株式会社スタルジーでは、埼玉県所沢市の老舗人形店「倉片人形」様と共同で雛人形に関するアンケートを行いました
【調査概要】
- 調査時期:2024年7月
- 調査方法:インターネット調査
- 調査地域:全国
- 本アンケート対象者:娘がいるママさん、お母様400名
- 調査協力:倉片人形
【雛人形に関するアンケート 質問項目】
- あなたの年齢を教えてください
- 娘さんの年齢(複数人いる場合は長女の年齢)
- 娘さんの雛人形を購入しましたか?
- 雛人形は誰が買いましたか?
- 雛人形はいつ買いましたか?
- 雛人形は何月ごろに買いましたか?
- 雛人形を選ぶ上で重要なポイントを3つ選んでください
- 雛人形に関するエピソードを教えて下さい
アンケート全体回答者属性(有効回答数:400)
3.娘さんの雛人形を購入しましたか?
回答者400名のうち67.8%(271名)が「購入した」と答え、雛人形の購入は令和に突入した依然として多くの家庭で行われていることが分かります。一方で、「自分や親世代のものを使い回している」と答えた方も21.0%(84名)と一定数存在し、世代を超えて雛人形を活用している家庭も少なくないことが伺えます。
また、「購入していない」という回答は10.0%(40名)、「これから購入予定」とした方は1.3%(5名)と、購入の意向が低い層も少数派ながら存在しています。この結果から、雛人形が多くの家庭で重要な文化的役割を担っている一方で、費用や保管場所の問題などから購入を控える傾向も一部で見られると考えられます。
4.雛人形は誰が買いましたか?
206名が「自分の親(母方の実家)」が購入したと答えており、雛人形の購入において母方の実家が重要な役割を果たしていることがわかります。この結果は、日本の伝統的な文化や習慣が現在も受け継がれていることを示しています。
続いて、「ご自身・旦那さん」が購入したと答えた方が44名、さらに「旦那さんの親(父方の実家)」が34名、「自分の祖父母」が26名という結果でした。一方、「旦那さんの祖父母」が購入したと答えた方は5名、「その他」と答えた方が8名という少数派も確認されました。
雛人形を買った方に関して回答いただいた323名を母数として割合は下記のとおりになります。
- 自分の親(母方の実家):63.8%
- ご自身・旦那さん:13.6%
- 旦那さんの親(父方の実家):10.5%
- 自分の祖父母:8.1%
- 旦那さんの祖父母:1.5%
- その他:2.5%
この結果から、伝統的な母方の実家が購入するという慣習が多くの家庭で続いていることが見て取れます。
5.雛人形はいつ買いましたか?
回答者287名のうち「娘が0歳の時」に購入したと回答した方が 74.9%(215名) と圧倒的多数を占めています。この結果から、娘の初節句を迎えるタイミングで雛人形を購入する家庭が多いことが伺えます。初節句は日本文化において重要なイベントであるため、多くの家庭がこのタイミングを大切にしていると考えられます。
次いで、「娘が1歳の時」に購入した方は 18.1%(52名) でした。初節句に間に合わなかった家庭や、翌年のひな祭りに向けて準備した家庭が含まれると推測されます。
その他のタイミングとしては、「娘が3歳の時」が 2.8%(8名)、「娘が2歳の時」および「娘が4歳以上になってから」がそれぞれ 2.1%(6名) という結果になりました。これらの結果から、初節句以外のタイミングで雛人形を購入する家庭は少数派であることがわかります。
- 娘が0歳の時:74.9%
- 娘が1歳のとき:18.1%
- 娘が2歳のとき:2.1%
- 娘が3歳のとき:2.8%
- 娘が4歳以上になってから:2.1%
この結果から、多くの家庭で娘の初節句を意識して雛人形を準備していることが確認できます。
6.雛人形は何月ごろに買いましたか?
回答者286名のうち「1月」に購入した方が 40.6%(116名) と最も多く、「2月」が 31.1%(89名) で続きます。この結果は、ひな祭り(3月3日)に向けて準備する家庭が多いことを示しており、1~2月に購入する傾向が強いことがわかります。
その他の時期としては、「12月」が 11.5%(33名) で3番目に多く、早めに準備を始める計画的な家庭が一定数いることが伺えます。一方で、「3月」は 3.1%(9名) とひな祭り直前での購入が少数派であることが特徴的です。「10月」が 5.6%(16名)、「11月」が 5.9%(17名) と、それぞれ年末に近い時期に購入する家庭も少なくありません。「4~9月」は 2.1%(6名) と極めて少ない結果となりました。
- 10月:5.6%
- 11月:5.9%
- 12月:11.5%
- 1月:40.6%
- 2月:31.1%
- 3月:3.1%
- 4〜9月:2.1%
7.雛人形を選ぶ上で重要なポイントを3つ選んでください
娘さんをもつ400名の方に雛人形を選ぶ上で重要だと思うポイントを3つずつ選んでいただきました。
大きさ・コンパクトさ(310名)
最も多くの回答を集めた項目で、約78%の人が選択しています。現代の日本の住環境では、収納スペースの問題やコンパクトなものを好む傾向が顕著であることを示しています。
お雛様のお顔や表情(253名)
雛人形の見た目や美しさが次に重要視されており、全体の約63%が選んでいます。伝統的でありながらも、自分の感性に合った表情の人形を選びたいというニーズがうかがえます。
価格(233名)
約58%が価格を選択しており、予算やコストパフォーマンスが購入判断において重要であることがわかります。
その他の項目としては、以下のような結果が得られました。
実物を見られる(73名、18%)
実物確認を重視する人も一定数おり、品質や雰囲気を直接確かめたいと考える親御さんがいます。
人形のお着物(60名、15%)
着物のデザインや品質を気にする人も少なくありません。
モダン・おしゃれ・流行(59名、14.8%)
流行や現代的なデザインを求める親御さんも存在しています。
伝統(38名、9.5%)
伝統的な要素を重要視する層もわずかに見られます。
ブランドや販売店の歴史や信頼(31名、7.8%)
ブランドや販売店の信頼性を基準とする人もいます。
陶器や木製といった材質(19名、4.8%)
素材にこだわる方は少数派です。
衣装着人形や木目込み人形といった種類(14名、3.5%)
人形の種類に注目する人はさらに少ない結果となりました。
8.雛人形に関するエピソードを教えて下さい
雛人形に関する回答いただいたエピソードをまとめました。
雛人形の「大きさ・コンパクトさ」に関連したコメント
- ひな人形を飾るスペースはないので、小さいおしゃれな置物を買って飾っています。
- 賃貸住宅で飾れるスペースが限られているので、お雛様とお内裏様のみのセットを購入しました。
- 可愛いコンパクトな縮緬で作られたお雛様にしました。
- 市販のお雛様は飾るスペースがないので購入していないが、代わりに児童館で娘と使った雛飾りを飾っている。
- 雛人形は購入していませんが、刺繍で描かれたお雛様(額縁に入っているもの)を実母が購入してくれました。
- 自宅には置くスペースを確保できなく飾っていませんが、通っている幼稚園には立派な雛人形の七段飾りが飾ってあり、毎年雛人形の可愛さに癒されています。
飾るときや片付けの際に面倒くさい…という意見も
- 毎年出すのが面倒で、ケースに入っている物をかえば良かったと後悔した。
- 可愛いと思って買って貰ったのですが、出し入れが面倒になってしまい箱に入ったままになってしまっています。
- 私が友達の家の七段飾りが羨ましくて羨ましくて、小1で七段飾りを買ってもらいました。が、毎年、お飾りするのは楽しいけど片付けるのが面倒臭いこと。実家の押し入れを占領していたし、娘にはケースに入った三段飾りを買ってもらいました。
- 娘のはお内裏様とお雛様だけなので、少し寂しいと思った。自分の7段飾りのを見せてあげたかったけど、出すのが面倒で一回も見せていない。
- 面倒くさがりの性格なので、絶対に出すのが面倒になると思い、ケースのまま展示できるのを選びましたが、それすらもやっぱり面倒で、最近では、さらに小型(ティッシュボックスぐらい)の大きさの、ちりめんでできたひな人形をだしています
「お雛様のお顔や表情」に関連したコメント
- お雛様は母から私が小さい時に飾っていたものを譲り受けました。小さくて可愛らしく場所を取らないのがいいです。
- 回すオルゴールが横についていて子供と寝る前に必ず聴いていた。音に合わせて子供が歌ったりしていて可愛かった。
- お内裏様とお雛様の2体しかおりませんが、手のひら両手分の大きさがあり、笑顔が可愛らしいお人形です。いつもお雛様の時期になると、飾り付けをしますが、子供たちはいつも雛人形を見て目を輝かせてくれます。
- 丸いお顔の雛人形を購入したので、赤ちゃんの時の娘の顔と似たような雰囲気で可愛らしかったです。
- 初めて雛人形を見た娘が「かわいい」と喜んでくれました。
一方で、お雛様のお顔が怖い…という意見も
- 祖母の家に雛人形が置いてあり、初めて見たときに怖くてすごく泣いたのを覚えています。
- 雛人形を娘が0歳のときに買ってもらって飾っていたら、娘の3つ上のお兄ちゃんが、雛人形を見て顔が怖いと言って見る度に毎日大泣きしていました。
- 地元で開催されているひな祭りに行ったら、大量の雛人形が飾られていて、子どもが怖がって泣いてしまった。
- 自分のときに飾られていたものを親から譲ってもらった。自分にとっては特に違和感なかったけど、子供からすると、ちょっと怖いみたい。
その他の雛人形に関するエピソード
- 毎年雛人形を飾って娘とひな祭りパーティをして楽しんでいる。娘が家を出るまで飾ろうと思う。
- 普段は海外生活で日本の文化や習慣を取り入れながら子育てをしたいと思い、日本に一時帰国の際にかわいい雛人形を購入しました。
- 私の家では雛人形には全部、娘が好きに名前を付けて読んでいます。そうすることで、雛人形に愛着を持って娘自らが雛人形の後片付けをしています。
- オルゴール付きの雛人形なので、いつも娘は喜んでオルゴールを鳴らしています。
- 親から子へ受け継がれたので、これからも代々引き継いでいきたい。決して高いものではありまえんが、想いがたくさん込められているので。
- 名前入りで作ってもらったのですが、届いた雛人形が娘の顔にそっくりでした。
アンケートから分かった現代の雛人形購入における傾向と課題
今回のアンケート結果から、雛人形に対する消費者のニーズと行動には、現代のライフスタイルや価値観が強く反映されていることが明らかになりました。
1.現代的な傾向
多くの家庭が初節句のタイミングで雛人形を購入しており、その時期は1月から2月に集中していることが確認されました。また、購入時に最も重視されるポイントとして「大きさ・コンパクトさ」「お雛様のお顔や表情」「価格」が挙げられており、現代の住環境や予算感覚に合った雛人形が求められていることが伺えます。特に収納スペースや設置場所に配慮したコンパクトな商品への需要が顕著でした。
2.伝統との調和
一方で、雛人形の伝統的な意義や価値も根強く意識されています。多くの家庭が母方の実家から購入する文化が継承されており、伝統的な行事としてひな祭りを大切にしている様子がうかがえます。消費者の中には「伝統」や「ブランド・信頼性」を重要視する層も一定数存在し、雛人形が単なる飾り物ではなく、文化的な象徴であることを再認識させられる結果となりました。
3.課題と今後の展望
一方で、「雛人形を購入しない」という回答も一定数あり、その理由として費用の負担、置き場所の問題、または伝統行事への意識低下などが推測されます。これに対して、購入しやすい価格帯の商品や省スペースで楽しめるデザインを展開することで、これまで購入を控えていた層へのアプローチが可能になると考えられます。
また、消費者の多様なニーズに対応するため、伝統的な要素を残しつつも現代的でおしゃれなデザインを取り入れることや、オンライン上で実物に近い商品画像や情報を提供することで、購入意欲を高める工夫が求められます。
まとめ
雛人形は、今なお多くの家庭で愛され、初節句を彩る重要な文化的存在である一方で、時代とともにその選び方や価値観が多様化しています。これらの結果を踏まえ、消費者のニーズに寄り添った商品開発やプロモーションを行うことで、より多くの家庭に雛人形の魅力を届けることができるでしょう。今後の展開においては、伝統と現代的ニーズのバランスを意識しながら、新たな市場の可能性を広げていくことが期待されます。