大規模修繕の工事期間は?

大規模修繕工事は長い工事期間が必要

大規模修繕工事では、外壁や屋上などの外装、廊下やエントランスなどの共用部、電気、ガスといった設備など、マンションのあらゆる箇所の工事が行われます。

そのため、大規模修繕工事は最低でも約2カ月の工事期間を要し、タワーマンションなどでは年を跨いで行われるケースもあります。

管理会社からの打診がなくても、管理組合主導で修繕工事を計画するために、ご自身のマンションの大規模修繕工事期間を、建物・部位別の工事期間から把握しておきましょう。

建物別・大規模修繕工事の工事期間

大規模修繕工事の工事期間は、マンションの規模に応じて大きく異なります。

なお、複数の棟で構成される多棟型・団地型の分譲マンションに関しては、一棟あたりの戸数をもとに建物規模を判断することができます。

賃貸アパートの大規模修繕工事

賃貸アパートにおける大規模修繕工事とは、退去時のクリーニングやリフォーム工事などを含まない、純粋な建物全体の補修工事を指します。

賃貸アパートには、基本的に管理組合という団体はなく、管理会社や物件所有者が大規模修繕工事を進めます。

そのため、分譲マンションのように住民が修繕金の負担を強いられることはなく、管理会社から事前に通知があるのみで、比較的短期間で工事が完了します。

賃貸アパートの大規模修繕工事期間は、約1~2カ月程度です。

小規模マンションの大規模修繕工事期間

小規模マンションという定義はありませんが、総戸数が約50戸未満の分譲マンションは、小規模マンションと呼ばれる傾向にあります。

小規模マンションの大規模修繕工事期間は、約2~3カ月と言われますが、大規模修繕工事の実施に向けて住民の意見がまとまらなければ、準備期間も含めた工事期間は3年かかることもありますのでご注意ください。

中規模マンションの大規模修繕工事期間

50~100戸の住民が暮らす分譲マンションのことを、小規模・大規模と区別して「中規模マンション」と呼ぶことがあります。

中規模マンションは5階以上になることも多く、足場仮設の範囲に加え、建物の外装面積や住居数に応じた設備数も増えるため、約3~6カ月の大規模修繕工事期間になることがあります。

大規模マンションの大規模修繕工事期間

総戸数が100戸を超える分譲マンションや、超高層のタワーマンションなどは、大規模マンションと呼ばれます。

大規模マンションでの大規模修繕工事は、約半年から1年以上の工事期間になっても不思議ではありません。

総戸数が1000近い分譲マンションや、タワーマンションになると、建物面積の大きさに加え、プールや公園といった豪華な共用施設も建物内に存在することから、約2年以上の工事期間になるケースもあります。

また、長期間におよぶ大規模修繕工事期間中に、管理組合の役員が任期を終える恐れがあります。

長期間の大規模修繕工事を安全に執り行うために、区分所有者から修繕委員会を選出し、施工会社や区分所有者との連絡担当者が不在にならないよう留意しなくてはなりません。

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部位別・大規模修繕工事の工事期間

大規模修繕工事の工事期間は、各部位にどれだけ時間をかけたかで決まります。

なお、マンションの規模や施工会社の体制によって工事部位の規模は異なりますので、下記の工事期間は、あくまでも目安とお考えください。

足場仮設工事の期間

足場の仮設には、約2週間の工事期間を要します。

また、仮設工事では、施工会社の作業員の詰め所や仮設トイレの設置工事などが、約1週間ほど行われます。

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外装の工事期間

外壁の補修や再塗装、目地シーリングの補修、タイルの浮き補修といった外装工事は、約2~3カ月かけて行われます。

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また、屋上やバルコニーなどの防水工事は、約1カ月の工事期間となります。

共用部の工事期間

共用廊下の塗装や防水工事、手すりや階段の鉄部塗装、エレベーターの点検といった、共用部の工事は約2~3カ月かけて行われます。

マンションの共有部分の設備で劣化するものは?

共用部のリフォームは、マンションの規模や、工事を行う共用部の範囲によって工事期間が変動しますので、前回実施した大規模修繕工事と同じ期間で完了するとは限らないことに注意が必要です。