介護職を1日、1週間で辞めた体験談、理由を集めました!

介護職を1日、1週間で辞めた体験談、理由を集めました!

「介護業界は離職者が多い」「すぐ辞める」は本当か?

介護業界では離職する人が絶えないイメージをお持ちの方が多いと思います。

しかし、介護職員全体の離職率は他の業界と比較して際立って高いわけではありません。厚生労働省が発表した「介護労働の現状」という資料によれば、常勤労働者に関して、全産業における離職率は12.4%、介護職員の離職率は16.8%となっていてやや高い程度の水準です。他にも離職率が高い業界は複数あります。


参考
介護労働の現状厚生労働省

では、なぜ離職者が多いイメージがあるのでしょうか。

それは、1ヶ月など就職から短い期間で辞めてしまう、場合によっては1週間、1日で辞めてしまう方が一定数おり、そのインパクトが大きいからと言われています。

介護業界における転職の失敗全般については以下の記事でまとめています。

介護の転職で失敗しない・後悔しない秘訣を解説!体験談や事例も紹介 介護の転職で失敗しない・後悔しない秘訣を解説!体験談や事例も紹介

執筆者情報
株式会社スタルジーの代表の飯塚です。私は、厚生労働省指定実施機関から職業紹介責任者に選任された転職のプロフェッショナルです。また、前職では介護業界の求人事業や人材紹介事業(どちらも業界トップクラスのシェア)を行っていた東証一部上場企業に勤めておりましたので、介護業界の転職市場もよく理解しております。今までに得た知識と経歴を活かして、介護職の方々のためになる記事を執筆しております。

1日で辞めてしまうケース

介護業界では、すぐに現場に配属され予想を上回る大変さを体験して、1日で辞めてしまうというケースも少なくありません。

勤務1日目でやることとは?

どのようなことを体験して辞めたくなってしまうのか、まずは介護士として就職して1日目には何をするのかご紹介します。

そもそも介護の仕事には、直接介護と生活援助があります。

直接介護とは、文字通り利用者を直接サポートする業務のことで、トイレやお風呂、食事の介助、立つ、寝る、移動するといった基本的な動作の援助が挙げられます。

生活介護とは、清掃、洗濯、食事作り、買い物など、身の周りのサポート業務のことです。

介護未経験の新人の場合は、1日目に直接介護を担当することは少なく、挨拶や施設のルールの説明、簡単な生活介護の業務で終わることが多いです。

しかし、前もって抱いていたイメージや面接の際に職場を覗いた時には分からなかった介護の現場を目の当たりにして想像以上に大変だと驚く人も多いのです。また募集要項に書いてあったこと以外にしなければならないことが多い職場もあります。

実際に働いてみて分かる疲労感から、「これは続けられない」と見切りをつけてしまう方もいます。

介護職経験者の場合は、午前中に雑務を済ませた後はすぐに現場に入ることが一般的です。しかし、以前の職場とやり方や方針が違いすぎる、と感じて辞めてしまう方もいます。

また人間関係が原因で前職を退いた方は、前職と同じような違和感を覚えるとすぐに辞めてしまいがちです。

1日で辞めても大丈夫なのか

初日の勤務を終えて辞めたくなってしまった方は、「1日で辞めてしまってもいいのか」と悩むのではないでしょうか。

施設も採用費や時間をかけて採用したので1日で辞めてしまっては困りますが、止むを得ない理由がある場合は仕方ありませんし、モチベーションがないままダラダラ働き続けられるのは逆に迷惑です。

1日ですぐに辞めるということには悪いことばかりではありません。数日以内で辞める場合には、厚生年金や健康保険に加入していないため職歴になりません。

時間、職歴に関するロスを最小限に抑えることができるのです。

1日で辞めてしまった18歳女性Tさんの体験談

「自分にもできそう」と軽い気持ちで介護の仕事を始めようと思いましたが、完全に甘い考えでした。

高校卒業後なかなか就職先が決まらない中で、介護職の求人を見つけ応募することにしました。面接では職員の方も優しく、素敵な職場に見えたのでここでなら働けそうと思いました。職員の方にも、「Tさんの真面目な性格であれば、介護士も向いていると思うよ」と言っていただき採用していただきました。

やる気を持って出勤したのですが、先輩の仕事ぶりを見学させてもらうと「私には無理だ」と思ってしまいました。

排泄の介助など「ここまでやるのが介護士なんだ」という業務の連続で、帰宅後よく考えた結果辞めさせていただくことにしました。

両親に相談したところ、自分の甘い考えで応募しまったこと申し訳ないことを伝え、他の新人の方の士気が下がらないように上司の方だけに話しなさい、とアドバイスをもらいました。

翌日、支給されたユニフォームやロッカーの鍵を持って、辞意を伝えにいきました。

数日で辞めてしまった50代男性Hさんの体験談

「昼休憩は1時間、食事は労使折半100円ずつで提供」という話だったが、実際には利用者に食事介助をしながら食事30分、正味休憩は30分だった。

しかもコロナ真っ只中だったのに、当然ながらこの状況では実質的にノーマスク介護。メシだけ貰って10分で食って50分を昼寝みたいにした自由な使いかたは不可能。
この調子なら夜勤になったら実際は何をやらされるか分からんと思って数日で辞めた。

慣れない介護職の仕事はストレスが溜まる

就職ばかりの方はなれない介護職の仕事にストレスを感じているのではないでしょうか。

介護職は業務の大変さに加え、人間関係に悩んでいる人も多く、ストレスを溜め込んでいる人が多いと言われています。

こちらの記事では介護職のストレスについて解説しています。

介護職のストレスが限界!精神疾患、精神を病んだ方の体験談も紹介 介護職のストレスが限界!精神疾患、精神を病んだ方の体験談も紹介

1週間、1ヶ月で辞めてしまうケース

1週間〜1ヶ月など短期間働いて辞めてしまう方は、他の職員の方の対応や人間関係に問題があり辞めてしまう方が多いです。

前出の厚生労働省が発表した「介護労働の現状」によれば、もっとも多い離職理由は、「職場の人間関係に問題があったため」で、24.7%にもなります。

アパレル販売員・正社員を辞めたい!体験談で分かる大変な理由とは? 介護職を辞めたい理由は人間関係!体験談ではおばさんが悩みの種?

当サイトが行なったアンケートでも人間関係が退職理由の第3位となっています。アンケートの詳細については以下の記事をご覧ください。介護士の転職全般について解説していますので、「まだ就職したばかりだけれど辞めたい」と考えている方にも役立つ記事となっております。

やってられない介護職から転職した体験談!辞めたいが辞めてよかったに! やってられない介護職から転職した体験談!辞めたいが辞めてよかったに!

特に比較的短期間で辞めてしまう方は、右も左も分からない状況なのに何も教えてくれず、利用者からも信頼されず孤立してしまうパターンが少なくありません。

こういった施設に就職してしまった方の体験談をご紹介します。

1週間で辞めてしまった20代女性Kさんの体験談

他の業界で働いていたのですが専門学校に入り直し介護福祉士の資格をとって、ある介護施設にて働き始めました。

何より驚いたのは、勤務初日からほとんど何の指示もなく現場に配属されたことです。先輩社員から言われるのは「〇〇さんの入浴介助して」「〇〇さんが呼んでるから対応して」といった何をしてほしいかの指示だけです。

いくら学校で研修をしてきたといっても現場での介助は勝手が違いますし、利用者の名前や要介護度も分からなければ、施設の設備も分かりません。

職員の方は皆忙しそうで、何か聞いても丁寧に教えてくれません。もちろんオドオドした対応になってしまうので利用者の方にも信頼してもらえない始末です。

圧倒的に人手が足りていないようで、お昼休憩もなければ、初日から2時間のサービス残業です。

1週間経っても何も分からないままでしたので、辞めることにしました。現在は他の施設に移って働いており勤続3年目になります。

やはり最初の施設が異常だったようで、転職先では最初の2ヶ月は先輩職員が教育係についてくれましたし、雇用契約通りの勤務時間で働くことができています。

私のように運悪くひどい環境の施設に入ってしまった方は、自分が頑張るべき環境なのか、施設側に問題があるのか、しっかり見極めてほしいと思います。

入社3日で1人で入浴介助することになった20代女性Sさんの体験談

高校卒業後新卒でグループホームに入社しました。

元々高校で福祉の勉強をしていて、介護実習なども行っていたのである程度の知識は知っていました。

しかし、やっぱり実習と現場のお仕事は全く違うので改めて1から教えて頂きたかったのですが、ほとんど教育の時間はありませんでした。

入社して3日で、まだ1度も1人でやったことの無い入浴介助をやったり、入社して2週間で夜勤に入ったりしました。

料理を作っても「自分の好みの味ではない」と捨られた経験などもあり、精神的にも体力的にも追いつかなくなりすぐに退職をしました。

3日で辞めてしまった60代女性Nさんの体験談

派遣で行った老健の現場が酷すぎて3日で辞めました。

丁寧に教えてくれる職員さんもいる中、完全に無視する人、不慣れな職員を怒鳴るベテラン職員など様々な人がいました。

私は介護士の経験者ではあるけれど、初日から入浴介助をさせられたり、1番の退職の原因は利用者に対する職員の冷たさです。

上半身裸でバスタオルをかけた利用者さんがずらっと並ぶ光景をみて、寒いのに文句も言わずに待っている利用者さんに対して辛くなりました。

求人内容と実際の勤務条件が違った40代男性Aさんの体験談

日勤を希望して就職しましたが、初日のみ日勤でその後いきなり早番業務に入り、名前や顔・ADL(日常生活動作)が分からないまま食事介助やトイレ誘導をしたり、服薬をする業務をすることになりました。また、そのあとの勤務もほとんどが早番ばかりでした。

転職を考えている介護職の方へ

転職をしたいと思っていても、「自信がなくて転職に踏み切れない」「どうすれば満足できる転職ができるのかわからない」という方は以下の記事を参考にしてください。

介護業界内での転職を考えている方には以下の記事がおすすめです。

介護職の転職理由、志望動機の伝え方、介護士の転職先の選び方を解説 介護職の転職理由、志望動機の伝え方、介護士の転職先の選び方を解説

異業種への転職を希望している方には以下の記事がおすすめです。

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すぐに辞めてしまう方の特徴

介護施設で働く人の意見を聞くと、すぐに辞めてしまう方には特徴があることが分かりました。特に言及されることが多かった3つの特徴を紹介します。

コミュニケーション能力がない

介護士は、同僚、利用者とも密にコミュニケーションを取る必要があります。

同僚とはチームワークと高めるために信頼関係を築く必要がありますし、利用者とはこの人にサポートしてもらいたいと思ってもらう必要があります。

体力がない

見た目以上にハードな介護の現場では、人並み以上の体力が必須になります。

短い期間で辞めてしまう方の中には、それぞれの業務をすることには問題がなくても、体力的に限界がきて体調を崩した後、そのまま職場に来なくなってしまうということが少なくありません。

覚えが悪い

十分な研修の時間が取れない施設も多いため、短期間ですぐに戦力になることが求められます。

どんな場合に危険な状況が発生するかを予測する危険察知能力を、少ない経験から学んでいくことも必要です。

覚えが悪い場合には、先輩社員の風当たりも強くなり、人間関係もうまくいかなくなる悪循環に陥りがちです。

介護施設側にも責任がある

前述したように、すぐに辞めてしまう方に原因があるケースもあるでしょう。

しかし、すぐに辞めてしまう職員を生んでしまう介護施設側にも責任があるのです。それは、離職率の低い施設も存在していることからも分かります。

新人への要求が高い

人手が足りない場合には、十分な教育をしていないのにも関わらず、新人に対する要求が高くなりがちです。

周りの新人と比較して遅れをとってしまうと、強く当たってしまうケースも多いです。

雇用契約が守られない

働き始めた当初から、サービス残業、雇用契約を超えた日数の夜勤が課される場合があります。

この場合、ブラックな労働環境が今後も続くことが予想されるため、転職を検討すべきと言えます。

ブラックな施設に就職してしまった経験がある方へ

「入社してみたら、事前に聞いていた待遇と全く違った」「人間関係や教育体制がひどかった」といった経験をお持ちの方は、ぜひ具体的なエピソードをお寄せください。

辛い思いをなさった体験談をもとに情報発信していくことで、介護業界の労働環境を改善していきたいと考えています。

体験談の投稿はこちら>>

就職から短期間で辞めたいと思っている方へ

たまたま劣悪な施設に転職してしまい即日辞職した方でも、その後に就いた職場で何年も働いているというケースは珍しくありません。

あなたが今苦しい思いをしているのは、たまたま職場が自分に合っていない、偶然ひどい職場に巡り合わせてしまったという可能性が高いです。

介護業界では、条件の良い職場を見つけることが難しいので仕方がないことでしょう。

退職が難しい状況なら、退職代行サービスの利用もあり

「退職したいけど、言い出すことができない」という方は、退職代行サービスを利用するとよいでしょう。

弁護士による指導のもと、全て丸投げして退職手続きを進めてもらうことができます。

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退職代行に違法性はないのか、どこの業者がおすすめなのかといった点が知りたい方は以下の記事をご覧ください。

退職代行ニコイチの口コミ評判は?失敗することはあるのか体験談も含め解説 退職代行ニコイチの口コミ評判は?失敗することはあるのか体験談も含め解説

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介護職を短期間で辞めることについていただいた質問

レイズキャリアでは、キャリアや転職に関する質問を受け付けております。その中から介護職を短期で辞めることについての質問と回答をご紹介させていただきます。

新人の多くが1週間や1ヶ月といった超短期間で辞めてしまう介護施設があるようです。そういった施設にはどんな特徴があるのでしょうか。
(40代女性)

パートや派遣社員の入れ替わりが激しい施設だと「すぐに辞めるはずだから」という理由で、冷たく接したり大変な業務を押し付けたりするケースもあるようです。施設によって合う合わないがあることは間違いないので、どうしても合わない施設に就職してしまった場合は転職を検討しましょう。

実際に働き始めて分かったのですが、排泄介助が想像以上に大変です。1ヶ月ほど経っても便の処理や匂いには慣れません。私は介護職に向いていないのでしょうか。
(20代女性)

排泄介助に関しては、最初からあまり抵抗なくできる方もいれば、ずっと苦手なままの方もいらっしゃいます。また介護職には様々な業務がありますので、身体介助の業務が苦手だからといって介護職に向いていないとも言い切れないでしょう。利用者とのコミュニケーションや気遣いで工夫すること、楽しく快適に暮らせる環境作りをすること、自分の業務に感謝されることにやりがいを見出せるのであれば介護職への適性はあると思います。

前職では、人間関係が原因で(正確にはパワハラに近いこともあったので)就職してから2ヶ月ほどで辞めました。現在就職活動中ですが、面接では前職の退職理由が人間関係であることを言っても問題ないでしょうか。
(30代女性)

本記事でも解説している通り、介護業界では人間関係が理由で退職される方は非常に多いです。前職であったことを話せば、採用担当者も悪い施設に当たってしまったことを理解してくれるはずです。

まだ介護職として働きはじめたばかりですが、辞めたいと思ってしまいます。どのような点にやりがいを感じることができるのでしょうか。
(30代男性)

長年介護職として働いている方からは以下のような声が聞かれます。
「ありがとうの言葉で今日も頑張れます」
「自分にしか分からない入居者の変化に気づいてコミュニケーションできた時にやりがいを感じます」
「他の人じゃなくてあなたにお願いしたいと言ってくれる方がいるので、その方のために働いています」
「自分がサポートした方がどんどんイキイキした顔になっていく時はこの仕事をやっていて良かったと思えます」
やはり、入居者からの感謝の気持ちを一番のやりがいに感じている方が多いようです。

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