美容師からの転職理由・体験談をご紹介!事務など異業種へ就職できる?

美容師を辞める理由とは?転職率の高さを知っていますか?

他の業界や職種と比較しても美容師の転職率はかなり高く、それだけ悩みが多い大変な職業なのです。

美容師は就職してから1年で5割、3年で8割が離職すると言われています。そのため、美容師業界では多くの人が辞めたいと思いながら頭を悩ませているのです。

執筆者情報
株式会社スタルジーの代表の飯塚です。前職は東証一部上場の人材紹介会社に務めておりましたので、転職市場に関してはプロフェッショナルです。今までの経歴を活かして、この記事を執筆しております。

ここでは、よく挙げられる美容師が辞める理由をご紹介します。

美容師を辞める理由とは?転職率の高さを知っていますか?

給与が少ない

美容師の給与が少ないことは、世間でもよく知られている事実です。実は国家資格が必要な職業の中で、美容師は最も平均給与が低いのです。

アシスタントであれば、大都市圏でも手取りの月収が18万前後、地方であれば15万前後というのは珍しくありません。

もちろん人気スタイリストになったり独立したりすれば給与アップは見込めるものの、それまでには長い下積みが必要であり、そこまで到達できるのはごく一握りの美容師です。

労働時間が長い

労働時間の長さも美容師業界の特筆すべき特徴です。10:00〜20:00など営業時間だけ見れば、他の業界と変わりませんが、拘束時間はそれだけではありません。

新人のころは開店前や閉店後にカットの練習をする人が大半ですし、アシスタントを経てスタイリストとして一人前になったとしても後輩の教育が必要になります。

前述したように給与も少ないので、時給に換算すると最低賃金以下になっていることも珍しくありません。

休日が少ない

美容院同士でも競争が熾烈な昨今は、定休日がない店舗も増えました。そのため、休日は週1日だけという美容師が大半でしょう。

また、美容院が繁盛する土日祝日は休みを取れないという点をデメリットに感じる人もいます。

身体的に限界

長い労働時間かつ立ち仕事なので、体力的にも大変です。忙しい美容院であれば、お昼を食べる時間もないほど1日中動きっぱなしということが日常です。

また、美容師は中腰になったり前かがみになったりする動作が多いこともあり、腰痛に悩む方が多いことも特徴です。美容師であれば、マッサージや整体に通っているという同僚が何人か思い浮かぶのではないでしょうか。

手荒れもひどいことも主要な悩みの一つです。お湯、シャンプーや薬剤の影響で、ハンドクリームなどでケアしてもなかなか改善することが難しいです。肌が弱い方にとっては特に深刻な悩みです。

人間関係が合わない

あまり知られていないのが、人間関係に悩む人も多いという点です。

体育会系の会社も多く、先輩との関係がうまくいかず、転職を考える方もいます。

美容師の方が抱える悩みは上記以外にもまだまだあります。美容師を辞める理由についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

美容師を辞めたい理由とは?アシスタント・スタイリストそれぞれの悩みを解説!

美容師が業界内で転職する際の選択肢・注意点とは?

美容師の転職としては、美容師として再就職と異業種への転職の2つがあります。

まずは、美容師が業界内で転職する際に考えられる選択肢とそれぞれの特徴を解説します。

美容師が業界内で転職する際の選択肢・注意点とは?

1,000円カット専門店

これまでブランド力のある美容室で働いていた方にとっては1,000円カット専門店は抵抗があるかもしれません。

しかし、1,000円カット専門店を経営している会社には、資本力のある企業が多く、福利厚生などが充実しているというメリットがあります。

正社員であれば、小規模な美容院のチェーンや個人経営の店舗よりも給与が高い傾向にあります。

小規模・中規模の美容室

転職を考えている美容師の方の多くがこうした美容室で働いていることと思います。

有名美容師を抱えているなど、きらびやかなイメージが先行しますが、下積み時代が長く離職率が高いという特徴があります。

美容師同士の競争も激しいため、労働環境の過酷さも厭わず働く美容師が多くいます。

派遣会社

美容師向けの派遣会社から、人手不足の美容院に派遣されて働く方法です。

比較的自由に働けるという特徴があり、子育て中の主婦であれば早めの時間に帰るなど、自分のライフスタイルに合わせることができます。

給与は一般的には時給制で、派遣会社から支払われます。福利厚生は派遣会社次第です。

業務委託

美容師の中でも現在増えている働き方の一つが、業務委託です。フリーランスや個人事業主として、業務委託契約を募集している美容院で働くのです。

施術料金の50%ほどが取り分になることが多いです。個人の裁量で働ける一方で、売上の増減も自分次第です。

後述する個人経営と違うのは、集客する必要がないという点になります。

個人経営

面貸しまたは個人で美容室を経営するというパターンです。

売上は全て自分のものになりますが、場所の確保から集客、施術まで全て自分で行う必要がありますし、諸々の経費がかかります。面貸しとして、店舗の一部を借りる場合もあります。

またアシスタントが行う備品や洗濯、シャンプーや薬剤の下準備も行わなければならないとを覚えておきましょう。

美容師業界内で転職する際の注意点とは?

まずは、元々いた美容室を辞めたいと思った理由が解消されるのか検討しましょう。

美容院によっては転職すると、アシスタントとして一からのスタートしなければならない場合もあります。今の職場でランクが上がるまではどれくらいかかるのかという点を踏まえつつ、転職するべきか天秤にかける必要があるでしょう。

またできるだけ円満に退職することを心がけましょう。美容師業界はあまり広くありませんから、セミナーやコンテストで顔を合わせる可能性もあります。

美容師業界内に限らず転職は若ければ若いほど有利なので、転職することに決めたら早めに動き出すことがおすすめです。

美容師が異業種に転職する際のメリットとは?

美容師として再就職するのではなく、異業種に転職することは可能なのでしょうか。

20代・30代前半であれば未経験から異業種に転職することは十分可能です。

ここでは、美容師から異業種に転職した時に得られるメリットについて解説します。

美容師が異業種に転職する際のメリットとは?

給与が増える

美容師の平均年収は280万円ほどと言われています。日本全体の平均年収は420万円ほどですので、低いと言わざるを得ません。

そのため、美容師が異業種に転職すると給与が増える可能性は高いのです。

労働時間が減る・休日が増える

美容師のように、開店前の早朝から閉店後の深夜まで長時間労働を強いられる業種はほとんどありません。また、休日が週1日というのも少ない方といってよいでしょう。

他業種であれば、定時退勤や完全週休2日制で正社員として働ける職場も多くあります。

手荒れや腰痛がなくなる

手荒れや腰痛など体力的な辛さから転職を考える方もいることは前述した通りですが、オフィスワークであればそういった問題からも解消されます。

売上のノルマ・個人目標がなくなる

美容院によっては売上のノルマが設定されておりそれにプレッシャーを感じている方も多いでしょう。個人目標を達成できず辛い思いをしている方がいっらしゃるのではないでしょうか。

そうした環境が向いていないという方は、ノルマや個人目標がない職種を選ぶと良いでしょう。

美容師が履歴書にかける強み・自己PRとは?

転職を希望する美容師の中には、「カットの技術や施術に関する専門技術しか取り柄がないから…」と弱気になってしまう方もいますが、美容師の方が持っている強みはそれだけではありません。

履歴書の自己PRで書くべき点を解説します。

美容師が履歴書にかける強み・自己PRとは?

接客力

美容師に求められるのは、技術力だけではありません。お客様にリラックスしてもらう、楽しんでもらうためのコミュニケーション力は欠かせません。

会話の始め方やタイミング、どのようなネタを話すべきか、おしゃべり好きな方と話すのが苦手な方の見分け方など、美容師の経験の中で身につけた接客力・コミュニケーション力は異業種でも役立つ立派なスキルです。

我慢強さ

下積みの長い美容師の場合、他の業界で働いてきた方よりも大変な時期を長く経験してきたはずです。

美容師としてある程度働いてきた方であれば、我慢強さ・忍耐力が身についています。営業など特にタフネスさが求められる業種では重宝される特徴です。

美容師におすすめの転職先とは?

前述したように、美容師の方は異業種でも役立つスキルをすでに持っています。特に美容師の方に相性が良い転職先とその特徴を解説します。

美容師におすすめの転職先とは?

事務職

書類作成やデータの入力、電話対応などオフィス業務全般を行うのが事務職です。経理事務や法務事務など専門知識が必要なポジションもありますが、一般事務であれば未経験からでも就職は可能です。

また、同僚や上司との円滑なやり取りが求められるので、美容師として培ったコミュニケーション能力も役立ちます。

営業職

未経験の場合は営業アシスタントからキャリアを開始することもありますが、一人前の営業職となれば個人の業績次第で大幅な昇給も見込めます。

特に美容メーカーであれば、美容院側の事情がわかった上で営業活動を行うことができるのでおすすめです。

接客業

美容師で身についた接客スキルが活かせるのが接客業ですが、アパレル、ホテル、飲食などの各業界は美容師と同じような労働環境になってしまうことが一般的です。

その代わり、人手不足のため就職先は見つけやすいという特徴があります。

不動産業界

美容師から、街の不動産屋さんや賃貸仲介業者に転職する人が多いことをご存知でしょうか。不動産業の求人情報を調べてみると「元美容師も多数在籍しています」といった記述をすぐに見つけることができます。

不動産業界への転職者が多い理由として、美容師として働いていると引っ越す機会が頻繁にあり働くイメージが湧きやすい、美容師同様にゆっくりとお客様と向き合って話す機会があるため適正のある人が多い、といったことが挙げられます。

IT業界

将来的に高収入を目指すのであれば、IT業界への転職も良いでしょう。

新しい業界なので、ディレクター、エンジニア・プログラマーやライターなどスキルを身につければ、比較的早く高収入を実現することも可能です。

医療・福祉業界

医療業界の中でも、医療事務・歯科助手といった職種は資格がなくても働けます。介護職などの福祉業界は人手不足のため就職先を見つけやすいです。

またこれらの業界は少子高齢化により今後の需要も高まっていくことが予想されるので、長く働き続けられるというメリットがあります。

ブライダル業界

美容師のスキルを直接活かせるのが、ブライダル業界、特に結婚式場のスタッフです。

花嫁のヘアメイクができる技術力を持った人材は重宝されますので、成人式や結婚式向けのヘアメイクにやりがいを感じていた人におすすめです。

アイリスト・ネイリスト

アイリストはまつ毛のケア・装飾、ネイリストは爪のケア・装飾を行う職業です。

給与は美容師と同じような水準ですが、労働環境はそれほど厳しくない傾向にあります。美容師免許を保有していると優遇してくれる職場も多いです。

エステティシャン

同じ美容関連の職種として挙げられるのがエステティシャンです。

マッサージやスキンケアの技術・知識を持った美容師は多いので、重宝される傾向にあります。

マッサージ師・整体師

マッサージや整体は、1対1で接客・施術するという点で、美容師が行ってきた業務と親和性があります。

接客ノウハウが活かしやすい職種といえます。

美容師から転職する際の注意点・コツ

美容師として不満を感じているのであれば、転職によって得られるメリットが多いと予想されますが、リスクや転職のコツを知ってから転職活動を始めるようにしましょう。

美容師から転職する際の注意点・コツ

新しくキャリアをスタートさせる意味

美容師からの転職を迷っている人のほとんどが、専門学校に通って、下積み時代を経験してきたはずです。美容師としての経験が活かせなくなるデメリットと、新しい業界で働き始めるメリットを比較してみましょう。

当然、一定期間美容師の現場を離れるとスキルは落ちてしまいますし、ブランクがある場合には受け入れてくれる美容院は少なくなることを頭に入れておきましょう。

転職先の労働環境を調べる

美容師から転職する理由の多くが待遇や労働環境に関するものですが、転職先で不満な点が解消できるのかは念入りに調べておく必要があります。

例えば、アパレル販売員などは給与や労働時間が美容師に似ている傾向があるので注意が必要です。

転職エージェント・転職サイトやハローワークを利用する

初めての転職であれば、どのように転職活動を始めればいいのか分からないと思います。

転職エージェント・ハローワークでは、転職先の紹介はもちろん、前者であれば志望動機の書き方から面接のコツを教えてくれますし、後者では職業訓練を行っています。転職において第三者の視点からアドバイスをもらうことはとても有効です。

転職者が利用料を負担することはありませんので、最大限活用してみましょう。

美容師から異業種への転職に成功した男性・女性の体験談

未経験から異業種への転職に成功した体験談として、IT業界に転職したケース、事務職に転職したケースをご紹介します。

美容師からIT業界に転職したTさん(29歳男性)

私は専門学校を卒業後すぐに都内の美容室に就職しました。美容師が長時間労働で給与が少ないことは知っていましたが、小さい頃から人一倍おしゃれが好きだったこと、身内に美容師がいたこともあり特に迷いはありませんでした。

実際、就職してみると労働環境の過酷さは想像以上でしたが、やりがいも大きかったです。やはりお客様への接客を通して直接喜んでもらえる、自分を信用してリピーターになってくれる方がいることがうれしくて辛いこともなんとか乗り越えることができました。

複数の店舗を展開している会社にいたので、転職する直前の1年半は副店長を任せてもらっていて、海外に研修へ行くこともありました。決して美容師の仕事自体が嫌いになったわけではなかったですし、退職する直前まで全力で働いていました。

ただ、長年付き合っていた彼女と将来のことを話すたびに、給与の面で不安になりました。

年齢を重ねるごとに異業種への転職が難しくなることは知っていたので、「決断するなら今するべきだ」と自分を奮い立たせて転職を決意しました。

20代後半で未経験からエンジニアとして転職した知人がおり、その影響もありIT業界をメインに転職先を探していました。

未経験ですので一次選考で通らないこともありました。ただ面接まで進めた際には、お客様が本当に望んでいることを引き出すコミュニケーション力や、指示されたことだけではなく相手のことを考えて提案するスキルをアピールしたことを心がけました。

3ヶ月ほどの転職活動を経て、現在の会社にシステムエンジニアとして採用していただきました。

ビジネスマナーからメールの送り方など、かなり基本的なこと教えていただく必要があったので、周りにはご迷惑をかけましたし、苦労もありました。

ただ給与の面では、まだ2年目ですが年収にして美容師時代から150万円ほど上がりましたので、満足しています。

美容師から事務職に転職したSさん(25歳女性)

私は美容室に就職してもアシスタントとしての仕事が辛く、1年程度で転職することを3度ほど繰り返した後、異業種に転職することに決めました。

もともと体力がないので、朝早くから夜遅くまで立ちっぱなしというのが辛かったです。シャンプーやカラー、カットの練習は好きだったのですが、先輩スタイリストとの人間関係、初対面のお客様とのコミュニケーションがうまくとれずに「私には向いていないのかもしれない」と思うようになりました。

転職を決意してからハローワークや転職エージェントを利用して、事務職として転職希望を出してみましたが、なかなか選考に通りませんでした。

そのため美容師を続けながら簿記3級を取得したところ、徐々に条件の良い求人を紹介していただけるようになり、面接まで進めることも増えてきました。

結果、契約社員ではあるものの現在の会社に一般事務として雇っていただけました。月収は多くないですが、美容師時代よりはいただけています。

何より座って作業ができることに感激しています。それだけ前職では体力的に辛かったんです。

美容師から転職することを周囲に伝えた時は「資格があるのに、辞めたらもったいなくない?」「せっかくこれまでやってきたんだからもう少し続けてみたら?」とも言われましたが、今の仕事の方が私に合っているので、転職してよかったと思っています。