介護職のストレスが限界!精神疾患、精神を病んだ方の体験談も紹介

介護職におけるストレスの原因とは?

介護職は過酷な職業として知られており、大きなストレスを抱えている方も多いです。原因も様々ですので、ストレスを感じている方は、どの点が該当するのか自分に当てはめながら読んでいただければと思います。

執筆者情報
株式会社スタルジーの代表の飯塚です。前職では介護業界の求人事業や人材紹介事業(どちらも業界トップクラスのシェア)を行っていた東証一部上場企業に務めておりましたので、介護業界の転職に関してはプロフェッショナルです。今までの経歴を活かして、介護職の方々のためになるこの記事を執筆しております。

また、当サイトで実施したアンケートに寄せられた体験談も合わせてご紹介します。アンケートの詳細が知りたい方は以下の記事をご覧ください。

やってられない介護職から転職した体験談!辞めたいが辞めてよかったに!

人手不足

介護業界では常に人手不足で、ほとんどの施設が日々ギリギリでシフトを回している状況です。

十分な人数がいないと多くのことに気を配らなくてはならないので、通常の業務でもかなりのストレスがかかります。人の命がかかっている仕事ですから、責任感が強い人ほど精神的な負担を感じてしまいがちです。

また、長く働いている人にとっては、入れ替わりが激しいことで人材の質が上がらないことも問題です。

新人教育に時間を費やしてもすぐに辞められてしまったり、利用者の方に必要とされているクオリティを職員全員で保つことができないことは大きなストレスになります。

40代女性

状況によっては昼食や休憩を取る時間がないほど多忙なため、いつか事故を起こしてしまうのではと思っています

人間関係

介護業界で悩んでいる方が多いのが、人間関係です。

介護施設という閉鎖的な人間関係の中では、いじめやいびりが発生してしまいがちです。前述のとおり人手不足にも関わらず新人に対するいじめが多く、そのせいでさらに人材の入れ替わりが激しくなるという悪循環になっています。

また、様々な年代、経歴の方が働いていることも人間関係がうまくいかない原因といわれています。

バックグラウンドや価値観が違うことで、些細な言葉遣いや行動が気に入らないなど、円滑にコミュニケーションが進まないことがあるのです。

30代女性

人間関係に悩んでいます。利用者との対人関係でさえ大変ですが、他部署や看護師など、様々な人との関係性が大切なので大変です

身体的負担

身体的負担が大きいと、ストレスを溜めやすくなってしまいます。

利用者の寝起き、お風呂、排泄のサポートなど重労働が多いため、腰をはじめとして身体のどこかしらを痛めている方が多いのではないでしょうか。

それにもかかわらず夜勤をはじめとした長時間労働が必要な職場ですので、身体的な負担はかなりのものです。

身体の痛みや不規則な生活から不眠症になっている方も多く、ストレスの大きな原因となっています。

30代女性

腰を痛めてしまい、仕事が辛いです

施設の方針

施設の方針と考え方が合わず、自分の意と反した方法で業務を行わなければならない場合も大きなストレスになります。

施設として売上を立てる必要があるのは当たり前ですが過度な売上重視により十分な人数の職員が確保されず、各職員の許容度を超えてしまうほど多く業務が任せられていると問題です。

機械的なサポートしかすることができず、一人ひとりに向き合うことができない、と落ち込んでしまう方も少なくありません。

20代女性

上司の考えが全く合わなくて、悩んでいます

利用者の言動に起因するストレス

利用者の役に立ちたくて仕事をしているのに、嫌味や文句しか言われない、ハラスメントを受ける、といった状況が続くと働く意欲が削がれてしまうのは当たり前でしょう。

また利用者の家族からのクレームがショックで退職されてしまう方もいます。

ちょっとした怪我や利用者の勘違いから虐待をしたと勘違いされて、執拗に文句を言われる、訴訟になってしまう、ということもあります。

30代女性

とにかく、介護者側を守る制度がない。お年寄りからの暴力やセクハラをどうにも出来ず、耐えるしかない

介護業界のブラックな職場の特徴とは?

以下に挙げるブラックな職場の特徴に当てはまっている場合には、転職を考える必要があるでしょう。

労働基準法が守られていない

人手不足が原因で、法律に反した労働環境になっている施設も少なくありません。

労働基準法では、週1日または月4日の休日が義務付けられています。

また、残業手当が支払われない、休日出勤を強要される、といった場合は完全に法律違反です。残業手当は後から請求することも可能なので、覚えておきましょう。

なお、夜勤での休憩時間内にも関わらず、コールなど緊急の対応を必要とされる場合は、休憩時間とみなしてはいけないことになっています。夜勤で広いフロアを1人で担当している方は、該当する場合も多いのではないでしょうか。

パワハラ、いじめが横行している

介護施設の人間関係でストレスを抱える方が多いことはすでに触れましたが、パワハラやいじめが発生することの問題はストレスだけではありません。

介護の仕事では、利用者を複数人でサポートする機会が頻繁にあり、職員間の連携が大変重要です。いじめによって職員間のコミュニケーションが円滑にできないと、サポートの質が低下するだけではなく、事故のリスクが高まります。

特に新人の方はいじめの標的になりやすく、自分が悪いのだ、と悩んでしまいがちです。実際にはオバヘル(おばさんヘルパー)が理不尽な指示をしているだけというケースはよく耳にします。

オバヘルをはじめとして介護の現場では、人間関係に悩む方が非常に多いです。人間関係に悩んでいる方は以下の記事も参考にしてください。

介護職を辞めたい理由は人間関係!体験談ではおばさんが悩みの種?

真面目でおとなしい人ほど自分のせいにしてしまいますので、信頼できる人に相談するようにしましょう。

違法な医療行為が常態化している

看護師など医療資格を持った人でなければ、注射や摘便などの行為をしてはいけないことになっています。

しかし、業務の効率化や人手不足の点から、常習的にこれらの行為が行われている場合があります。

介護職のストレスで精神を病む、精神疾患になる可能性も

介護のストレスが蓄積すると、精神病、精神疾患になる可能性もあります。

ストレスに加えて、不規則な生活習慣、運動不足、栄養不足の食事は危険分子です。改善できる範囲で自分の生活を見直してみましょう。

また休みにはしっかりとリフレッシュをすること、自分の性格を見つめ直してどんな点にストレスを感じているのか知ることも大切です。

介護職が原因で精神疾患を患った方は、再発率が高いことも特徴です。一度休養してから職場に復帰しても再発してしまい、退職に追い込まれるということも多いのです。

すでに休まざるを得なくなってしまった方は、傷病手当金があることを知っておきましょう。雇用者が怪我や病気で療養が必要になった場合には、健康保険から手当金を受け取ることができます。

限界になる前に定期的なストレスチェックを!

あなたの職場では、ストレスチェックは実施されているでしょうか。

2015年12月から、50人以上の事業場でストレスチェックが義務化されています。近年増えている仕事でのストレスに起因した精神疾患を防ぐことを目的としています。

ストレスチェックの結果が職場環境の改善に反映されているかどうかは、職員のサポート体制を判断する基準になります

なお、プライバシーが守られていない状況でストレスチェックを書かされるといった職場がありますが、異常な状況ですので転職を考えることがおすすめです。

また、精神病のリスクを軽減するには職場環境が改善されることも重要ですが、どこにストレスを感じているのか自分で理解することが大切です。

50人未満の職場におけるストレスチェックは努力義務となっているため、実施していない施設も多いでしょう。短時間でできるストレスチェックがありますので、自分でやってみることをおすすめします。

以下のストレスチェックは、厚生労働省が作成したもので、5分ほどで実施できます。

参考 5分でできる職場のストレスセルフチェック厚生労働省

ストレスの解消法を知りましょう

「ストレスが溜まっているな」と感じている方に、ストレスに対処する方法をご紹介します。

介護職におけるストレスの原因とは?

生活習慣の改善

介護職だと不規則な生活になりがちですが、生活習慣の改善はストレスの解消にとても大切です。

バランスの取れた食事、定期的な運動、日光を浴びて身体のリズムを整えることを意識しましょう。

ストレスの原因を明確にする

ストレスの原因であるストレッサーを明確にしましょう。原因不明のモヤモヤしたストレスが明らかになるだけで楽になりますし、対処法を考えることができます。

他の人に悩みを話す

他の人に悩みを話すことで、気分が楽になるだけではなく、原因を深掘りすることができます。

環境を変える

ストレスの原因は分かっているけど自分ではどうにもならない、対処できない、といった場合は、環境を変えることがおすすめです。

こうならないで!介護士の体験談を紹介します

介護士として勤めていましたが、うつ病になり退職に追い込まれてしまった方の体験談をご紹介します。

元介護士の32歳女性Kさん

特にストレスを感じていたのが夜勤で、そしてその時に発生した事故が原因で過度のストレスを抱え退職することになってしまいました。

勤めていた施設では、夜勤の時に20部屋ほどあるフロアを一人で担当させられていました。夜中に起きて歩き回ってしまう認知症の方やコールを多用する利用者の方がいらっしゃる時には休む暇はほとんどありませんでした。

あまりの忙しさとプレッシャーでしたので、夜勤中に何度も嘔吐することや、休日に寝ている時にも夢の中で夜勤の見回りをしていることもありました。

そして、私が夜勤をしていた日に、入居したばかりの利用者がベットから落ちて骨折する事故が起きました。入居前は布団で寝ていたためベットに寝ているということを忘れており、起き上がって体の向きを変えるタイミングで落ちてしまったようでした。

さらに数週間後、深夜に徘徊を始めてしまう認知症の方を部屋に誘導している際に、その方が足を滑らせて骨折してしまいました。

大腿骨の骨折という重症だったため長期間の入院が必要で、結果的に筋力が衰えて寝たきりの状態になってしまいました。

続けざまの事故ということもあり他の職員の対応も冷たく、その方の家族からは「あなたのせいだ」と罵倒される日々が続きました。

今考えると私が悪いわけではないと思うのですが、当時は「私が担当している時間で事故が起きてしまったのだから私の責任だ」「ベットから落ちたときの対策を講じておくべきだった」「もう少し丁寧に接することができたかもしれない」と考えてしまいました。

自分に自信がなくなるとともに、周りからの冷たい目線と日々の業務の過酷さから、ストレスが限界に達し、精神疾患を患ってしまいました。

療養後は職場に復帰する予定でしたが介護の現場に戻ることが怖くなってしまい、現在も復職できていません。

ストレスは放置せず適切に対処をしましょう!

忙しい日々に追われていると、ストレスが溜まっていても何の対処もせずに放置してしまいがちです。

まずは、ストレスの原因は何なのか、職場にも悪い点があるのではないか、といった点を整理したり、ストレスチェックを実施したりして、自分のストレスについて理解することが大切です。

ストレスの解消法でも対処が難しいようであれば、環境を変えてみることも視野に入れてみましょう。