マンションの外壁塗装の費用は?大規模修繕工事は必要?

外壁塗装はマンション大規模修繕の必須項目

大規模修繕工事の項目は、防水工事や鉄部塗装、共用部のリフォームなど多岐に渡りますが、実際に大模修繕工事を実施したマンションでは、約8割が外壁塗装を行ったというデータがあります。

大規模修繕の工事内容は?

外壁塗装は、1回きりで終わる工事ではなく、塗料が耐用年数を迎えるたびに再び行わなくてはなりません。

そのため、新築から間もないマンションも、過去に外壁塗装を実施したマンションでも、建物の築年数に関わらず、いずれは再塗装を必ず行うことになります。

しかし、マンションの外壁塗装経験がない入居者で構成された管理組合や、一度も外壁塗装が行われていないマンションの管理組合は、初めての外壁塗装に大きな不安を抱いてしまうことでしょう。

事実、外壁塗装を含めた大規模修繕工事を、管理会社にすべておまかせにしているマンションも少なくはありません。

しかし、管理会社に修繕のタイミングや工事業者選びを任せきりにしてしまうと、入居者の希望に沿わない大規模修繕工事となる恐れがあります。

管理会社任せにせず、管理組合でも工事業者選びや建物の修繕サイクルが管理できるように、外壁塗装に対する知識を蓄えておきましょう。

大規模修繕の業者選定のコツは?

悪質!管理会社が提出する各工事会社の相見積もり資料は注意が必要!

最近では管理会社が複数社に見積もり依頼をして、A社,B社,C社,D社というような形で横並びで見積もり金額を資料として出してくることがあります。

しかし、実際に全ての会社に見積もり依頼をしているかは不明瞭であり、一番安い見積もり金額の会社は管理会社と繋がっていることがほとんどで、その会社に誘導するための資料となっています。

誠に残念ですが、管理会社はこのように不誠実なことを平気で行うので工事会社の選定は必ず、管理組合が直接工事会社に問い合わせをし、見積もりをお願いしてください。専門家による現地調査・見積もりの提出は、ほとんどの工事会社が無料で行ってくれます。

ご自身のマンションの地域に対応している評判の良い工事会社を無料で紹介することも可能ですので、お気軽に下記お問い合わせフォームよりご相談くださいませ。

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外壁材の耐用年数とは

外壁の耐用年数は、「外壁材の耐用年数」と「外壁塗装の耐用年数」を分けて考えましょう。

約30年の耐用年数を持つと言われるサイディング外壁も、表面に塗装した塗料の耐用年数が過ぎれば、本体の劣化が進行し、本来の耐用年数まで耐久性が続きません。

管理組合でマンションの外壁メンテナンスを計画する時は、まずは、以下の3点を設計図書や過去の修繕データからしっかり分析しておくと安心です。

  • 外壁材の耐用年数は何年か
  • 塗装が必要な外壁材か
  • 塗装が必要な場合、塗料の耐用年数は何年か

大規模修繕工事以外で補修が発生することもある

マンションの外壁補修は、大規模修繕工事まで待たなくても、わずかな工事期間で一部分だけ先行して行うことも可能です。

マンションで特に多い外壁補修といえば、タイル材の浮き補修です。

浮きの補修は、部材価格と施工費用も含めて、一か所あたり約500~900円が相場で、数箇所の補修であれば約50~80万円です。

しかし、外壁全体の補修になると、足場設置費用も含めて約100~200万円以上の工事になることもあります。

マンションの外壁タイルの補修費用は?浮きや剥がれ、落下を放置すると危険?

足場設置工事に注意

低層階の補修であれば問題ありませんが、高層階の補修には、ゴンドラ足場の設置や足場仮設工事費用と設置工事期間が発生します。

足場設置は、一面のみなど補修範囲が少ない時は約30万円に収まることもありますが、マンション全体を囲むように組むと、約200~300万円の費用になる恐れがあります。

そのため、タイルの部分補修や鉄部塗装といった、軽い補修もできるだけ建物全体の劣化診断と併せて行い、修繕サイクルを近づける工夫が必要です。

マンション大規模修繕の足場の費用や単価は?

マンションの外壁塗装の種類と費用相場

以下では、マンションで主に使われる外壁材と、外壁用塗料それぞれの、費用相場をご紹介しています。

マンションに使われている外壁材や塗料の種類が、管理組合で調べられない時は、大規模修繕工事の施工経験を持つ、外壁塗装工事業者や設計事務所に点検を依頼し、長期修繕計画に反映させることをおすすめします。

外壁材の種類と費用相場

マンションで使われる代表的な外壁材は、以下4種類となっています。

タイル張り外壁

  • 平方メートルあたり:約6千~1万2千円

モルタル下地に磁器質のタイルを張り付けて作る外壁です。

タイル材は最も導入工事費用が高く、タイル材の価格次第ではさらに高額になることもありまが、表面の塗装が不要で、汚れや傷、紫外線に強いという高耐久性の外壁材でもあります。

メンテナンスの必要性が低いという点では、頻繁にメンテナンスが行えないマンションに非常に適した外壁材と言えるでしょう。

ただし、浮きの補修や欠けたタイルの交換といった軽微なメンテナンスは、約10年に1度行う必要がありますので、決して「メンテナンスフリー」の外壁というわけではありません。

吹付けタイル外壁

  • 平方メートルあたり:約3~5千円

吹付けタイルは塗り壁の一種で、ガンで塗料を吹き付けた時に、タイルのような艶のある表面仕上げになることからこの名前が付いています。

吹付けタイルも、表面塗膜の再塗装が必要な外壁材です。

さらに、表面でひび割れが起きやすいため、防水工事も兼ねたひび割れ補修として、弾性タイプの塗料による塗装が行われます。

サイディング外壁

  • 平方メートルあたり:約3~5千円

サイディング外壁は、本体価格・工事費用・耐久性のすべてが安定した、オーソドックスな外壁素材です。

施工後は表面が塗膜で保護されるため、塗装の耐用年数が切れた時に再塗装を行わなければなりません。

また、サイディングの目地には、樹脂のシーリングが充填されていますが、シーリングは耐用年数が約5~10年と短く、劣化すると樹脂が裂けて、外壁の内部に雨水が浸水することがあります。

そのため、再塗装の必要性がない時期でも、防水工事も兼ねたシーリングの点検が発生する点を押さえておきましょう。

ALC外壁

  • 平方メートルあたり:約7~1万円

ALCとは、軽量気泡コンクリートの略で、マンションの外壁に使われるものはパネル状になっています。

ALCも、軽く耐火性・耐震性に優れた高耐久外壁材ですが、こちらも再塗装とシーリングの点検が、約10年1度に発生します。

マンションの外壁の塗料の種類と費用相場

外壁用に使われる塗料は、ペンキとは異なる「合成樹脂塗料」です。

軽度の傷や塗膜の剥がれ、鉄部など部分的な付帯部でも、ホームセンターで売られているペンキでは補修できず、ペンキが外壁材を傷めてしまう恐れがあるので区別しておきましょう。

マンションでは、大規模修繕工事の回数を減らすために、耐用年数が長いハイグレードタイプの外壁塗料が広く用いられています。

外壁塗料で最もグレードが高いものは、シリコン塗料とフッ素塗料で、それぞれの特徴と費用相場をまとめると以下のようになります。

シリコン塗料

  • 耐用年数:約12~15年
  • 費用相場:約2~3千円/平方メートルあたり

フッ素塗料

  • 耐用年数:約15~20年
  • 費用相場:約4~6千円/平方メートルあたり

外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りをそれぞれ1日ずつ乾燥させながら行うのが基本ですので、マンションで行う場合は、約2~3カ月の工事期間を要します。

足場仮設費用の相場

外壁塗装で必ず発生する付随工事といえば、作業を行うための足場設置工事です。

足場設置工事は、マンション1棟全体を囲む場合は約300万円が相場で、足場が組めない5階以上のマンションでは、必要性があればレンタルのゴンドラ足場を屋上から吊るして作業が行われることもあります。

ゴンドラ足場の場合、一台の日あたりレンタル料は約3万円、入居者や敷地内の設備への安全対策費として、日あたり約1~2万円が発生します。