そもそもコンテンツマーケティングとは?
人によって若干の認識の差はあったとしても、コンテンツマーケティングはおおよそ以下のように定義できるでしょう。
ユーザーにとって価値のある情報とは、ユーザーが知りたい情報、ユーザーの悩みを解決する情報です。
従来のマーケティング戦略では商品ありきでした。商品名を認知してもらうためにテレビCMを打ったり、商品の特徴をアピールするために営業マンが売り込みを行ったりしていました。
それに対して、コンテンツマーケティングはユーザーのニーズありきです。
まずはメーカーや商品を知らなくても良いから潜在層に向けて情報を発信します。潜在層にリーチした後に、信頼してもらう、ファンになってもらうというステップを踏んで、商品の購買など本来の目的を達成するのです。
コンテンツSEOは、有用なコンテンツの提供によって、ウェブサイトへの流入を増やすためのSEO手法の一つです。前述したコンテンツマーケティングの定義の一部に含まれることが分かると思います。
売り込み手法は限界を迎えている
一般的に連想されるマーケティング手法は、テレビや新聞を利用したマス向け広告、リスティングなどのネット広告、テレアポや飛び込みなどの営業手法でしょう。
しかし、爆発的に情報量が増えている近年は売り込み型の広告は敬遠される傾向にあります。
一方で、自分が検討している商材に関してはインターネットを通じて盛んに情報収集を行うことが明らかになっています。だからこそ、製品やサービスからではなく、ユーザーの欲求やニーズからアプローチすることが有効になっているのです。
高額な商品では、特に綿密な情報収集を行うことが知られています。
コンテンツマーケティングの歴史とこれから
コンテンツマーケティングの歴史を知っておくことで、これからのトレンドも見えてきます。簡単におさらいしておきましょう。
世界初のコンテンツマーケティングと言われているのは、アメリカの農機具メーカーが19世紀末に発行した専門雑誌です。雑誌の読者に農業の知識を提供することによって、潜在顧客との関係性を高め農機具の販売に繋げていました。
コンテンツマーケティングが特に盛り上がり始めたのはインターネット登場以降で、ウェブサイトの制作が簡単になった2000年代以降はオウンドメディアによる情報発信が盛んになりました。
またGoogleがコンテンツの質を重視したアルゴリズムに変更したことによって、ウェブサイトを上位表示するためには良質なコンテンツの提供が不可欠となりました。
メディア内に紛れるようにして配置される記事型のネイティブ広告やSNS広告も登場すると、コンテンツを利用したプロモーションは多様化していきました。
現在では、オウンドメディアがブランド化するなど、マーケティング手法と企業や商品のブランディングは強力に結びついています。
コンテンツマーケティングのメリット
まずはコンテンツマーケティングのメリットについてご紹介します。
上手く運用すれば費用対効果が高い
コンテンツマーケティングを上手く実施できれば広告宣伝費の削減に繋がります。
コンテンツの種類にも依りますが、ブログ記事であれば従来の広告手法に比べて制作費用は安いですし、価値のあるコンテンツを積み上げていくとその効果は増大していきます。
長期的に取り組むことで費用対効果が向上していく、資産性のあるマーケティング手法ということができます。
専門性のアピール、ブランド力の構築に繋がる
自社の業界や商材に関して正確かつ誠実な情報発信をしていくことで、専門性をもったメディア、企業であるという認知を獲得できます。
これは製品や企業のブランディングにもつながります。
顧客との関係性を強化できる
前述したようにブランドを構築できれば、他社にはない関係性を顧客と構築できたことになります。
ブランドや信頼性がある企業として顧客に知ってもらっていれば、他社とは安易に比較されないため、価格競争に巻き込まれない、長期的に購買を続けてくれるというメリットがあります。
拡散される可能性がある
低予算で制作したコンテンツであっても、共感を呼ぶ、シェアしたくなる、インパクトがある、といった特徴を持っていると広く拡散される可能性があります。
日本中、または世界中にアプローチできる
インターネットを活用したコンテンツマーケティングは地理的な制約を受けません。
日本国内はもちろん、言語を介さないビジュアルや動画を利用したコンテンツであればグローバルにアプローチすることが可能です。
コンテンツマーケティングのデメリット
低予算で大きな効果が上がることもあるコンテンツマーケティングですが、デメリットについてもしっかり抑えておきましょう。
運用には知識が必要
資金を払えば露出が増えるマス向け広告やリスティング広告とは違って、運用知識がなければコンテンツを作ったのにユーザーに見られないということになりかねません。
流入が増える施策を講じることが大切で、十分な知識がない場合は専門家に相談してみましょう。
コンテンツ作成には手間がかかる
コンテンツマーケティングでは、オリジナリティのあるコンテンツが不可欠です。
また、ユーザーと関係性を築いていくためには、定期的なコンテンツの更新が必要になります。
費用対効果は高いですが、手間がかかることも覚えておきましょう。
短期的な成果が出にくい
「ブログを開設したけどほとんど読者がいない」「公式SNSアカウントのフォロワーが全然増えない」といった悩みはコンテンツマーケティングを始めた方であれば、誰もが抱えたことのある悩みです。
特にブログやSNSを利用する場合には、長期的に情報を発信することで信頼を蓄積していく必要があります。
1〜2ヶ月ではなく、少なくとも半年〜1年といったスパンで取り組む覚悟をしておきましょう。
コンテンツマーケティングのメディア
企業サイトでのブログや企業SNSアカウントを利用したバズ(拡散)目的のコンテンツ発信などを連想される方も多いかと思います。多くのメディア、目的に合ったものを選びましょう。
ブログ
ストック型コンテンツマーケティングの代名詞が、ブログやコラムです。
安価に始められる、資産性がある、というメリットがありますが、Googleなど検索エンジンからの流入を目指す場合には、SEO対策が必要になります。
SNS
SNSでの情報発信には、比較的簡単というメリットがあります。ただ情報が溢れている現代では、企業のアカウントをフォローしてもらうのは簡単ではありません。
事務的な内容を発信するのではなく、インパクトのある写真やビジュアルの活用、事業に関連する情報を動画でまとめるなどの工夫が求めれられています。
またオウンドメディアへの流入も見込めるため、ブログなどとの組み合わせがおすすめです。
ホワイトペーパー
マーケティングにおけるホワイトペーパーとは、製品やサービスの特徴、調査結果や特許の仕組みなどを簡単にまとめた書類になります。
インターネット上で配布する場合には、メールアドレスなどの顧客情報を入力してもらい、ダウンロードしてもらうケースが多いです。
ホワイトペーパーにおいてもただ自社のアピールをするだけではなく、専門用語の解説や初心者向けガイドなど顧客に役に立つ周辺情報の提供を意識すると効果的です。
メールマーケティング
継続的な情報発信によって、顧客との関係を築きやすいのがメールマーケティングです。見込み客のメールアドレスの獲得が必要なものの、安価に始められるメリットがあります。
一斉送信だけではなく、その手法も様々です。
ステップメールとは、顧客の申込日やアプローチできた方法によって、準備した複数のメールを一定期間ごとに配信する手法です。
ターゲティングメールとは、メールをどのようなターゲットに配信するか決めておき、条件に合致した顧客にのみメールを送信する手法です。
動画
通信環境の進歩とマルチスクリーン化によって、動画の視聴時間は増加傾向にあり、近年ますます注目されています。
特に若年層にアプローチしたい場合に有効です。
クオリティの高い動画を求めれば他の方法よりも制作費用が高いことも確かですが、制作ツールは年々安くなっているので検討する価値はあるでしょう。
コンテンツの種類
メディアと同様に、コンテンツの種類に関しても気を配りましょう。すでに自社の商品に興味を持ってくれている顧客ばかりではありませんから、潜在顧客にも刺さるフックのあるコンテンツも必要です。成功事例も合わせて紹介します。
バイラルコンテンツ
バイラルとはもともとは「ウイルス性の」といった意味を持つ言葉ですが、マーケティングの文脈においては、「拡散される、シェアされる」という意味を持ちます。
つまりバイラルコンテンツとは、心に刺さる、心を揺さぶられる、共感できるという特徴を持ち、拡散したくなるコンテンツということです。
高度なオリジナリティが必要となりますが、拡散されればマーケティング効果は絶大です。
バイラルコンテンツの成功事例
バイラルコンテンツの例として挙げたいのが、アイスバケツチャレンジです。
2014年に始まったこのキャンペーンは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)への意識を高め、募金を集めるために始まりました。
頭の上から氷水のバケツを注ぐ動画を公開し、最低3人に同じことをしてALS協会に寄付するように指示する、というシンプルなものです。
ビル・ゲイツ、ジョージ・W・ブッシュ、トム・クルーズ、マーク・ザッカーバーグ、ラファエル・ナダル、クリスティアーノ・ロナウドが参加したことで大きな話題なったことを覚えている方も多いでしょう。
動画の面白さと有名人の参加を巻き込んだことで世界中に拡散していきました。
世界で1,700万人が参加し、わずか8週間で1億1,500万ドル(約125億円)が集まるという大きな成果につながっています。
(「アイスバケツチャレンジ」公式サイトより)
クイズ・クエスチョンコンテンツ
参加したくなるようなクイズや質問は、ユーザーがメディアに触れる時間を延ばすために有効な方法です。
また、診断型クイズなどは、SNS上でのシェアとも相性が良いです。
クイズ・クエスチョンコンテンツの成功事例
現在アメリカで急速に売上を伸ばしているニューヨーク発の眼鏡ブランドのワービー・パーカーは、クエスチョン型のコンテンツをうまく利用したプロモーションを行っています。
サイト上では、「顔の幅はどれくらいですか?」「どのフレームが好きですか?」「何色が好きですか?」「どんな素材が好きですか?」という質問から、商品紹介のページを誘導し、無料の試着キャンペーン利用を促します。
参加したくなるコンテンツから自社商品へスムーズに繋げた好例と言えるでしょう。
(「ワービー・パーカー」公式サイトより)
レビュー・口コミコンテンツ
レビューや口コミは、商品やサービスの信頼性を向上させるためにおすすめのコンテンツです。
レビューサイトのように大量のコンテンツを集める必要はなく、顧客(場合によっては自社)が執筆もしくは顧客にインタビューした深い内容のレビューが少数あれば十分です。
レビュー・口コミコンテンツの成功事例
雑誌のようなコンテンツを提供し、根強いファンを抱えているECサイト、北欧、暮らしの道具店のレビューコンテンツはぜひ参考にしたい事例です。
もともと写真や豊富な商品知識を用いた詳細な説明が特徴の同サイトですが、レビュー型コンテンツをうまく活用しています。
あるTシャツの商品ページでは5人のスタッフが試着した写真、着用感やコーディネート例を掲載しています。
実物が見れないECサイトの欠点を補い、洗練されたビジュアルで思わず買いたくなるようなコンテンツに仕上げています。
(「北欧、暮らしの道具店」公式サイトより)
インフォグラフィック
インフォグラフィックとは、画像や図表と最小限のテキストを用いてトピックをわかりやすく説明するものを意味します。
データや情報を分かりやすく迅速に伝えることができます。
インフォグラフィックの成功事例
マーケティング施策に定評のあるコカ・コーラですが、公式サイトのコンテンツは是非とも参考にしたい例です。
「Coca-Cola At A Glance(一目で分かるコカコーラ)」と題して、同社の歴史や世界的な人気、持続的な成長を分かりやすくまとめています。
コーポレートサイトで事業内容、社員の紹介や福利厚生の説明にインフォグラフィックを利用している企業は多いです。
(「コカ・コーラ」公式サイトより)
コンテンツマーケティングのステップ
コンテンツをやみくもに発信したからといって成果に繋がるわけではなりません。コンテンツマーケティングのステップとして一般的な流れをご紹介します。
KGI、KPIを設定する
まずはコンテンツマーケティングを実施する目的を明確にしましょう。
その指標となるのが、KGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)です。
前者の具体例としては、販売数の増加、認知度の拡大、問い合わせ数の増加などが挙げられます。
後者の具体例としては、サイトへの流入数増加、顧客単価アップ、PV数の増加、などが挙げられます。
コンテンツを届けるペルソナを設定する
次はコンテンツを誰に伝える人物像、つまりペルソナを設定しましょう。年齢や性別、居住地、職業はもちろん、趣味やライフスタイルまで絞り込んでみましょう。
ペルソナの設定は、層を絞ることでより顧客に刺さるコンテンツが作れる、顧客に感情移入できるというメリットがあります。
商品やサービスの顧客層をそのまま当てはめるのではなく、さらに絞り込んだり新規層を開拓したりする際にも有効な方法です。
カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップとは、顧客の購入に至るまでの順序を図解したものです。
購入に至るまでの行動には、認知、情報収集、比較、購入というステップがあると言われています。
このステップのうち、どこでアプローチするのか明確にすることでマーケティング効果を高めることができるのです。高価格帯で情報収集に時間をかけるビジネス向けのサービス、自動車や住宅などの商品では特に重要になります。
コンテンツマップを作成する
コンテンツマップとは、作成する全コンテンツを図解したものです。
どのカテゴリにどのようなコンテンツがあるのか可視化されることで、導線を設計しやすくなり、チームで全体像を共有できます。
メディア、コンテンツの種類を選定する
ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、コンテンツマップを作成すると、作成するべきコンテンツのイメージがかなり掴めてくると思います。
前述したメディア、コンテンツの種類を参考に、適切なものを選択しましょう。
効果を分析する、ROIを評価する
コンテンツを発信したら、それぞれのコンテンツの効果を分析することが大切です。ROI(投資利益率)を用いるなどして、いくらの費用に対してどれだけの利益があったかを計算してみます。
費用対効果の高いコンテンツを分析し、次のコンテンツ作成に活かしましょう。
コンテンツマーケティングでおすすめの会社3選!
ウェブメディア、オウンドメディアのコンテンツマーケティングで有名な会社を3社ご紹介します。
株式会社イノーバ
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株式会社ウィルゲート
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