額・保険制度が州によって異なるといった問題点などにより、6人に1人の割合で保険に加入していない現状があります。この場合、医療費は全て自己負担になってしまいます。
また、保険に加入していたとしても、あまりにも医療費が高額なため、治療を受けられない状況に陥る場合も少なくなく、医療を受けるハードルが高いという問題点があります。
そのため、健康への意識・病気の予防意識などが高まっていき、病院や医薬品より安価なサプリメントや健康食品が注目されてきました。
アメリカでは、サプリメントの専門医師や専門薬剤師が存在し、医療としてサプリメントを取り入れる場合も多く、需要や普及に応じた体制も整っています。
日本は医療がハイクオリティ・ローコストであるため、サプリメントに医療的な効能を求めることは少なく、あくまでも補助的な位置づけであることが、アメリカと大きく異なる点の一つです。
そして、アメリカがサプリメント先進国と言われている背景に、サプリメントにおける法律や規制が最も大きく関係しています。
アメリカでは、1994年にサプリメント規制緩和・医療費削減などを目的としたDSHEA法(栄養補助食品健康教育法)という法律が施行され、サプリメントを取り巻く環境が一気に変わりました。
DSHEA法により、分かりやすいラベル表示を義務化、何らかの証拠があれば具体的な効能を表示できるようになり、さらに食品医薬品局の許可を受けずに、自由に製造・販売できるようになりました。
需要に応える法律であり、販売における規制が緩和されたことにより、市場規模・普及率が格段に上がり、施行前は25,000種類だった商品数は、毎年1,000種類以上ずつ増えており、2012年の時点で55,000種類もの商品が市場に流通していると言われる。
日本では、サプリメントは栄養補助食品で、あくまでも“食品”であるため、アメリカのような法律も規制もありません。
海外と国産、どちらのサプリメントがおすすめ?
海外サプリメントと国産サプリメントの違いや、それぞれのメリット・デメリットを把握することで、自分に合ったサプリメントを選ぶことができます。
サプリメントの種類や品目数
サプリメントの種類・品目数は海外サプリメントの方が圧倒的に多いです。規制の違いにより、日本では製品化されていない成分のものが多くあるためで、選択肢も広がり、自分に合ったサプリメントに出会う確率も上がります。
しかし、その含有成分が、日本では医薬品成分であるといった可能性は十分あり、安易な摂取が危険を招く恐れも考えられます。
海外サプリメントは、適切な使用のために、成分や飲み合わせなど注意事項の把握が国産サプリメント以上に必要になってきます。
サプリメントの品質・安全性
様々な国のサプリメントがあるため、何事も“海外製”とひとまとめにはできません。特に品質や安全性は、その国の規制やシステムによって大きく異なってきます。
先進国のアメリカでは、DSHEA法により、成分表記の義務化と共に、医薬品にも属することから厳しい品質基準も義務化され、製品になるまでに様々な試験・審査が行われます。販売後も抜き打ち検査なども行われ、品質・安全性は非常に高いと言えます。
しかし、国によっては、規制も緩く、適切な品質管理もなく販売されてしまう海外サプリメントもあり、実際に利用者が死亡したという事例も少なくありません。
国産サプリメントは、日本人向けの商品であることもあり、大きく海外と比較すると品質・安全性は高いと言えます。
しかし、食品と分類されているがゆえにアメリカほどの規制はなく、品質管理はメーカーや企業任せであることから、“国産だから安全かつ高品質”とは言えないのも事実です。
サプリメントの価格
価格は海外製の方が安い傾向にあります。実際は“国産サプリメントが高い”が正しい表現と言えるかもしれません。需要や企業の価格競争などの違いによるものです。
また、容量も海外製は多く、コストパフォーマンスも優れています。価格や容量で選ぶなら、海外製がお得と言えるでしょう。
サプリメントの飲みやすさ
海外サプリメントは、外国人の体格に合わせて製造されていることもあり、錠剤やカプセルが大きいものが多くあります。一方で、国産サプリメントは飲みやすさに配慮したものが多いのが特徴です。
毎日飲むものであれば、飲みやすさも重要な要素になります。