介護職の転職理由、志望動機の伝え方、介護士の転職先の選び方を解説

介護職に多い退職理由とは?

介護業界ではどんな離職理由が多いのでしょうか。厚生労働省による「介護労働の現状」をもとに、離職理由トップ5(複数回答可)をご紹介します。

執筆者情報
株式会社スタルジーの代表の飯塚です。前職では介護業界の求人事業や人材紹介事業(どちらも業界トップクラスのシェア)を行っていた東証一部上場企業に務めておりましたので、介護業界の転職に関してはプロフェッショナルです。今までの経歴を活かして、介護職の方々のためになるこの記事を執筆しております。
参考 介護労働の現状厚生労働省

当サイトで実施したアンケートで集まった退職した方の体験談も合わせてご紹介します。以下の記事ではアンケート結果と合わせて、異業種への転職も含めた介護士の転職全般について解説しています。

やってられない介護職から転職した体験談!辞めたいが辞めてよかったに!

また、離職理由のトップ5としては挙がっていませんが、介護業界では過度のストレスが原因で、精神疾患などを患って退職に追い込まれてしまう方もいます。そのような事例に関しては以下の記事をご覧ください。

介護職のストレスが限界!精神疾患、精神を病んだ方の体験談も紹介

職場の人間関係に問題があったため(23.9%)

介護職の人間関係はよく取り上げられます。高圧的な態度をとる中高年のベテラン職員や上司がいる、派閥が生まれて対立が起きている、など問題は様々です。

30代女性

職場の人間関係が最も悩む

以下の記事では、介護の職場で、人間関係が問題になる原因、問題のある人の特徴、解決策を解説しています。

介護職を辞めたい理由は人間関係!体験談ではおばさんが悩みの種?

結婚・出産・妊娠・育児(20.5%)

退職理由の上位のなかでは唯一、職場には関係のない理由です。なお、介護業界では長く働くことができるため育児が落ち着いてから復職される方も多いです。

30代女性

夜勤があり、子育てとの両立が難しかったです

理念や運営のあり方に不満があった(18.6%)

「人手不足が続いているのに、施設が職員を増やそうとしてくれない」「利用者とのコミュニケーションが重視されない」など、利益や効率を重視する施設側と現場で働いている職員にはズレが生じがちです。

50代女性

事業所内での配置転換により、培ったスキルが活かせなくなる。また、看護師との業務上の関係性がものすごく弱く、利用者主体の介護が出来ない状況にある

他に良い仕事・職場が見つかった(18.2%)、自分の将来の見込みが立たなかった(17.7%)

給与や勤務時間など待遇に不満を持っている方も多いため、より良い労働環境の転職先を見つけて退職を決意するケースも多いです。

また、介護業界でのキャリアに不安を抱いて他の業界で働くために退職することもあります。

30代男性

給料が安く、子育てや老後のための資金が不安

一方で、介護の転職では失敗してしまったと感じる方が多いことも事実です。転職失敗の体験談、転職に失敗しない秘訣が知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

介護の転職で失敗しない・後悔しない秘訣を解説!体験談や事例も紹介

介護職の転職理由・志望動機はどう伝えるべき?

転職する介護職の方は、介護業界内で次の就職先を探すことが多いです。そのためこの章では介護職から介護職へ転職するケースをメインに解説します。

異業種への転職についてはこちらの記事で解説しています。

介護職・介護士を辞めて異業種に転職できた体験談を紹介!

また介護業界は就職から短期間で辞めてしまう方が多いことも事実です。「就職したばかりだけど退職を考えている」という方は以下の記事を参考にしてください。

介護職を1日、1週間で辞めた体験談、理由を集めました!

周囲への不満から転職したことは言わない

嘘をつく必要はありませんが、周囲に不満があったから転職したことを伝える必要はありません。

勤めていた施設の問題点や同僚だった人の文句を言ってしまうと、「受け身な姿勢だな」「自分で変えようとはしないのかな」「当社でうまくやっていけるのかな」と面接官に悪い印象を与えてしまいます。

前向きな理由を前面に出す

これまでに勤めていた職場に不満があったのであれば、その不満が解消されるような施設に転職しようとしているはずです。

転職を希望している施設のどこに惹かれているのか、どのように自分のキャリアプランや考え方に合致しているのかということを説明し、前向きな理由で転職を考えていることを伝えましょう。

コミュニケーションに問題がない姿勢を示す

人間関係が問題になることが多い介護の職場ですから、面接官も他の職員と円滑にやっていくことができるのかを心配しています。

明るい姿勢や笑顔を示すことによって、コミュニケーションに問題がないことを伝えることができれば理想的です。

介護職の転職理由・志望動機の伝え方を実例で紹介します

冒頭の調査結果にもあったように転職理由は、ネガティブな理由が大半です。それをどのように前向きな志望動機に変換すればよいのか迷われる方も多いと思います。

志望動機の実例を紹介しますので、ご自身で作成する際に役立ててください。

人手不足が深刻だった施設からの転職理由

私は一人ひとりと向き合い利用者の心が豊かになるような介護がしたいと思い、介護士になりました。

以前の職場で勤め始めた当初は、利用者と意思の疎通ができる介護を行えていたのですが、経営方針が代わり利用者の定員を増やしたことで機械的な対応が多くなってしまいました。

利用者の笑顔も少なくなり、私自身もやりがいを見出せなくなったため転職を決意しました。

貴社の施設で掲げられている「心の通った介護を、あなたに」という理念通りの介護を実施していることに魅力を感じ、応募いたしました。

残業が多い施設からの転職理由

介護福祉士としてのキャリアを積んでいくにつれて、「こんなルールがあれば、もっとスムーズに業務が回るのではないか」「利用者の声を反映した介護施設をマネージメントしたい」という思いが強くなっていきました。

そのような思いから、介護の仕組みを変えていく立場になるためにケアマネージャーの資格を取得したいと考えるようになりました。しかし、以前の職場では人員の問題から勤務時間が長く勉強のための時間を確保することが難しい状況でした。

比較的勤務時間の短い貴社に転職することで、資格取得のための勉強時間を確保したいと思っております。ステップアップした介護職員になることで、最終的には貴社のサービス向上に貢献したい所存でございます。

具体的な強みをアピールする転職理由

小さい時から高齢者に囲まれて育ち、年上の方々とのコミュニケーションを取ることが好きだったため、介護業界で働き始めました。

自分も楽しんで介護が出来ているからか利用者の方に気に入っていただくことも多く、名指しでサポートをお願いされることも多くあります。

新人の職員は、利用者の方に受け入れられるかは心配する点だろうと存じ上げますが、利用者にも満足していただける心のこもった介護を提供することをお約束いたします。

未経験だが動機が明確な転職理由

介護が必要になった親戚の実情を目の当たりにし、高齢な両親を介護していく知識を身につける必要があることを痛感したため介護業界に転職することに致しました。

未経験からのチャレンジは困難であるとは思いますが、接客業で培ってきたコミュニケーション力には自信があります。

未経験でも職員を採用しており充実した教育制度がある貴社の施設で、いち早く一人前の介護職員として活躍したいと考えましたので応募致しました。

介護職における転職先を選ぶポイント

求人詳細以外で、転職先を選ぶ際に注目すべきポイントをまとめました。

どんな事業形態の施設か

介護施設には、株式会社、社会福祉法人など複数の事業形態があり得ます。

前者であれば、役職をもらうことで大幅な昇給が望めますし、後者であれば、昇給は緩やかです。自分のキャリアプランにあった方を選ぶようにしましょう。

求人掲載の頻度が多くないか

地元で転職先を探している場合、よく新聞広告が入っているなど求人を頻繁に見かける施設には注意が必要です。

それだけ職員の入れ替わりが激しい、人手が足りていないということですから、労働時間や休日数などの待遇に問題があるケースが多いです。

求人の詳細には、かなり高い給与が掲載されていることがありますが、それに見合わないほどの激務だったり、サービス残業があるため時給換算すると他の施設の方が良かったりすることがよくあります。

職場の雰囲気はどうか

職場の人とうまくやっていけるかどうかは、誰もが心配する点だと思います。

面接の際には職場を見学できることが多いので、設備だけではなく、働いている人にも注目するようにしましょう。

職員がイキイキ働いているか、面接に来た自分に挨拶をしてくれたか、といった点から人間関係の良し悪しを判断することができます。