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孫の遺留分相続・請求・割合について具体例や注意点と一緒に解説!

遺産相続

孫の代襲相続と遺留分の権利について

まずは、代襲相続と遺留分について解説します。

代襲相続とは

被相続人(亡くなった人)の子が、相続開始よりも前に亡くなっていた場合、被相続人の子の子(つまり孫)が相続人となります。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といい、代襲相続によって相続人となった人を代襲相続人といいます。

代襲相続は、被相続人の子が亡くなっていた場合だけではなく、法定相続人が兄弟姉妹であった場合でも発生します。

例えば、祖父が亡くなるよりも前に、祖父の子(子の父)が亡くなった場合、父の子(祖父の孫)が祖父の代襲相続人となります。代襲相続人は、相続人がもつ相続分をそのまま引き継ぐことになります。

なお、代襲相続は、法定相続人が亡くなっていた場合だけではなく、相続欠格(遺言書の偽造したり破棄する等して相続権を失うこと)や推定相続人の廃除を受けている場合でも発生することになります。

遺留分とは

遺留分とは、被相続人の法定相続人(配偶者、子、親)のために、最低限留保しなければならない遺産の一定割合のことです。

例えば、法定相続人が妻・子一人であった場合、遺言者(夫)が遺言書で「全ての財産を妻へ相続させる」と残していた場合、子は遺産を取得することができません。

ところが、子は遺留分権をもつため、受遺者(遺言によって遺産を取得する人)である被相続人の妻(子の母)へ遺留分に相当する額の金銭を請求することができます。この請求を遺留分侵害額請求といいます。

遺留分割合

遺留分は、相続人が配偶者や子である場合は

法定相続分×1/2

相続人が親である場合は

法定相続分×1/3

となります。

遺留分の期限

遺留分の請求(遺留分侵害額請求)にも期限があります。遺留分を侵害された人が、被相続人の相続が始まったことを知ったタイミング、および、遺留分を侵害されたことを知った日から一年間とされています。

また、相続が始まってから10年が経過した場合も遺留分は消滅することになります。

孫が遺留分を請求できるケース、できないケース

では、どのような場合に孫は遺留分を請求できるのでしょうか?

孫が遺留分を請求できるケース

ケース1 孫が代襲相続人である場合です。もし、遺留分に満たない額の遺産しか取得できなかった場合、期限内に遺留分侵害額請求をすることで、遺留分を取り戻すことができるようになります。

ケース2 孫が祖父母の養子となった場合です。養子は法律上、養親の子として扱われるため、実の子と同じ相続分・遺留分をもつことになります。

孫が遺留分を請求できないケース

ケース1 被相続人の子(孫の親)が生存していた場合、孫は相続人とはなりませんので、遺留分を取得することができません。

ケース2 遺留分を侵害されたことを知った日から一年、または、相続が始まってから10年が経過した場合は、遺留分が消滅することになります。

孫の遺留分相続の割合はどのくらい?実例とともに説明

孫の遺留分割合はどのくらいでしょうか?具体的な事例をもとに見ていきましょう。

相続人が配偶者・孫一人の場合

被相続人 祖父A

相続人  祖母B

相続人  孫C(子Zの子)

※子Zは、被相続人が亡くなる前に死亡

この場合、祖母Bと孫Cの法定相続分は、それぞれ1/2ずつです。祖母Bと孫Cの遺留分は、

祖母B 1/2(法定相続分)×1/2=1/4

孫 C 1/2(法定相続分)×1/2=1/4

となります。

相続人が配偶者・孫二人の場合

先程の例に加えて、子Zの子が2人いた場合の孫らの遺留分は、

孫C {1/2÷2人}(法定相続分)×1/2=1/8

孫D(子Zの子){1/2÷2人}(法定相続分)×1/2=1/8

となります。

相続人が配偶者・子一人・孫一人の場合

被相続人 祖父A

相続人  祖母B

相続人  孫C(長男Zの子)

相続人  次男D

※長男Zは、被相続人が亡くなる前に死亡

この場合、祖母Bの法定相続分は、1/2、孫C・次男Dの法定相続人はそれぞれ、1/4ずつです。

祖母Bの遺留分は、前記と同じになりますが、孫C・次男Dの遺留分は、

孫C 1/4×1/2=1/8

二男D 1/4×1/2=1/8 

となります。

孫への生前贈与と遺留分の関係

被相続人が一部の相続人に、婚姻または養子縁組、もしくは生計の資本として生前贈与をした場合、その生前贈与は相続分の前渡しとして遺留分を計算する際の基礎となります。ただし、被相続人が亡くなる前10年以内の生前贈与に限られます。

では、祖父が孫へ生前贈与した場合、他の相続人の遺留分にはどのような影響を及ぼすのでしょうか?祖父が、孫へ贈与した以下の2パターンで見てみましょう。

祖父の子が生きている間の生前贈与

祖父の子(孫の親)が生きている間の生前贈与は遺留分を計算する際の対象外となります。生前贈与の後、祖父の子が亡くなったとしても、孫が受けた生前贈与は遺留分の対象外となります。

ただし、被相続人の亡くなる一年以内の生前贈与や遺留分を侵害することを知った上での生前贈与に関しては、遺留分の対象になります。

祖父の子が亡くなった後の生前贈与

祖父の子が亡くなった後に行った孫への生前贈与は、相続開始10年以内の贈与であれば遺留分の対象となります。

このように、祖父の子が生きている間の生前贈与か亡くなった後の生前贈与かによって、遺留分への影響は変わってくることになります。

孫は遺留分請求が可能?

孫が代襲相続人となった場合で、孫の遺留分が侵害されていた場合は遺留分侵害額請求をすることができます。

例えば、

被相続人 祖父A

相続人  祖母B

相続人  孫 C(子Zの子)

※子Zは被相続人が死亡する前に死亡

祖父Aの遺言に「私の全財産は、妻Bに相続させる」とあった場合、代襲相続人たる孫Cの遺留分が侵害されることになります。この場合、孫Cは祖母Bに対し、遺留分侵害額請求をすることができます。

孫の遺留分請求と方法について

遺留分侵害額請求とは、遺留分を侵害された相続人が受遺者・受贈者(贈与を受けた人)に対して、遺留分侵害額相当の金銭の支払いを請求することができるものです。

その請求の方法は、意思表示で足りるとされています。しかし、口頭で伝えたとしても、「聞いてない」と言われることが考えられますし、手紙を郵送したとしても「届いていない」と言われる恐れがあります。そこで通常は、内容証明郵便を相手方へ送ることで請求をする事になります。

遺留分相続における注意点!

遺留分侵害額請求における注意点は以下のとおりです。

期限がある

先述の通り、遺留分侵害額請求には期限があります。

民法1048条によると「遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」とされています。

この期限内に請求をしない場合は、請求をすることができなくなってしまいます。

起算点がわかりにくい

相続の開始=被相続人の死亡から10年を経過した場合はわかりやすいかと思います。

しかし、「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から」の方は、とてもわかりにくように思います。これは、それぞれの事案によって様々な解釈が考えられるでしょう。

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